- ベストアンサー
国際化とグローバリゼーションの違いについて
- 国際化とグローバリゼーションは異なる概念です。
- 国際化は国境を越えた交流や経済の活性化を指し、グローバリゼーションは世界的な一体化を指します。
- 具体例として、国際化は異文化の尊重や多言語対応の取り組みを表し、グローバリゼーションは国境を越えた企業の展開や製品の普及を表します。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
いずれの用語も、「国内志向だったものが国外の関与や影響を受けるようになること」といったような意味では似たようなところがあり、共通項の多い概念だと思われます。この意味で、ご指摘の通り、「国際化=グローバリゼーション」と捉えても、かなりの場合、間違ってはいないと思われます。 他方、「国際化」という用語は、多かれ少なかれ国家を意識した言葉です。「国際化」はそもそも、internationalizationの対訳だったと理解しているのですが、この言葉には「nation(国家)」が含まれていることからおわかりいただけると思います。また、日本語でも、「国」が入っていますよね。 ですから、例えば、国家制度が絡むような事象に関しては、「国際」の方がより好まれるようです。例えば、「国際政治学」とは言っても、「グローバル政治学」という表現は通常は使われません。 また、国内社会の国外への関心の向上、外国人配慮といった関与といった文脈でも、通常は「国際」が使われます(例えば、「地方の国際化」「××県国際交流協会」)。 その一方で、「グローバリゼーション」の方は、言葉そのものの定義としては「国」は入っていません(強いて対訳をつけるとすると「地球規模化」とでもなるでしょうか)。 こうしたことから、「グローバリゼーション」そもそも国の枠組みを超えたような事象について言及されるのが基本だと思われます(とりわけ、経済、環境といった分野)。 もう一つ特有なのは、この言葉がかなり否定的な含意を持つようになっていることです(WTO新ラウンドに向けたシアトル会合あたりが契機だったと理解)。ですから、NGOとかが、企業の国外活動や輸入規制撤廃などに反対の意を唱えるときには、通常、「グローバリゼーション反対」を旗印にしています。 言葉の定義の問題ではないのですが、別の観点からのこの2つの言葉の違いとして指摘すべきなのが、言葉としての歴史の差でしょう。「グローバリゼーション」という用語が日本語の中で平気で使われるようになったのは、そう古いことではありません(だからこそ、まだ確立した定訳すらないわけです)。ということで、「国際化」というよりは格好がつくからという理由で、こっちの言葉をあえて使うという風潮もあるようです(お笑いですね)。もっとも、上述のように否定的なニュアンスもかなり入り込んできたせいか、最近はそういうつまらない言い換えをする人も少なくなってきたように感じています。
お礼
MicciHayさん 非常にわかりやすい説明ありがとうございました。 素人の私にも明快に理解できました。 今後は私も、少し意識して使い分けてみようと思います。