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世界各国華僑の中国語教育は?
現在、大陸中国の公用語は「普通話」、文字表記は「簡体字」、発音標記は「漢語ピン音法」が採用されています。 また、台灣では、公用語は「国語」、文字は「繁体字」、発音標記は「注音符号」が採用されています。 (ここまでは、一般常識だと思いますが、自分の知識を確認するためにおさらいしてみました) それでは、世界各国の華僑では、発音、文字、発音記号のそれぞれについて、何が標準なのでしょうか? (1) 華僑の人口構成で最も比率が高いのは広東系と福建系と聞きます。だとすると、普通話成立以前に海外に進出した華僑地域で 標準中国語がどの程度通じるのか疑問に感じます。 しかし、「アジアの共通語」とまで言われる普通話が通じない地域があるとは現実に考えにくく、やはり現在では世界標準のような 気もします。 実際のところどうでしょうか? (2) 簡体字が成立した1950年代よりはるかに以前から華僑は存在する訳で、簡体字は大陸以外では殆ど通じない気がしますが、一方、 外国人向けの中文教材では、簡体字 + 漢語ピン音が事実上の世界標準となっている現実から見て、繁体字 + 注音符号で記述 された教材が台灣以外で流通しているとは思えません。 華僑地域では、どんな教材で子弟に中文を習わせているのでしょうか? 大陸、または台灣で流通しているものを輸入しているのか、それとも現地で独自に流通しているものがあるのでしょうか。 # それとも教材に頼らない、一子相伝....? (3世、4世になると、現地語しかできない人も少なくないそうですが......) 海外在住経験者には簡単な(?)問題かもしれませんが、ご存知の方ご解説頂けると幸いです。
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久方ぶりに自信を持ってご案内できるご質問にぶち当たりました(^^♪。 >自分の知識を確認するためにおさらいしてみました ・'おさらい'された内容は、私も正解だと思います。 以下、中国大陸以外における中国人・華人・僑生の教育実態の一般論・実感・実体験談をご案内します。 「華僑(外地に住み付いた華人)」 「僑生(華僑の親から生まれた華人)」 「華人(外地にいる中国人種の総称)」を区別して認識してください。そうしないと混乱します。 >世界各国の華僑では、発音、文字、発音記号のそれぞれについて、何が標準? ・まず、日本人的教育・教養・常識が極めて高水準からの発想をここで、捨ててください。そうしないと、以下に挙げる実例などが実感としてご理解不能になるとことを危惧します。簡単に言うと「標準」は無きに等しいのでは(華人にそのような概念が無いと思います←これは日本人にはご理解不能だと・・・)。「共通語」として「中国普通話」が有るんだと思います。以下に詳しく。 >(1) ・いわゆる200年~50年以前に国を出た典型的な華僑達はすでに二世三世四世となり、僑生となり草となり現地に深く侵入・侵蝕して行きます。それらの第一世代目の華僑はほとんどが文盲に近く、教育とは無縁の人々でした。従って出身地の言語が話せるだけで、読み書きはほとんど絶望的だった筈です。ましてやピンインをや。僑生になると、ある者は現地語の学校に、ある者は華人学校に行きます。親自身が教育が無かったがために子供には学問をさせたいという願望からと、単に現地の法令に従っただけによるものです(一般的に)。それにしても、学校に行く習慣自体は近年になってからです(おおむね40~20年前から)。制度としての華人学校は私の知る限り東南アジア地区にしか存在しないと思います(米国LAXやSFOには有りかも、不明)。シンガポールを除いて制度としての華人学校の教育はほとんどが「繁体字による中国普通話+ピンイン」教育です。海外の華人はそれを「国語」と称しています(望郷の念が込められている可能性有り、不明)。ピンイン教育は、重視していないので熟知している華人は特殊な人だけになります。また出身地が異なると方言では相互に意思疎通が絶望的に不可能です。華人学校に行かなくても欧州・アフリカ・オセアニア・南アジアの華人達はTV・Netを介して中国普通話を理解する機会も有ります。何故なら生活上の必要から中国本土からの公式情報(普通語+簡体字)・ニュース(普通語/方言+簡体字/繁体字)の取得や家族・知人との情報交換が必要です。