引退後、マンガの脚本書きをしたいといろいろネタを仕入れている人間ですが、「そんなことはない」と回答したく思います。
岸本さんですか、そのように言うだけの才能を持っているからそう思う、そう思うからそう言える、だけです。
ざっくり言えば、確かに一定のパターンはありそうです。一話完全読み切りではなく、主人公が成長する、成長に見合ったちょっと上の、努力によって克服できる程度の問題がおきたり、ちょっとだけ強いライバルが登場する、などなど。
ドラゴンボールで言えば、最初の数話で「破壊神」が登場して悟空が死んでしまうという展開はありません。あの鳥山さんでさえ、最初は「ドラゴンボールを最初集めた時はくだらない望みをして、2回目くらいで良い願いをして終わり」のツモリだとNHKのラジオで言っていたわけですから、あんなに人気が出て長く続くとは思わなかったんだと思いますよ。
あるいは年齢、例えば乳児から保育園児程度の子は、まるい顔の主人公のマンガが好まれますし、保育園児から小学校低学年レベルの子に「うんこ」とか言うととても喜ぶ。
そんな具合に、ある程度のパターンはありますね、たしかに。
じゃあそういうパターンを踏襲すれば誰でも人気が出るかと言えば、そうとは限りません。というより、人気が出ないで終わってしまう人のほうが遥かに多い。人の興味はそれぞれ違いますからね。
私はNARUTOはかなり評価していますが、海賊少年の話は皆目興味ナシです。なんで俺はこういう話を思いつけなかったか!と思っているのは、ワールドトリガー。絵柄も非常に好きです。物語を自分で考え、自分で絵をかいているんだから大したものです。
岸本さんの発言は、「いえ、私が特に有能だということではないんですよ」「誰でも書けるんですよ」という謙遜だと断じてよいと思います。