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物理の電気に関する疑問点と電気素量の理解について
- 高校物理の電気に関する疑問点と電気素量の理解についてまとめました。電荷の単位であるクーロンについての説明や、クーロンとアンペアの関係について調査しました。さらに、ミリカンの油滴実験を通じて電気素量の求め方についても考察しました。
- 高校物理の電気に関する疑問点と電気素量の理解についてまとめました。クーロンの単位やアンペアとの関係についての解説が不足していることに疑問を感じ、自身の理解を記しました。さらに、ミリカンの油滴実験によって電気素量が求められる仕組みに疑問を抱きました。
- 高校物理の電気に関する疑問点と電気素量の理解についてまとめました。クーロンの単位についての解説不足や、アンペアとの関係性を調査しました。さらに、ミリカンの油滴実験についての疑問点を挙げ、電気素量の求め方に対しても疑問を抱きました。
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#2です。すいません、前回は久しぶりだったので、記述に誤りがあり、混乱したと思います。 まず、2本の平行導線に電流 I を流した場合の力の式、 >F=(μI^2)/2πr (μは透磁率) ですが、正確には、導線の単位長さに働く力、 F/1[m]=(μI^2)/2πr (1) だったと思います。なので、前回の(3)は、 1[N]=m×(1[A])^2 (2) になります(左辺の[m]の右辺への移項を間違えるという、チョンボです)。さらにm=μ/2πとしていて、これを透磁率と呼びました。また誘電率の逆数kとは、k=1/(4πε)の事で、εが普通の誘電率です。 (1)をアンペール力と言いますが、アンペール力は、アンペールの法則 ⇒ ビオ・サバールの法則 ⇒ アンペール力 の順で出てきます。 それで前回の趣旨ですが、1[A]が秒当たり電子何個分なのか?は不問に付す形で、電気・磁気の単位系は設定されている、という事を強調したかったんです。よって実質的に電気・磁気の単位設定は、1[c]が電子何個分なのか?は不問に付している事になります。 それでも「組み立て単位」である、[A]=[c/s]は可能です。何故なら、この「組み立て方」は、「電流は電荷の流れである」という「事実だけが」根拠だからです。「組み立て単位」の意味を考えれば、この事実だけで、[A]=[c/s]は当然になります。 もちろん不問に付して矛盾が起きれば駄目ですが、そうなりません。電子の個数を不問に付したので、1[A]の基準が必要になります。その基準として(2)を用いれば、m=μ/2π=1[N/A^2]と透磁率が決まり、最も重要な事は、基準に従った1[A]電流が、物理的実体として手に入る、という事です。平行導線間に、単位長さ当たり1[N]の力を働かせるような電流発生装置の電流が、(2)の定義する1[A]だ、という事になります。 (2)を満たす電流発生装置を導体球につなぎ、1秒だけ電流を流せば、(2)の基準に従った1[c]の帯電球になります(電流の定義です)。実際はもっとましな方法でしょうが、とにかくクーロン原器が、原理的には手に入る事になります。2つのクーロン原器を1[m]離して、クーロンの法則から、 F[N]=k×(1[c])^2/(1[m])^2 (3) のF[N]を測定すれば、k=1/(4πε)=F[N・m^2/c^2]と、誘電率が決まります。前回は、ここが曖昧でした。すいません。 (2)のようにm=1と磁気側を綺麗にして、(3)を測定すると、kの値が汚くて実用上も不便になります。それでmもkも同じくらい綺麗に(汚く?)なるように、 2×10^(-7)[N]=m×(1[A])^2,m=2×10^(-7)[N/A^2] すなわち、μ=4π×10^(-7)[N/A^2] という妙な値になってます。実用も考慮したのは、εやμを頻繁に使用する、電気回路と交流理論があるからです。ちなみに係数4πや2πは、電磁気の理論式を綺麗にするための都合と、お考え下さい。 このように、電磁気の単位の決め方には任意性があり、提唱された単位系は4種類くらいあったはずです(基準の違い)。現在は、MKSAが国際規格(SI)です。 ところでクーロン力とアンペール力は、 Fe=1/(4πε)×Q1・Q2/r^2 (4) Fm=μ/(2π)×I1・I2/r×1[m] (5) と書けます。(4)と(5)で、Q1=Q2=1[c],I1=I2=1[A],r=1[m]のケースを考えると、基準長r=1[m]に対する単位電荷1[c]と単位電流1[A]に対する、電気力と磁力になります。 