そんなわけで中国普通話が共通の言語になっているのは自然の流れだと思います。 現実に、英国の何れの都市・エジプト・スーダン・マダガスカル・セイシェル・ナイジェリア・モロッコ・UAE・ブルガリア・オウストリア・イタリア・シシリー・フランス・スイス・ドイツ・オランダ・トルコ・グリース・インディア各地・フィリピン・ブルネイ・カンボジア・ラオス・タイ・ヴェトナム・奥州・フィジー・トンガ・ハワーイ・ジャマイカ・サンパオロ・他、掲出の全ての地域で体験済みです。かなり込み入った話も成立します。ただし簡体字文字を読める華人は極く限られた人です(アジア以外では英語のほうを読める華人が多し)。会話不成立だったのは年配の華人で多分一世ではなかろうかと想像します。(オランダ・ドイツでは現地語が話せなかったので中華料理屋に飛び込んで情報収集して命拾いしたことがありました)。(スコッツランドでは私の不完全標準英語が通じないときがあって華人の助けを得ました)。 そんなわけで、華人の「共通語」は「中国標準語+繁体字」だと考えています。逆説で「標準語(音声のみ)」は「共通言語」なのかしらね。 >(2) >簡体字は大陸以外では殆ど通じない気がしますが ・マレイジアの一部分の華人とシンガポール以外は殆ど通じませんね。マレイジアで一部理解できるのはシンガポールと隣接しているし、その係累が密だからだと思います(除く、学識有る華人)。英国の看板などは簡体字も一部有りチャンポンメンも有ります(ご存知のとおり香港台湾を除いて、アジアも含めて海外における中国文字というのは忌憚無く言うとほとんどが出鱈目です)。 >外国人向けの中文教材では、簡体字 + 漢語ピン音が事実上の世界標準 ・違うのでは、と思います(-.-)。「英文+ピンイン+繁体字」か「現地国言語+ピンイン+繁体字」です。教本に出てくる漢字文字は繁体字が主です。教科書としての簡体字はシンガポール以外は無いと思います。アジアを除くと中国語教育そのもが義務化されているわけではありません。学ぼうとする人は自力で教本購入になります。よって、ある人は「現地国言語+ピンイン+繁体字/簡体字」の参考書、ある人は「台湾香港(当然繁体字)」からの教材、ある人は「大陸(当然簡体字)」からの教材、ある人はかの有名な「オックス・ブリッジ発行の英文+ピンイン+簡体字/繁体字」物に頼らざるを得ませんね。 >繁体字 + 注音符号で記述された教材が台灣以外で流通しているとは思えません。 ・そう思います。注音符号現存地域はもはや台湾だけでは・・・(不明)。 >華僑地域では、どんな教材で子弟に中文を習わせているのでしょうか? ・上述のごとく「英文+ピンイン+繁体字/簡体字」か「現地国言語+ピンイン+繁体字」です。文字は繁体字が大勢(除く、シンガポール)。シンガポーリアンは両方理解する人が大勢います。公用語に指定されているし、先代と僑生の密度が濃いのと、簡体字教育になってから20年?足らずだからだと思います。 >大陸、または台灣で流通しているものを輸入しているのか、それとも現地で独自に流通しているものがあるのでしょうか。 ・この部分の疑問は以下、想像を含むです(-.-)。 そもそも華人・華僑の子弟(僑生)はすでにそれぞれの現地に溶け込んでいるゆえ、制度としての学校教育は「現地語(または英語)+ピンイン+繁体字」の教材使用になると思います。文字は繁体字が圧倒的です。大陸・台湾からの教材使用者は、特殊な向学心の有る人や自国で教材を編集・作成出来ない弱小国だけだと思います。タイ・ヴェトナム・マレイジア・シンガポールは無論自国製です。タイ・ヴェトナム製は誤字や不明瞭が目立ちます。シンガポール製は本土物以上に垢抜けていて正確無比です。 >(3世、4世になると、現地語しかできない人も少なくないそうですが......) ・そのとおりで、普通語が話せても読み書きが出来ない華人が圧倒的です。日本人には理解不能ですね(別の機会にでも・・・)。学校制度として中国語学校自体が全世界で数箇所しかないんではと思います(除く、マレイジア・シンガポール)。他の国・地域は概ね自費教育です。すなわち耳学問ばかりになるのは必然ですね。 >海外在住経験者には簡単な(?)問題かもしれませんが、 ・簡単ではありません。思い込みとか勘違いとか記憶違いとか書き間違いとかを訂正しつつ、他人様に理解してもらえるように文字情報だけで伝えるのは至難だと認識しています(汗)tenn.
