「主権」の「定義」について。
「主権」の定義として百科事典の説明では
「英語sovereigntyの訳語で,政治学,国際法学上の概念であるが,相互に若干の差異がある。政治学的には統治権または国権と同義で,国家がその領土およびその領土内のあらゆる集団や個人を支配する最高絶対の権力で,他のいかなる法的制限にも服さないとされる。また国家の最高意思のあり方としての権力をいい,その権力が何に属するかによって国民主権,君主主権,団体主権などとも呼ばれる。国際法学では国家の基本権のうち最も重要なもので,最高独立にして絶対の国家権力であり,自衛権・生存権・独立権・領土権などはすべて主権の一側面と考えられる。いずれも西欧における近代国家の成立過程で教皇権・王権など中世的権威に対抗する理論として主張され,近代以降の国際社会はそのような主権を有する国家が並存する状態にある。しかし現在の国際社会では種々の国際機構に参加することによって国家主権はなんらかの制限を加えられる傾向にある。」
この文章を読んで2つ疑問があります。
(1)この中で自衛権・生存権・独立権・領土権などはすべて主権の一側面と考えられるとありますが、外交権がなかったり他から何かしらの制限を加えられていたら主権は認められないのですか?
(2)「国家がその領土およびその領土内のあらゆる集団や個人を支配する最高絶対の権力で,他のいかなる法的制限にも服さないとされる。」と言いつつ、最後に「しかし現在の国際社会では種々の国際機構に参加することによって国家主権はなんらかの制限を加えられる傾向にある。」とありますが、国際機関から何かしらの制限を加えられている限り、それは最高絶対の権力で他の法的制限に服さないと言う、主権の定義に矛盾した(実際は主権とは言えない)状態なのではないでしょうか?