単位電荷と単位電流の電気力と磁力の比、Fe/Fm=1/(2π)×1/(εμ)×[s^2/m^2]は、電気力と磁力の比そのものでないか?、と考えた人がいます(ウェーバーです)。 本当に電気力と磁力の比でれば、上記の値は、単位系によらない定数であってもおかしくありません。じっさい、1/(εμ)=c^2の単位を調べてみると速度の次元を持ち、1[c]が電子何個分かを不問に付した、電磁単位系(MKSA)とは無関係になります。速度[m^2/s^2]は、純粋なMKSの(力学の)単位です。 MKSAの決め方から、なんとなく想像できると思うのですが、1/(εμ)=c^2は、前回の1/(4πε)=1(無次元)とするCGS単位系との、単位換算係数になっています。それに気づいたのがウェーバーです。それでc^2の値は最初、LC回路を用いて、ウェーバーとコールラウシュにより1857年に測定され、c=3.11×10^10[cm/s]を得ます。ちょうど同じ頃(1849年)にフィゾーは光の速度を直接測定し、3.15×10^10[cm/s]を得ていました。最後に、マックスウェルの電磁場方程式で、光の伝播速度を決める定数が、c^2=1/(εμ)なのがわかり、c^2=1/(εμ)が普遍定数である事が決定的になります(1864年)。電磁場=光の実験的検証は、1888年のヘルツです。 こうして[A]さえ決めれば、クーロンの法則に頼らなくて良くなりました。何らかの方法で透磁率μを定め、ε=1/(c^2・μ)でεを逆算します。最近は、こっちが一般的かも知れません。
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>c^2=1/(ε0・μ0)ではなかったかと思うのですが。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E9%80%9F%E5%BA%A6#.E9.9B.BB.E7.A3.81.E5.A0.B4.E3.81.AE.E4.BC.9D.E6.92.AD.E3.81.A8.E5.85.89.E9.80.9F.E5.BA.A6 の通りです。 合格と認めましょう。実利の高校物理を超えて分かっていて、それでいいです。その経緯は大学での物で調べください。 はっきり申し上げて、最初は面倒くさくて仕方がないと思ったのですが、もしかすると物理学を究める方なのかしれないとも思いました。 究める方でした。無礼な思い込みをお許しください。もう1年もすれば申し上げることは無くなるでしょう。よく勤められますよう。 力学では、F=maですが、F=d^x/dt^2ですね。そこから決定論すら出てくる。高校物理と大学物理はそういうことです。ラプラスの悪魔ですね。
お礼
本当にお手数をおかけしました。こりずにまたよろしくお願いいたします。
お礼、ありがとうございます。#1です。 >全部7の倍数であるので、最小単位はどう考えても7である。 ご明察です。その通りです。 さて、電磁気の単位の歴史ですが、単位であるからには定量的でなければなりません。 これの端緒を開いたのがクーロンです。彼はねじり天秤を用いて、二つの帯電物体間の引力・斥力を調べ、それが電荷量の積に比例し、距離の2乗に反比例することを発見しました(1785年)。 実は、それはキャベンディシュがクーロンとは別の方法で、より高精度で確認済みだったのですが(1773年)、どうも人嫌いだったために発表せず、約100年後(1870年)に、ようやくマクスウェルによって発表されました。マクスウェルは、キャベンディシュの方法に改良を加えて高い精度で追試を行い、その正しさを確認しています。 ともかく、二つの電荷量を、q, Q、距離をrとし、未知の比例乗数kを用いて、二つに働く力は F=kqQ/r^(2+δ) と書けることが分かりました。δは念のために入れられた微小量で、これは実験精度が増すにつれ、どんどん0に近づいて行きました(現在でも、誤差は約±2×10^(-9)以内と0ではない)。 しかし、kはまだ決められません。Fは力ですから、力学との整合性は必要です。 しかし、目に見えて触れる物体を扱う力学では、着々と単位が決まって行っていました。時間、距離、質量はもちろん、組立単位の力も決められます。 そこで、電荷の移動である電流が互いに力を及ぼすことから、力を基準にして、まず電流が定量的に追及されました。 天秤を用い一方には天秤に固定したコイルと、それに近づけて台に固定したコイルの二つのコイルに電流を流して引力を生じさせ、天秤のもう一方には精密に質量が分かっている重りを使って、二つのコイル間の引力の強さを測定しました。 その引力の強さと電流の比例関係は、もうどうしようもないので、恣意的に決められました。