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- yosato
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中国語に関してはほぼ素人ですが、海外在住(ロンドン)の大学院生という立場から経験談を。 一般に英国生まれの中国系住民(本人達はBBC、British Born Chineseなどと称しています)には広東系が多く母国語は広東語、私の知る限りあまり(というかほとんど)Mandarinを話す/理解する人はいません。大陸系の留学生などとは英語。大学レベルでも、中国人向けの北京語講座などが開かれていたりします。 中華街の漢字表記はすべて繁体です。 従って英国に限っての話ですが (1)Mandarinは通じません。 (2)については、子弟教育の現状を知らないので何とも言えませんが、上記の事実から、中国人社会で体系的教育が行なわれているとは考えにくいと思います。ピンインは、コンピュータでの必要性からか大学での中国系の友人などは知っています。簡体字も理解していますが、書かせると繁体。上記講座などで使われている教材は当然ながら簡体で、大陸から輸入された外国人向けものを使っているようです。 でもこういう教材は漢字を前堤しませんから、中国人や日本人にはまどろっこしいですよね。何か他にもあるのかもしれません。こんど詳しいことを訊いてみます。
お礼
コメントありがとうございます。 参考になります。 東南アジア諸国に比べると英国の中華系住民は比率が低いでしょうし、中国から距離がある ( = 必然的に交流も少ない) ので、仕方ないのでしょうね。 祖先は共通だが、独自の歴史を歩んだ民族と言えるかもしれません。 > コンピュータでの必要性から これは無視できない要因ですね。 尤も、"デジタル・デバイド"というぐらいですから、コンピュータを使う機会に恵まれない階級は一生ピンインに縁のない生活を送ることになりそうですが。
お礼
マレーシアとシンガポールの中国語事情について、興味深い文章をネット上で発見しましたので、参考までに列記します。 言語のごった煮 -マレーシアの中国語- http://db.sinorama.com.tw/jp/current_issue/show_issue_text.php3?id=200479307104j.txt&show=1&mid=200407200406200405 麻美のシンガポール通信 その13 双語教育(第1部) http://kazankai.searchina.ne.jp/db/disp.cgi?y=2004&d=0409&f=cnrl_0409_001.shtml 麻美のシンガポール通信 その14 双語教育(第2部) http://kazankai.searchina.ne.jp/db/disp.cgi?y=2004&d=0416&f=cnrl_0416_001.shtml 麻美のシンガポール通信 その15 双語教育(第3部) http://kazankai.searchina.ne.jp/db/disp.cgi?y=2004&d=0426&f=cnrl_0426_001.shtml 本題からは外れますが、こんな↓記事もありました。 表音表記をどう統一する? http://db.sinorama.com.tw/jp/current_issue/show_issue.php3?id=200139003098j.txt&page=1&show=&mid= (3年前の記事ですので、すでにご存知の方が多いかもしれませんが......)
補足
詳細なコメントありがとうございます。 > ・違うのでは、と思います(-.-)。「英文+ピンイン+繁体字」か「現地国言語+ピンイン+繁体字」です。教本に出てくる漢字文字は繁体字が主です。 そうでしたか。港台以外では、繁体字は過去の遺産に過ぎない (= 古書を除いて繁体字の出版物は流通していない) と思っていたのですが、認識が誤っていたようです。 > 普通語が話せても読み書きが出来ない華人が圧倒的です。 この話を読んで作家のカズオ・イシグロ氏を思い出しました。 英文の小説で賞を取るほどの文才の持ち主なのですが、彼の日本語力は日常会話程度なのだそうです。 血筋は100%純粋日本人なのですが。 現地語教育しか受けさせないのは、必ずしも経済的な貧困だけが原因なのではなく、家庭の教育方針など、別の要因もありそうです。