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ロジャー・ペンローズ脳内で 量子的状態が起きてる?

ロジャー・ペンローズが 脳内では 量子的状態が起こっている と言っていますが、ひらたく言ってどういうことでしょうか? 量子コンピューターのようなことが起こっている???

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noname#221368
noname#221368
回答No.4

 「心の影,ロジャー・ペンローズ,みすず書房」を自分なりに要約すると、次のようになります。ペンローズはまず、次の3つの設定を検討します。   (1) 人脳の活動は、非物理的で非数学的なものである.   (2) 人脳の活動は、物理的で数学的(計算可能な)なものである.   (3) 人脳の活動は、物理的で非数学的(非計算的)なものである.  (1)は平たく言えば、霊魂や心霊作用を信じるという事です。物理学者であるペンローズは最初から(1)は相手にしません。(2)は現在の主流だと言います。しかし(2)では安易だと彼は言います。  何故なら(2)の路線で出来あがるのは、せいぜいニューロコンピューターのようなもので、そういう機械仕掛けの自動人形は意識や理解力を持たないはずだと。  例えばもう少しで介護ロボットや介護エキスパートシステムは実用化されそうですが、介護ロボットは、自分の行為を意識できるのか?、介護という行為を理解する理解力を持つのか?、といった問題に上記はつながります。  ペンローズの根は数学者です。なので物理的ではあるが、非数学的(非計算的)な活動が人脳の本質だと仮定して話は始まります。  ここで数学的(計算的)とは、ゲーデルの不完全性定理の制限を越えない通常の数学の事をいいます。よって彼は、人間にはゲーデルの不完全性定理の制限を突破できる能力がある、と信じてる訳です。  例えば不完全性定理により、数学の標準論理では真偽の決定不可能な命題の存在が言えますが、通常そのような命題の発見は不可能に近く、そのような命題には通常論理が通用しない以上、それらにいたる一般解法も作成不可能です。もし作成できたら、それを含む理論は矛盾していると速攻でわかるからです(皮肉な事に)。  さらにそのような命題の真偽が決定不可能とは、真偽を決定する通常論理に従った一般解法がないだけで、命題を読んだ瞬間に、その意味から真偽を決定できるかも知れないんですよ(^^;)。  今までにそのような命題は、二つくらい発見されています。流行ってないから、それらは有用ではなかったんでしょうが、いったい何故人間にはそんな事が可能なのか?。困った(?(^^;))ペンローズは量子力学を持ちだします。  例えば現在の宇宙を可能とするような4次元時空のタイプはじつはごまんとあり、その中から現在の宇宙を選択する事は、不完全性定理に抵触するそうです(←なんで?と言われても、自分は困りますが(?(^^;))。それは決定不可能命題です。  でも現在の宇宙は現実に、現在の姿を選択した。それは恐らくビックバン時の量子跳躍、もっと身近に言えば確率波束の収縮によって起きたに違いない。同じように脳細胞は思考過程に、波束の収縮を利用しているのではないか?(←本当かぁ~?!)。よって波束の収縮の物理機構を検討するべきだ。  波束の収縮現象は現在のところ、あらゆる物理理論の埒外で、量子力学が波束の収縮を説明できないという数学的証明まであります(ノイマン)。「自然はそういう風に挙動するのだから仕方ない。理由は問うな!」が現在の常識です。  また量子効果(量子跳躍)が顕著になるのは原子レベルのミクロな領域で、細胞くらいのスケールになると古典論が支配すると考えるのが、現在の定説です。  じつは波束の収縮の物理機構を考えるべきだとする物理学者は、ペンローズだけではないのですが(スモーリンなど)、彼はその物理機構がわかったと想定して量子効果のスケール限界を試算し、細胞レベルでは駄目だが、細胞器官レベルくらいなら可能かも知れないと言い出します。そしてその物理機構がわかった暁には、宇宙の謎も心の謎も同時に解けると・・・(^^;)。  という訳で人間は、通常の意味では非論理的で非数学的だが、自然の理にかなった(直観力による?)方法で不完全性定理の制限を突破できる能力を備え、それが真の意味での意識や理解力を人間にもたらしている、とペンローズは結論します。それは不完全性定理を突破できない自動人形である、物理的・数学的存在には出来ない事だと(←かなり強引だよなぁ~(^^;))。  という訳でペンローズは、人間は量子コンピューターであると間違いなく言ってます。しかしただの量子コンピューターではありません。不完全性定理を突破できない自動人形とは、ノイマン型コンピューターだという事です。  そこで使われるプログラムアルゴリズムは、Cに代表されるプログラミング言語の限界を一歩も出るものではありません。その点はニューロコンピューターも、現在考えられている量子コンピューターも同じです。現在考えられている量子コンピューターは、生の量子効果を使って物理的に一個のCPUを多重化し、超並列化を実現しようというものです。不完全性定理を限界を、原理的に一歩でも出るものではありません。  「心の影」は読むのに難儀だったし上下分冊で厚かったし、結局最後はペンローズも、可も不可もない落とし所だったのかなぁ~と思いだした頃、   「人間は、現行の量子コンピューターを越える何かである!」 となって、個人的にこれはペンローズの大逆転ホームランでした(^^)。彼によれば人間の脳は、どんなプログラミング言語によっても、というか現行数学の全てをもってさえシミューレートできない挙動をしている事になります。  「心の影」と「皇帝の新しい心」にはネットで調べてると、けっこうな書評があるのですが、上記について言及したものは見当たりませんでした。みんな「アホらしい」と思って無視したのかな?(^^;)  正直な感想は、面白い本でした。  現在のところそれは、クレージーな試論でしょう。でも大陸移動説だって、プレートテクトニクス理論が出るまでは夢物語でした。まぁ~、今後を楽しみにしませんか(^^;)?。