これが、後の定義となった「真空中で1m間隔の平行な無限長に等しい電流が流れたとき、電流間に働く力が1m当たり2×10^(-7)Nであるとき、1Aの電流とする」に引き継がれていきます。 こうして、電流のアンペアが定義できると、1Aで1秒間の電流の電荷量が1C(クーロン)と定義できるようになり、1m離れた1Cの二つの点電荷の間に働く力が、8.9876×10^9Nと測定できて、それをもとに、ようやく、比例乗数k=8.9876×10^9N・m^2・A^(-2)・m^(-2)と決めることができるようになりました。そして、真空中の誘電率ε0=8.854×10^(-12)A^2・s^2・N^(-1)・m^(-2)も求められるようになりました。 できるようになりました、申しますのは、その方法によらない方法もあるからです。それは光速度cと真空中の誘電率ε0と真空中の透磁率μ0の関係式、c^2=ε0・μ0を使う方法もあるからです。真空中の透磁率μ0は電流の定義(アンペア)が決まれば、理論式で決定できる物理量ですので、光速度が分かれば、真空中の誘電率ε0が計算でき、kも計算できてしまうのです。 実際には、後者で実測されて、力学と電磁気学の整合性を取るよう、各種定数が決定されたと聞いていますが、MKSA単位系から見た場合は、各種定数の決定をクーロンの法則にしわ寄せしたような格好になっているとのことです。 ということを聞いているのですが、実は私は、各種定数がどうクーロンの法則にしわ寄せされているか、今一つ分かりません。まあ、分からなくても困らないので、どうしても突き詰めて考えたい気が起こらないのはありますが(^^;。
お礼
ありがとうございました。 c^2=ε0・μ0はマクスウェルの理論による式でしょうか? c^2=1/(ε0・μ0)ではなかったかと思うのですが。 これも調べたことがありますが、証明できるものではなく、法則として 発見されたものと考えるべきでしょうか? とにかくアンペアの定義はよくわかりました。ありがとうございました。
よく調べましたね。アンペアとクーロンの定義には、大学の学部レベルでも一苦労するような、面倒臭い話が潜んでいます。しかし、教科書の記述の仕方に問題はあるにしても、論理的な落ち度はないはずです(と思います)。なので、あまり物理を嫌いにならないで下さいね(^^)。 >「電気は空間に電場というものを作る性質があり、その電場の強弱にかかわる単位がクーロンである」と理解してみましたが、理解はあっているでしょうか? あっていますよ。ただし他の文章もあわせると、クーロンは、あくまで単位であるという点の考慮が、ない気がします。わかりずらいところですが、要は、電子(電気素量)何個分を1[c]とするかは、人間の勝手だという事です。 いちばん素直な[c]の決め方は、クーロンの法則から、 1[N]=k×(1[c])^2/(1[m])^2 (1) とするものでしょう。kは比例定数で、ここでは仮に誘電率と呼んでおきます(本当はその逆数)。 (1)で、k=1(無単位)と「決めてしまう」のが、最も正直です。歴史的には最初、この方向で[c]が定義され、電気・磁気のCGS単位系と言われます。CGSは、[cm][g][sec]の事です。MKS:[m][kg][sec]になっていないのは、CGSが古い国際単位に基づいたものという、歴史的偶然です。実際には、次の(2)で、CGSの[c]は定義されました。 1[dyn]=(1[c])^2/(1[cm])^2,[dyn]=[g・cm/s^2] (2) (2)は最も明解なのですが、現在ではこの方向は、やり過ぎであろうとみなされています。というのは、(2)では、[c]が基本単位でなく、組み立て単位になるからです。(2)より、[c]=[√(g・cm^3/s^2)]です。 荷電粒子(電子)というものが発見された以上、[c]は電荷量を表す基本単位として、独立させるべきだというのが、現在の方向です。そうすると(1)で、k=1(無単位)と決めるべき理由は、皆無になります。と言う訳でこの話は、単位設定の話と、どうしても無関係でいられなくなります。 kと[c]の2つを決定するためには、もう一つ条件が必要です。そこで利用されたのが、磁気現象のビオ・サバールの法則(アンペールの法則)です。 1[N]=m×(1[A])^2/(1[m])^2 (3) ※ (3)は、現在の定義と違います. (3)のmは、等磁率と言われる比例定数です。(3)にもmと[A]の2つが現れ、(1)と同じ状況に見えますが、[A]は「電荷素量と無関係」に「数学的に」決めれます。電流が電荷の流れである事は、当時すでにわかっていました。それで、断面を秒当たり1[c]の電荷が通過したとき1[A]、と「決めた」訳です。 [A]=[c/s] (4) (4)の「決め」のもとで、(3)を満たすような、「1[A]と定義される電流」は、実際に発生させる事ができます。等磁率mの値も決まります。同じ1[A]の電流を、1秒間金属球に貯めれば、1[c]に帯電した、帯電球の出来上がりです。それを(1)に持ち込んで、誘電率kを決めてる訳です。 (1),(3),(4)を用いると、kとmの値が、不当と思えるくらいに汚くなります。人間の勝手な「決め」である事の付けが、ここに現れる訳ですが、それでも「決め」の問題なので、kとmの値が平等に綺麗に(汚く?)なるように、現在は、 2×10^(-7)[N]=m×(1[A])^2/(1[m])^2 (5) を採用してます。以上の単位系を、MKSA単位系と言いますが、その心はMKSC単位系です。Cはクーロンの事で、MKSCと言う人も実際にはいます。kとmの決め方に任意性があるために、実用上も、こちらの方が便利なんです。 最後にミリカンの実験ですが、心配いりません。その時に既にCGS単位系(2)で、(論理的には)1[c]の値は決まっていた、と考えるのが妥当です。ミリカンの実験は、電子の比電荷m/eを測定するものですが、他の実験から電子の質量mがわかれば、素電荷eを決定できます。 ミリカンが最初に行ったミリカンの実験では、1[c]の大きさが現在と違うので、当然、比電荷m/eの値も現在とは違い、e=1.6×10^(-19)[c]にも、電子6.24×10^18個の電荷量が1[c]にも、なりません(^^)。
お礼
ビオサバールの法則は教科書でも参考で出ていましたが、(3)式とはやはり違う式でした。 1[N]=m×(1[A])^2/(1[m])^2 これは2本の導線に流した場合の力を表しているのでしょうか? 2本の導線が受ける力は参考書では次のように書かれていました。 F=(μI^2)/2πr (μは透磁率) つまり、受ける力は電流の2乗に比例し、導線間の距離に反比例するわけですよね。 これですと、(3)の単位と合わない気がします。 あと、これからアンペアやクーロンや[A]=[c/s]を定義しようとしているのに、(3)式はすでにAが 入っています。このAは現在と違う定義ということでしょうか? やっぱり難しいですね。次から次に疑問がわいてきて先に進めません。
ミリカンの油滴実験はクーロンの法則を使っています。その数式の比例乗数や電荷量は分かります。 オームの法則は既に確立していましたから、電流は分かりますので、たとえばコンデンサに溜まる電荷量は、その積分として求められます。 そうして求めた電荷量二つの電荷量の間に働く、力も実験で分かり、それが距離の2乗に反比例で、二つの電荷量の積に比例することも、比例乗数も分かります。 問題は、電荷に最小単位があるかどうかということです。 非常に小さな電流で試していくと、電荷は連続量でなく、離散値であることが分かったのがミリカンの油滴実験です。たくさんの測定結果を検討したら、電荷量が全て整数(絶対値表現なら自然数)の差の関係になったということですね。 すると、最小の差が計算できます。おそらく、最小の差の結果を直接得たわけではないでしょう。もし得ていたとしても、誤差を考えると、それをそのまま採用はできません。 多数の差から、最小の差の整数倍という条件で計算された、最小の差が分かり、それを電荷としての最小単位としたわけです。それが「1.6×10^-19[c]」であるわけです。 どうやっても、それより小さい電荷(の差)というものは発見できないし、作ることもできなかった。そこから電子が、それ以上分割できない素粒子だということも、ほぼ確実に予想できた。 そして、それが電子の電荷で、それ以上に小さな電荷は無いとされたわけです。今までより精度よく電子の質量も求められた。 電子の電荷を元に、種々の物理量を、今までより明確に定義し直すことも、さまざまな比例乗数の精度を上げることもできました。 確かにノーベル賞を受賞するに値する発見でした。 もちろん、物理学は多数の人間が積み上げてきた学問です。ミリカンらの成功の前提には、トムソンの功績がありますし、それらはクーロンの発見無しには成立しなかったでしょう。 ミリカンの実験は、そういう物理学の進展という文脈の中にあると理解しておけばいのではないかと思います。つまり、前後関係を含めて考える必要があり、それ単独を見ても、意味は見つけにくいわけです。
お礼
丁寧にありがとうございます。それはたぶんこういうことでしょうか。 実験値が、21、49、63みたいな数が出たとして、これは全部7の倍数 であるので、最小単位はどう考えても7である。みたいなことでしょうか。 わりと納得ができました。ありがとうございました。
お礼
大変よくわかりました。 貴重な時間を割いていただきありがとうございました。