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医療過誤と未必の故意の境界線について

例えば、医師が患者の既往歴の書かれているカルテの頁を見ないで、その上検査を行ったけど、検査をただ行うだけで(料金を取るだけで)、実際には見なかったとかの理由で、誤った処方を行い、患者を死に至らしめたとか言う場合、これは過誤と言うべきか未必の故意と言うべきか、法律的観点から教えて下さい。例えば、心疾患があり、そこから派生する溢水状態の患者に上記理由により、禁忌である大量輸液を行い、本来利尿すべきところ、真逆の医療行為を行って死を促進させた場合などです。どうぞよろしくお願いいたします。

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回答No.3

回答No.2 で、 刑法からの抜粋の3つ目の引用開始符号の位置が間違っていました。 正しくは、“(業務上過失致死傷等)”の直前に入ります。 正当業務行為のその他の例としては、 格闘技の選手による試合中の格闘行為があります。 認識ある過失の例としては、 自動車の運転者が、 人を負傷させる結果を招き得る運転であると認識しながら、 自分の運転技量であればその結果を回避できると過信する、 という場合があります。 患者を手術中にその患者が死亡する危険性を認識した執刀医が、 自分の手術の技量であればその危険を回避できると考えて 手術を続けた結果、患者が死亡した、という場合には、 手術を続けたことが医療の常識を逸脱していたならば、 認識ある過失による行為として 業務上過失致死傷等罪になる可能性も否定はできませんが、 手術を続けたことが医療の常識にかなっていたならば、 正当業務行為となると考えられます。

patagoniapengin
質問者

補足

ありがとうございます。でも私の言っていることが伝わっていません。 例えば、医師が誰かに頼まれて殺意を持って行った場合です。塩化カリウムとかわかりやすいものでなく、複雑な薬理作用で全く整合性のない多数の薬剤を大量に投与して、死なせた場合です。あり得ないことではないのですけど。にわかには信じがたいことですがあるのです。

回答No.2

> これは過誤と言うべきか未必の故意と言うべきか、 > 法律的観点から教えて下さい。 > 例えば、心疾患があり、~、禁忌である大量輸液を行い、 > 本来~、真逆の医療行為を行って死を促進させた場合などです。 この事例は過失犯にとどまる可能性が高いです。 医師が患者の既往歴を知らずに その患者に対して医療行為をしたところ、 その医療行為が既往歴に照らせば回避すべき行為であったがゆえに、 これによってその患者を死亡させた場合には、 行為時に既往歴を知らなかった ⇒ その医療行為を回避すべきことを行為時に認識していなかった ⇒ 回避すべき行為によって患者の死亡という結果が発生する可能性を 行為時に認識できなかった ⇒ 結果の発生に対する故意がなかった、 ということになります。 必要な注意を怠ったことによって結果を発生させたというだけでは、 過失はあっても故意があったことにはなりません。 その結果が発生することを認容していて初めて故意になります。 ☆ 積極的故意   結果を意図的に発生させる意思。 ☆ 未必の故意   積極的故意を持たずに、   結果が発生しうることを認識しつつ、   その結果が発生することを認容。 ☆ 認識ある過失   結果が発生しうることを認識しつつ、   その結果が発生することは認容せず。 ☆ 認識なき過失   結果が発生しうることを   認識せず。 前出した事例では、 「その医師がその医療行為をしたときと同様な状況においては その医療行為はその既往歴に照らして回避すべきである」ということが 医療の現場で医師たちに一般的に共有された常識であったとすれば、 仮にその医師が既往歴を確認していれば その医療行為を回避できたはずだ、ということになるので、 その行為がなされずともその患者が死亡していた可能性が高いといった 特段の事情が無い限り、 「カルテで既往歴を確認する」という業務上必要な注意を 怠ったことによって患者を死亡させたとして、 業務上過失致死傷等罪(刑法第二百十一条)に問われることになります。 > 医療においては例え未必の故意があってもそれが医療上認められるものであれば・・と言うところがわかりません。 > 「死ぬかも知れないが、まあいいや」と思って薬剤を投与したならば殺人だと思うのですが。 人の身体や生命に対する危険性が全く無い医療行為は少ないと 推察されます。 医師が正当な医療行為についてその危険性を認識していたことをもって、 その医療行為によってその危険性を現実化させた結果について 罪に問われるとすると、医療が成り立たなくなるおそれがあります。 このような正当な業務による行為は、 刑法第三十五条によって違法性が阻却されて、罪になりません。 > 具体的にはどのような状況がありますか? ある疾患に対して医療の現場で一般的に用いられている特効薬だが、 副作用によって人を死傷させる危険性が少ないながらある、 という薬を想定します。 その疾患の患者やその家族に対して 医師がこの危険性を含めて十分な説明をした上で、 その患者の承諾とその家族の了解を得て、 この薬をその患者に投与したところ、 想定されていた副作用によって、 その患者は容態が悪化して死亡するに至ったとします。 この医師の行為は、 同意殺人罪(刑法第二百二条後段)の構成要件を満たしますが、 刑法第三十五条によって正当な業務による行為として 違法性が阻却されますので、罪になりません。 刑法より抜粋。 「(正当行為)  第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」 「(自殺関与及び同意殺人)  第二百二条   人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、   又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、   六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。」  (業務上過失致死傷等) 「第二百十一条   業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、   五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。   重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。」 出典: http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html 参考資料 □ 日本弁護士連合会:法廷用語の日常語化に関するプロジェクトチーム:   『法廷用語の日常語化に関するPT最終報告書』(2007年12月19日)  :第2 6)犯罪の成立にかかわる用語  :1 故意・確定的故意(殺意)・未必の故意(殺意)・認識ある過失 http://www.nichibenren.or.jp/ja/citizen_judge/program/nichijyougoka.html http://www.nichibenren.or.jp/ja/citizen_judge/program/data/houteiyougo8.pdf □ コトバンク:「認識なき過失」  :小学館『デジタル大辞泉』による解説 https://kotobank.jp/word/%E8%AA%8D%E8%AD%98%E3%81%AA%E3%81%8D%E9%81%8E%E5%A4%B1-593729