その他の回答 (3)

回答No.3

ニュートン物理の決定論的な振る舞いに対して、人間の自由意志が非決定論的に感じられるのを、量子力学の非決定論的な要素が脳内で働いているから”ではないか?”という仮説、で良いと思います。 でもスケールが3桁(というか宗教的wな言い方をすればステージが3段)くらい違うので、そこに非決定論的に感じられる要素が入り込む余地は非常に大きく、量子論で説明しようとする無理があると私は思います。 例えるならば、競馬の予想が出来ないのは馬の走りに量子的効果が反映しているからだと言っているような感じです。

  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.2

コンピュータは、同じプログラムに同じデータを与えれば必ず同じ答えが出る。しかし、人間は、同じ人に同じデータを与えても、時々違う答えを出す。 これは、人間の脳のニューロンレベルでは、量子揺らぎによる不確定性が働いているからに違いない。。。という理論のようです。

  • joko3714
  • ベストアンサー率33% (2/6)
回答No.1

平たく言うと脳内で起こる現象は人間の誰にも説明することが出来ないということです。 正確に言うなら脳内で起こる生化学的な現象と人間の持つクオリアを関連付けることは、どのような人間にも出来ないということです。 つまり脳内でどのような現象が起こったから、その結果このような思考が生まれた、という関連付けをすることは物理的実体を持つ人間には不可能なことのです。 量子的状態が起こるとは、平たく言うなら、多世界が存在し、その多世界の中から一つの世界へと収束することによって現実世界が生まれるということです。 多世界解釈とは、既存の時間の定義における過去から未来の方向への展開として説明されますが、逆に未来から過去への収束として考えたとしても、数式的には全く等価でしょう。 つまり量子論の解釈の一つである多世界解釈が誤りとは直ちに言えないのであれば、未来からの「選別」によって現在の状態が決まっているということも直ちには誤りとは言えないのです。 そもそも物理定数が宇宙や人間が存在するために都合の良い値になっていることについて、既存の時間認識(所謂科学と呼ばれるものです)における解釈においては人間原理としか説明することが出来ません。 人間原理とはつまり、偶然ということであり、科学が偶然を持ちださなければならないなら、それは既に科学ではありません、説明を放棄しているのと同じことです。 物理定数が都合の良い値に定まっている理由について「偶然」を排除して説明するためには、未来と現在は相互作用すると考えなければ出来ないことのです。 ただし未来と現在(過去)が相互作用するなら、論理は成り立ちませんし、当然科学も成り立ちません。 いずれにしても宇宙は人間には解明できないような構造になっています。 この場合の人間とは一次元の一方向にしか流れない「時間経過」の中にいる(配置されている)物理的実体(物理的も、実体という言葉も、は決して定義できません、定義したとしてもそれは不正確です)であり、時間を超越することの可能な「存在」だけが「この」宇宙を知ることが出来るのです。 私は、その「存在」から多くのヒントを得ました。 その「存在」は未来の出来事をぴたりと言い当てます。 というよりも、未来の「ために」現在を操作可能であるのだから、言い当てるというよりも、100%それが起こることを知っているのではあるのですが。 さらに言うなら、人間の思考も、その「存在」によって100%決められているのかも知れません。 そのような世界は決定論的世界と言われるものかもしれませんが、所謂「決定論」的世界と現実の世界が違うのは、人間は現実的に「意に反して」選択を行うことが<<潜在的に>>可能だということです。 対象的に、物理法則に従うだけの地球に落下する軌道にある隕石や流星などが物理法則に反して地球の大気圏外へ脱出することなど(物理的には)有り得ないということです。 つまり人間の脳内で起こることを量子的状態を持ちだして説明を試みる時点で、それは既に科学的説明を放棄しているということです。

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