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ガラス状炭素について

ガラス状炭素というマニアック?な素材がありますが、これを使ってスマートフォンの筐体やボタンを作ったりできないのでしょうか?

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  • kagakusuki
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回答No.1

 スマートフォンはなるべく小型化しなければならない都合があるため内部スペースに余裕がありません。  そのため、スマートフォンの筐体を構成している素材は肉厚が薄く作る事が出来るものが都合が良いと思われます。  ガラス状炭素は、強度や弾性率が通常のカーボン材と比較して著しく高いという特徴を持つ一方で、耐衝撃性に関しては通常のカーボン材よりも低いため、硬くて脆い素材だと言う事になります。 【参考URL】  ガラス状炭素 - J-Stage   https://www.jstage.jst.go.jp/article/tanso1949/2007/230/2007_230_369/_pdf    ※上記URLに掲載されているpdfファイルの2ページ目(p.370)の冒頭を参照のこと  硬くて脆いという事は加工し難い素材だという事になりますから、単なる薄い平板であれば兎も角、面と面との境である辺の部分に丸みがあるスマートフォンの筐体の形状を肉厚を薄く作るのには向いていないと思います。  これが既存のスマートフォンに使われている金属材料であれば、圧延加工によって薄板上にした素材を基にして、プレス加工で簡単に大量生産する事が出来ます。  しかし、可塑性が殆どないガラス状炭素では、プレス加工をする事など不可能です。  ガラス状炭素は樹脂を熱分解する事で作られ、熱分解の際に体積が減少してサイズが変化してしまうため、元となる樹脂を型を使って成形してから熱分解処理をしただけでは、出来上がる部品の寸法を十分な精度で作る事は困難であると推測出来ます。  そのため、ガラス状炭素製の筐体を作る際には、筐体よりも厚肉で少し大きめに作ったものを元にして切削加工で成形しなければなりませんから、素材の無駄が多くなる上、肉厚を薄く作る事も困難になります。  私はガラス状炭素という素材の重量当たりの単価に関しては何も存じませんが、SUSやアルミニウム合金などといった一般的な金属材料と比べて単価が安い素材ではない様な気がいたします。  もし仮に重量当たりの単価が一般的な金属材料よりも多少安かったとしましても、成形加工時の材料の無駄が非常に多ければコストは何倍にも高くなりますし、そもそも加工コストは一般的な金属材料の素材のコストよりも高くつくのが一般的であり、切削加工と研磨加工のコストは大量生産のプレス加工と比べてかなり高くつきますから、コスト的には金属製の筐体と比べて非常に高コストなものになる事は間違いありません。  肉厚を薄く出来ない関係で、同じ機能を実現させるのに必要となるサイズや重量が多少大きめにならざるを得ないというのに、価格だけは高くつく様なものを態々作る必要があると思いますか?

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