- 締切済み
スピロピラン
スピロピランにUVを照射するとC-O結合が切れるのはなぜですか? また、vis照射で元の構造に戻るのはなぜですか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- phosphole
- ベストアンサー率55% (467/834)
回答No.1
まず、スピロ体と双性イオン体で応答する光の波長が違うのは、分子の吸収波長が大きく異なるためです。スピロ体は共役系が短いため、紫外光しか吸収できません。いっぽう、双性イオン体は共役系がシアニン型に伸長しており、可視光を吸収できます。 なぜ光照射でスピロと双性イオンをいったりきたりするかについては、両者の励起状態のエネルギー超曲面の構造で説明できると思います。スピロをUV励起した場合、励起状態で双性イオン型の励起状態に緩和し、失活することで双性イオン体になるのでしょう。ここで重要なのは、基底状態では両者の間には十分なバリアがあることです。そうでないと、熱的に安定構造の方に変化してしまうため、フォトクロミズム分子としては少々困ったことになります(これはアゾベンゼンの場合によく知られた現象です)。 双性イオンからスピロ体に戻るのも同様に説明できるでしょう。 どちらに光異性化が偏るかは、用いる光にたいする両異性体の吸収係数や励起状態のダイナミクスに依存するため、光化学平衡の比率は一概にはお答えできません。
お礼
詳細な回答をしてくださってありがとうございます!