この話は、基準とか国際標準の必要性とか価値の問題です。
日本の基準のどこが悪いんでしょうか、という話ではありません。
わかりやすいように、ちょっと過去の話をします。
ものさしひとつでも、カネ尺とクジラ尺という2つの標準があって、大工と仕立て屋では寸法の違うものを同じサイズだとして作っていたのでした。
これは、それぞれの業界の技術統一とか質の向上に大きく役にたったかもしれないけど、家具に布のカバーをつけようとしたりすると、そこでちぐはぐなことが起こった。
そこで誰でも共通に共有する規格というものを設定しようじゃないか、という動きになったのです。
日本にはJIS規格というのがあって、ねじの寸法とか重さの原器の設定の企画とか、漢字コードの定義なんかをしていました。
これは技術の世界では革命的なことです。日本人はオカミが決めたことには従順に従う性質がありますから。
しかし、JIS規格なんて所詮日本だけでやっていることですから、国外の人からの信頼はありません。
そこで国際標準規格という考え方がでてきて、ISOとかIEEEとか、どこかの国で発想されてものだけど、規格を全世界で共有しようじゃないかという動きが2000年ごろから強くなりました。
いまの時代は企業がひとつの国にとどまってやっていることなんて少なくなり、メーカーだったら世界中どこでも販売し、メンテナンスをするようになりました。
そのとき、国際標準規格があるときわめて助かります。
どの国にいっても、その規格の名前と番号を言えばぴったり同じものが手に入るのです。
その国での販売権を取得するのに悩まなくて済みます。
こういうことが、会計でも求められるようになってきたのです。
その国その国によって税率も違いますし、法的に個別の決め事がある、これは仕方がない。
だけど、日本で購入した経理システムをアメリカに持っていったら全然役にたたなくなった、これでは困ります。
簿記会計は世界共通の文化のはずですけど、コンピュータのオペレーションの呼吸が違うのです。
IFRSはそれを国際標準として規格化しようというものなのです。
おかげで、インドとかブラジルのような、一見面倒くさそうなところがこの規格を全面的に受け入れているので、そういうところでのビジネスの落とし穴にはまらなくなったのです。
また、このIFRSの思想からいうと好ましくないという指摘によって、アメリカの国内法がいくつか書き換えられようとしているようです。
ERP製品が、国が違うことでうまく導入が進まないなんていう悩みの種だったことまで片付く可能性があります。
お礼
簿記会計は世界共通の文化のはずですけど、コンピュータのオペレーションの呼吸が違うのです」 はい・・・ ちと難しいです インドとかブラジルのような、一見面倒くさそうなところがこの規格を全面的に受け入れている」 国際標準規格という考え方」 地方語じゃ無くて 国際語 EIGOって事かしら?? 有難うございます。 参考にさせて頂きます。