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反強磁性体について
反強磁性体が金属か絶縁体になるかはどのように決まっているのでしょうか。
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熱力学的平衡にある状態の物質の物性は、量子力学と熱力学から、ギブズエネルギーが最小になるように決まっています。 --- 何らかの結晶がどのような性質を持つか、金属か非金属か、どのような磁性を持つか、そういった物性の予想を理屈だけから行おうというのは、固体物理の専門家の方たちが日夜色々な物質に対して行っています。 質問の例でいうなら、反強磁性体の金属状態のギブズエネルギーと絶縁体状態のときのギブズエネルギーを比較して、エネルギーの低い方の性質を持つという事です。 前述のとおり、色々な状態のギブズエネルギーを計算しさえすれば、どの状態が安定かわかります。具体的な計算法の中で、かなり成功を収めているのが、密度汎関数理論に局所密度近似を組み合わせた第一原理計算と呼ばれる計算法です。 どの程度上手く行っているのかというと、大成功したり(格子定数や体積弾性率を数パーセントの精度で予想)、大失敗したり(モット絶縁体を金属と予想)、と様々です。 ただし大失敗するときの原因は(局所密度近似をはじめとする)さまざまな近似を取り込んだからであると考えられていて、根本となる量子力学や熱力学が成り立たないというわけではないはずです。 したがって、冒頭に書いた通り反強磁性体が金属か絶縁体になるかは、量子力学と熱力学から、ギブズエネルギーが最小になるように決まっている、と言ってよいと思います。
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- shintaro-2
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>反強磁性体が金属か絶縁体になるかはどのように決まっているのでしょうか。 逆ですね 金属あるいは絶縁体が、強磁性になるかその他になるかが決まっているのであって、 反強磁性体が金属か絶縁体かという問題ではないのです。 http://home.sato-gallery.com/research/magnetism_ultraprimer(3).pdf
お礼
ありがとうございます。とても参考になりました。