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細菌感染症について
先日、細菌について調べていた際、ビブリオ科の腸炎ビブリオが耐熱性の溶血毒を出し、それにより下痢になると書いて有りました。 そこで思ったのですが、何故溶血が下痢に結びつくのでしょうか? 初歩的なことですが、できれば作用機序も含めて回答お願い致します。
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ほかの方の回答ですが、全くの間違いですのでご注意を。 まず現在まで腸炎ビブリオの下痢誘発性の機序は明らかにされていません。基本的に溶血毒だから下痢を起こすということは無く(であれば溶血連鎖球菌感染症でも同様の症状が起こるが、溶連菌感染では下痢は起きにくい。むしろ抗生物質の副作用による下痢が多い) 従って溶血するから下痢になるというのは全くの間違いです。 基本的なことから書いていくと、腸炎ビブリオには ・thermostable direct hemolysin(TDH) ・TDH-related hemolysin(TRH) という2種類の溶血毒素があります。この2種類は溶血以外に腸管毒性を有することが1970年代から確認されており、下痢の原因は溶血ではなく、その他にある毒性の機序であることが明らかになっています。しかし、その詳しい機序については現在も研究が重ねられており現在では以下のことが明らかになっています。 1、腸管上皮細胞細胞内Ca2+濃度をprotein kinase C依存性に上昇させ、apical側に存在するCa2+依存性Cl-チャネルを活性化させることによりCl-分泌を亢進する ⇒この研究で明らかになったことは腸管上部のイオンチャネルの活性を変化させることで水の吸収を阻害するという点です。従って、水を吸収することが難しくなった結果激しい下痢を起こすのではないかと考えられます。 2、腸炎ビブリオ菌による激しい下痢には小染色体にコードされるIII型分泌装置であるT3SS2が必須であり、そのエフェクターVopVはFアクチンに結合すること,VopVのFアクチン結合活性は下痢誘導活性と相関する ⇒この研究で明らかになったのは、上記のイオンチャネルとは別に、腸炎ビブリオがなぜ腸管特異的に下痢を起こすことが出来るのかという点に着目しています。ここではビブリオが持つ分泌装置が下痢に関与しており、その上でエフェクタータンパクVopVがFアクチンに結合することで下痢を誘発しているとしています。 つまり、機序はいくつかあり ・溶血毒が持つ溶血以外の毒性によって下痢が起きている ・溶血毒以外にビブリオが細胞表面に保有している蛋白が下痢を誘発している ということが考えられます。
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- NuttyBar
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溶血性毒素が赤血球を破壊して溶血します。この際に赤血球の細胞内容物がばらまかれることで、血管内に炎症反応が起き、凝固系が亢進して微小血栓ができやすい状態になります。この微小血栓が腸管の毛細血管に詰まると、その周辺の腸管の細胞、特に腸粘膜の細胞が壊死します。粘膜の細胞が壊死すると水分をはじめいろんなものの吸収ができなくなり、吸収がちゃんとされてない便が出ます。つまり下痢です。 恐らくこんな感じじゃないかと思います。
お礼
一つの意見としてみさせていただきました。 ありがとうございます。
お礼
詳細な回答ありがとうございます。 このことを参考に一度私も専門書で調べてみようと思います。 助かりました。重ねて御礼申し上げます。