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上京と上洛の違い
江戸時代以前において、「上京」と「上洛」という二つの単語の意味の違いは何でしたか。
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- D-Gabacho
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とくに意味の違いはないように思います。日本国語大辞典の「上洛」の項では「都へ行くこと。地方から都へのぼること。上京。」というように、同じ意味のことばとして扱われていますし、webで公開されている東京大学史料編纂所のデータベースhttp://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/db.htmlで古文書などの用例を検索してみても、とくに用法に違いがあるようには見えませんでした。
- staratras
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江戸時代以前においては、「上京」も「上洛」も、基本的には同じく「京の都へ上る」という意味だと考えられます。 「上洛」(古くはしょうらく)の方をよく見かけるように感じますが、「広辞苑」によりますと、「上京」は17世紀初頭に発行された日葡辞書に掲載されているそうですし、ほぼ同じころ原本が成立したとされる「信長公記」にも次のような用例がありました。「上京」も古くから使われている言葉であることは確かです。 十一日御上京、勢州表一国平均に仰せ付けられたる様躰、公方様へ仰上げられ、四、五日御在洛にて、天下の儀仰せ聞かる。(巻二 永禄十二年十月) 武田四郎、同太郎、武田典厩、仁科五郎、四人の首長谷川宗仁に仰せ付けられ、京都へ上せ、獄門に懸けらるべきの由候て、御上京候なり。 (巻十五 天正十年三月十六日)
- kine-ore
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貴人が京都に赴くのは一般に「入洛(じゅらく/にゅうらく)」となります。 一般の場合は、日本語固有の表現として、 「上洛」は「京都にいく」(「学研漢和大字典」)。古くは「しょうらく」と呼ぶ。 「参洛」は「地方から京都へのぼること。上洛。」(「広辞苑」) 「出府」は「地方から都府に出ること。江戸時代、特に武家が江戸へ出ること」(「国語大辞典」小学館) 「上京」は「東京へいく」(「学研漢和大字典」)、「地方から都に、特に東京に出て来ること」(「新潮日本語漢字辞典」) なお、「出郷」とは違って「出京」では「上京」と「下京」の両義が用いられています。
- fujic-1990
- ベストアンサー率55% (4505/8062)
かなり歴史小説を読んでいるツモリですが、歴史小説のセリフとして「上京」という言葉を見た覚えがないので興味を感じ、調べてみましたが手元の「古語辞典」には「上京」は載っていませんでした。 「上洛」は、古くは「しゃうらく」と読み、「じゃうらく」となったのは近世のことだと載っています。現代はもちろん「じょうらく」です。 実際、思い返してみると、古い時代を描いた小説では庶民は「京に上って一旗揚げる」というような言い方をさせていたと思いますし、幕末の小説でも長州などの登場人物(下級武士)に「京に上って玉(ぎょく)を」とか言わせていたと思います。 平家物語では「木曽義仲上洛の時」という言葉があるそうですし、戦国時代や江戸時代を描く作家は、専ら「将軍家ご上洛のおりは・・・ 」とかいうように「上洛」を使っていると思います。 ご存じの通り、上洛の「洛」は魏などの首都「洛陽」のことですが、上洛と言っても中国へ行くわけではありません。つまり「上洛」という場合、大事なのは場所ではなくてその場所が持つ「首都」としての「機能」のことだろうと思います。 で、まとめると、それなりの地位にある者が、天下に号令するなどの政治的目的をもって「都」へ行くのが「上洛」で、庶民が「京」という場所へ行くのが「上京」なのではないのかな、と思います。 幕末、幕府を転覆させるため、長州の殿様が(軍を連れて)京へ行くなら「上洛」。長州の下級武士が幕府相手にテロを実行するために京へ行くのは「京に上る」(辞書に載らないほどの言葉だが、あえて言えば上京)か、と思います。