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人間はなぜ足が遅い?
人間という動物はなぜ足が遅いのでしょうか? 人間よりずっと小さい犬や、遥かに重たい象にすら負けます。
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走るためには地面を蹴って進む駆動力が必要になります。 駆動力は足の裏と地面との摩擦によって生じるものなのですから、駆動力によって進む力は足の裏に加わる事になります。 そこで、人間が直立している状態の時に、踵に外から力を加えて足を前方に押し出してみたところ(或いは足先に紐を付けて前方に引っ張ったところ)を想像して下さい。 足が前方に加速する動きに胴体が付いて行かず、仰向けに仰け反って倒れてしまいますね。 これは加わった力の向きが人体の重心が存在している方向とはズレているため、重心を中心として身体を回転させようとする回転トルクが生じるためです。 次に、人間が直立している状態から、体を前の方に傾けたところを想像して下さい。 体は俯せに倒れ込んでしまいますね。 これは体を傾けた事により重心の位置が足の裏面が地面についている範囲の真上から外れてしまい、体は真下に向かって真っ直ぐに落下しようとているところに、足が地面を押している反作用によって地面から受ける抗力の向きが、人体の重心が存在している方向とはズレているため、重心を中心として身体を回転させようとする回転トルクが生じるためです。 では、踵に外から力を加えて脚を前方に押し出すのと同時に、適度な角度で身体を前方に傾ける場合を考えてみて下さい。 脚が前方へ押し出される事によって生じる、体を仰向けに仰け反らせようとする回転トルクと、体を前方に傾けた事によって生じる、体を俯せに倒そうとする回転トルクが打ち消し合って、前後どちらの方向にも倒れ込まずに済みます。 これは、足が地面を押している反作用によって地面から受ける抗力と、足を前方に押し出す力を重ね合わせた合力の向きが、人体の重心が存在している方向と丁度一致しているので回転トルクが生じないためです。 脚の筋力を使って地面を蹴って進む場合も同様の関係が成り立ち、身体をある程度傾ける事無く地面を蹴れば体が仰向けに仰け反ってしまい、前に進む事は出来ませんし、体を若干傾けている場合においても、地面を蹴る蹴り脚が生み出す駆動力がその傾きに応じた適度な大きさでなければ、体は前か後ろのどちらかに倒れ込んでしまって前に進み続ける事は出来ません。 走る際には両足が同時に地面から離れている瞬間もありますし、そもそも蹴り脚が生み出す力は常に一定の大きさではありませんが、"時間当たりで平均した"蹴り足の駆動力が、体の傾きに応じた大きさになっていなければ、走り続ける事は出来ないのです。(あくまで"時間当たりで平均した"大きさであって、瞬間的にであれば大き過ぎていようと、小さ過ぎていようと、どちらであっても構いません) この「倒れ込まずに走り続ける事が出来る条件」が成り立つためには、蹴り脚と体の重心を結んだ直線と、水平面がなす角度をθと置いた場合、 時間当たりで平均した駆動力=体重×重力加速度×cosθ という関係になっている必要があります。 解り難ければ、「走ったり歩いたりする際に発揮できる駆動力の大きさは、重力加速度と体重、及び、蹴り脚に対する重心位置の関係によって決まってしまう」という事を了解して頂くだけで結構です。 人間の様な直立2足歩行の場合、直立状態から後ろに脚を延ばす事しかできないため、重心の真下から蹴り脚までの距離も短くならざるを得ませんし、頭や胸、両腕など、重心よりも上方の離れた位置にある部分が比較的重いため、重心の位置も高くなりますので、重心と蹴り脚を結んだ直線と、地面がなす角度が大きくなり、cosθの値が小さくなるため、体重に比べて駆動力が小さくなります。 これに対して4足歩行の場合は、脚を後ろに延ばさずとも最初から重心よりもずっと後ろの所に後脚が付いているため、重心の真下から蹴り脚までの距離が長くなりますし、元々重心の高さも低いので、重心と蹴り脚を結んだ直線と、地面がなす角度が小さくなり、cosθの値が大きくなるため、体重に比べて駆動力を容易に大きくする事が出来ます。 そのため、直立2足歩行の人間では、4足歩行の動物の様に速く走る事が出来ないのです。(4足歩行の動物でも筋肉の質や足の構造、体重に対する筋力の強さ、等々も様々な理由によって人間よりも走るのが遅いのも存在します) 【参考URL】 陳氏太極拳學研究會 太極武藝館 > 太極拳を科学する > 第2回 「居着き」を科学する http://www.tai-ji.jp/buddy/buddy_ithuki3.html ダチョウの場合、走っている処を見れば解りますが、2足歩行と言っても、脚の付け根付近の関節が人間のひざ関節に相当する関節になっており、脚を根元近くから体の後に向かって大きな角度で傾ける事が出来ますから、重心の真下から蹴り脚までの距離を比較的大きくする事が出来ます。