未必の故意とは、犯罪結果発生の可能性を認識しつつ、
それを積極的に認容するわけではないが、
もし犯罪結果が発生しても構わないという形で消極的に認容することをいいます。
これに対し、確定的故意とは、犯罪結果発生を積極的に認容することをいいます。
詐欺の場合、欺罔行為を起因とする財産的利益の移転を欲し、
犯罪結果発生を積極的に認容して行われる犯罪が大半なので、
その大半は確定的故意に基づく犯罪となります。
未必の故意による詐欺が皆無とも思いませんが、
犯罪類型的に見て、レアケースではないでしょうか。
質問者の方は、「騙されたとしても仕方ないと思っている」としていますが、
振り込め詐欺の場合を例にとっても分かるように、
「騙されたとしても仕方ない」という消極的な認容ではなく、
「騙されて振り込んでほしい」という積極的な認容に基づいて
詐欺をしている場合が大半だというように考えればよいと思います。