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地震エネルギーによる発電
地震はプレート運動が原因で起きると聞きましたが、そのプレート運動を発電に使うことはできないのでしょうか?プレートの運動自体はそれほど速度はないですが、パワーがあるのでてこの原理でタービン回すとかできるんでしょうか
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人類はプレートの"底に"到達するほど深い穴を掘った事はありませんが、地表や海底もプレートの一部なのですから、プレートに到達するのであれば穴を掘る必要などありません。 プレートの動きを取り出すだけであれば、表層の土砂の層よりも下にある硬い岩盤の層にまで到達する様な比較的浅い穴を掘って、その岩盤に杭などを打ち込んで固定するだけで十分です。 しかしその動きを発電に利用する事は現実的ではありません。 >パワーがある と言っても、プレートの動きは年に数cm程度という極端に遅いものに過ぎませんから、そのパワーをてこないし歯車装置等を用いて発電に使う事が出来るほどの速さに変換し増速するには極端に強い力を変換せねばならず、極端に強い力を変換するためには、てこや歯車がその極端に強い力を受け止める事が出来るだけの頑丈さを備えていなければなりませんから、必要となるてこないし歯車装置は極端に頑丈な構造としなければなりません。 どの様な材料であっても構造材の単位断面積あたりの強度というものには限界がありますから、極端に頑丈な構造にするためには極端に太くしなければならず、しかも大陸プレートと海洋プレートの間の速度差を取り出すためには、2つのプレートの境にある海溝の上を橋渡しする様な形で構造材を通す必要がありますから、その極端に太い構造材は長さの方も何十kmという非常に長大なものとしなければなりません。 製鉄所で鉄を作り出すのに多くのエネルギーが必要になるのは質問者様もご存知の事と思いますが、太さも長さも極端に大きな構造材という巨大なものを作るためには大量の材料が必要になりますから、その大量の材料を製造するだけでも莫大なエネルギーが必要になりますし、あまりにも重過ぎますから港に停泊する事ができる様なサイズの船では運ぶ事など出来ませんし、もし仮に分解して運ぶ事が出来たとしても工場から設置場所まで運搬するために必要となるエネルギーも莫大なものとなります。 また、巨大な構造を持つ発電装置なのですから、それが発電し続ける事が出来る様にするためのメンテナンスのために必要となる労力やエネルギーも多くなります。 ですから、プレートの動きを取り出して発電しようとしても、そのための発電装置を製造して設置するために必要となるエネルギーの方が、発電で得られるエネルギーよりもはるかに多くなり、エネルギーを損するだけになる恐れが高いのではないかと思います。 それにそもそも、極めて遅い速度を発電可能な速度にまで増速するという事は、元の速度と発電機の回転速度の比が極端に大きなものになるという事を意味しますが、変換の前後の速度の比が大きければ大きいほど、機械部品の摩擦などによって無駄になるエネルギーが増えますから、巨大な装置をただ単に回転させるためだけに必要となるエネルギーすら得られず、装置が全く動かない事になる恐れすら皆無ではありませんし、例えかろうじて動いたとしてもエネルギー効率が非常に悪い発電装置にならざるを得ないと思われます。 また、その様な巨大な発電装置を作るためには莫大なコストが掛かりますから、それによって発電した電力は極端に割高なものとなります。 その様なコストの高い発電方法を使うくらいなら、太陽光発電や風力発電を使った方が、より多くの電力を比べ物にならないほど圧倒的に低コストで得る事ができますし、そういった既存の発電方法を用いた方が技術的な問題も圧倒的に少なくなります。 従って、他にも実用的な発電方法が数多くある以上、デメリットばかりが多いプレート運動発電を態々使う事に意味はありません。
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- ffo_on
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人類は未だにプレートに届く”穴”すら掘ったことがありません
お礼
丁寧なご回答感謝です 自然エネルギーの取り出しの難しさを感じました 大きすぎるエネルギーを扱えるようになればエネルギー問題は解消されるかもしれないですね