(又、人間と比べれば、体の大きさの割に、脚の付け根に対する重心の高さも低めです) 【参考URL】 鳥の骨格構造と名称 http://www3.famille.ne.jp/~ochi/kaisetsu-01/05-te-ashi.html Stone Washer's Journal > Science > -生物 > -鳥 > 飛べなくなった鳥達(2):地上で生きる術を見つけた鳥(ダチョウ、キーウィ、ニワトリなど) http://stonewashersjournal.com/2014/09/26/runningbirds/ これに対し人間の場合は、脚の付け根の関節が股関節となっていて、後方には胴体に対してあまり大きな角度で傾ける事が出来ません。 人間でも胴体を大きく前方に傾ければ脚を後ろに大きく傾ける事が出来ますが、そうしますと重心位置が大きく前方に移動する事になりますから、前に出した方の脚で地面を強く踏みしめて、身体が前に倒れ込まない様にせねばならず、体力を余分に消費しますし、何より胴体よりも前に出した脚で地面を蹴るという事は、大なり小なりブレーキをかける事になりますから、速く走るには不向きです。
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- suiran2
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生物学者のデニス・ブランブルと進化人類学者のダニエル・リーバーマンが,「ヒトは走ることによって進化した」と唱えています。この学説に反対する学者はあまりいないようです。どなたかのブログに要約が載っていましたので紹介します。 http://makotin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-493c.html 走ることが遅ければ,全ての動物をどの様にして狩ってきたのでしょう。我々は走って様々な動物を狩ってきたのです。エジプトではあのチーターでさえペットとして捕獲していましたし,馬さえも捕獲していました。走って行ったことです。 「ヒトは走るのが苦手だとされている。確かに,我々は優れた短距離走者とはいえない。しかしながら,非常に優れた長距離走者であるのだ。」 ダニエル・リーバーマン
- mpascal
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40km(マラソン)の距離を走るのは、人間が一番早いと聞いていますが。
まず・・第一に 走るという状態を考えてみましょう・・ 走る為には筋肉が必要・・ そして風の抵抗を減らす事・・ どうですか? 人間と動物の筋肉と風を受けた時の抵抗の違いが見えますか・・? 人間も動物も進化した訳ではありません・・基から そういう構造になる様 設計されてたのです・・ 人間は 動植物を師と仰ぎ それに近づく為に知能を使い 万物を より良くする為に創造されてるのです・・ 動物より速く走りたいから車を設計し組み立てる ・・・鳥の様に空を飛びたいから飛行機を造る・・魚の様に泳ぎたいから船舶や潜水艦・・足ひれやシュノーケル・・を造り・・ まずは 進化論と唯神論・・どちらが事実なのか・・を 調べる事です・・
- mimazoku_2
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そういう意味じゃ、『歩幅』でしょうね。 人間は、左右の足、4足動物は、前足と後ろ足の距離(歩幅)が違うからですね。
- qwe2010
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進化の過程で、草原で、生活をしていなかったから、速く走って、天敵から身を守る必用がなかったのでしょう。
進化がとまったからです、自転車 バイク 車がなかったら目的地まで行く為に足は速くなっています、電気がなければ、よるでも目が見えます、
- p-p
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大きな要素として 足が2本だから もう1つは頭が大きいからでしょうえ 他の動物よりはるかに体に対して頭が大きいです。 人はおおよそ6頭身ですが 一番人に近いといわれるサルでさえ10頭身くらいですよね サルも走るときは4本足ですし
2本しか無いからだよ。
補足
でもダチョウは早いですよ?
お礼
なるほど。非常によくわかりました。構造的に早く走れない体をしていたのですね。いやー素晴らしい回答をありがとうございます。