けっこう有名なクイズで、「ニュートンの慣性の法則」という答えなのが普通ですが、ほんとにそうなのか、考えてみます。
こういった場合に「衝突の問題だから運動量で・・・」と考えるのはペケです。運動量でわかるのは、最終の速度と平均の加速度だけです。
この場合求めたいのは、痛み=体にかかる最大の力(最終や平均の力ではない)、なので、エネルギーで考えないといけません。
ぶつかる寸前のハンマーの持つエネルギー(運動エネルギー)は、E=1/2*m*v^2 です。
これが、順に ハンマーの運動エネルギー → レンガを変形させるエネルギー 1/2*K*x^2 → レンガの運動エネルギー → 体を変形させるエネルギー 1/2*K*x^2
という順でエネルギー変換が起きます。
(m:運動している物体の質量、v:同速度、K:衝突する2物体間のばね係数、x:衝突される物体の変形量)
それぞれの変換の過程で、エネルギー損失がありますが、これはレンガ、体の物性で決まることなので、とりあえず定数(変換効率μ)と考えます。
最初のエネルギー 1/2*m*v^2が 1/2*K*x^2 に変換されるのですから、
x=√(m*v*μ/K)
体にかかる力 F=x*K = √(m*v*μ*K)
最初の答えのように、痛みは圧力で決まるだろうから レンガと体の接触面の面積をSとして
痛み = F/S = √(m*v*μ*K)/S
ただし、体のばね係数はSに比例するだろうから、面積当たりのばね係数をkとすると
痛み = F/S = √(m*v*μ*k*S)/S = √(m*v*μ*k/S)
結局のところ、痛みに関係あるのは、(ハンマーのエネルギーは一定として)
μ:変換効率(衝突でのエネルギー損失の大きさ)
k:おもに体の単位面積当たりのばね係数
S:レンガと体の接触面積
の3つで、痛みの強さは
√(μ*k/S)
に比例する
となります。(慣性の法則は関係なかったですね。)
お礼
丁寧にありがとうございました