patagoniapengin
質問者

補足

有り難うございます。でも私の言わんとすることは、伝わっていないようです。検査代金を取っていると言うことは、即ちその検査結果を診断・処方に使うためだと言うことでしょう。金だけ取っておいて、検査結果を全く確認しないで、処方薬を決定することは、特に輸液など命に直結することなのでその点滴によって、「死ぬかも知れないが、死んでもかまわない」という考えがあると言うことではないでしょうか。医者だから患者の命を終わらせる行為は許されると言うことはとんでもない傲慢ではないでしょうか?金だけ取って検査結果を確認しないと言うことはドロボー以下ではないですか。ドロボーは金だけ奪います。医者は金も命も奪っても責任はないのでしょうか?検査結果を見ないで処方をすると言うことは、血圧200の人に昇圧剤を点滴することだってありうるのです。そのような場合でも未必の故意ではなくて過誤、即ち保険から賠償金を払えばすむというのなら、ますます医療に劣化が進みます。こういう場合は過誤ではなく殺人だと思いますけど。 特権階級扱い、やりたい放題をさせているから医者が一向に反省しないのだと思います。

  • hekiyu
  • ベストアンサー率32% (7193/21843)
回答No.1

未必の故意、というのは結果が発生するかもしれないが 発生しても構わない、というもので、 特別なモノではなく、故意そのものです。 過失というのは、この場合、結果が発生するかもしれないが、 そんなことはあるまい、というものです。 だから、いかに重大な過失であっても、それは過失であり 未必の故意にはなり得ません。 尚、医療においては例え未必の故意があっても それが医療上認められるものであれば、正当業務行為 として違法性が阻却され、犯罪が成立しない 場合があります。

patagoniapengin
質問者

補足

有り難うございます。 >医療においては例え未必の故意があってもそれが医療上認められるものであれば・・と言うところがわかりません。 その場合、具体的にはどのような状況がありますか? 「死ぬかも知れないが、まあいいや」と思って薬剤を投与したならば殺人だと思うのですが。 「診断・処方」を行うべき検査を指示しておきながら、その報酬だけを手に入れて、検査結果を確認しないで処方箋を書くと言う行為は、場合によっては殺人になることは、医師ならばわかるはずですよね。 わかりやすい例を挙げれば、血圧が180の患者に、血圧も測らずに勝手に低血圧だと言うことにして、昇圧剤をガンガン投与するとかです。 医者だから未必の故意が許されるなんて言うのは、おかしいと思いますけど。

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