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船の喫水線下用塗装について
船舶の喫水線下用の塗装には酸化銅や酸化鉛を 使うらしいのですが、ただの銅やシリコンでは 酸化銅や酸化鉛での塗装と同じ効果を得る事は 不可能なのでしょうか? 実は http://event.phys.s.u-tokyo.ac.jp/physlab2012/4-metamaterial の下の方に書いてある水面波メタマテリアルというのを読んで これで水上船の凌波性や潜水艦の水中速力等を大きく向上させられ ないかなとは思ったものの、 上に酸化銅や酸化鉛を塗りたくったら其れに阻まれて効果が 発揮されなくなってしまう筈だとも思ったものでして……
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はじめまして♪ 長期運用で、海洋生物が付着し、抵抗が多く成る事を解消するため、いろいろな塗装を試して来た歴史が在ります。 (実際に、長距離航路では、抵抗に依って燃料が40%くらいムダに成る場合も在るとか。) 小さなボートや漁船なら、毎年陸揚げして、通常のペンキ塗り替えでも良いのですが、大型船舶に成りますと、陸揚げ(ドック収容)だけで物凄い費用と期間がかかる、 このため、現実的な作業性やコスト、環境に配慮した範囲で、効果が高いのが、現在主流の手法です。 銅やシリコンでも、科学的には効果が得られるはずですが、寿命とメンテナンスの費用や、その他もろもろで、現在主流の方法には負けなのです。 (ただ、将来は施工法歩やその他で、費用対効果から実用化される可能性は否定出来ませんね。) 青色LEDで、三人がノーベル賞を得ました、基礎技術、安定化、量産と応用という、総合範囲において、一人だけじゃなく3人に成ったのでしょう。 今すぐ、あるいは机上の計算だけ、こういう分野はとても重要です。 しかし、実用化には、いろんな部分も関わるのです。 私は「オーディオ」カテゴリーで、うろうろしています。 あちらのカテでも、科学的発明を元に、工業技術が伴って、実用化されたのが、オーディオ機器だ、と、たまに発言しています。 (ついでに、音の善し悪しは、音楽と言う芸術を、オーディオ製品と言う機器を用いて聴いた人の感受性、官能判断だ、とも。高度なオーディオは個人の好み、趣味性が重要ですしね。) 現在の長期運用する大型船舶では、塗装は、海洋生物の付着が減る方向で、珊瑚や貝類のカルシウムが付着すると、塗面の表面が剥がれ落ちやすく成っている。 剥がれ落ちた塗面の海洋汚染も、出来るだけ少なくなり、比較的低コストで実現出来ている、という事から、一般化しています。 軍事用の場合は、コストよりも目標性能が優先されます。これはまた別な視点で評価されるのが常識でしょう。
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- phosphole
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塗る方の話について。 ただの銅(金属)やシリコン(単結晶シリコンのことか?)をどうやって表面に塗れば良いのでしょうか?銅なら、めっきすれば可能かもしれませんが、耐久性が大丈夫かな?という疑問もあります。 銅で被覆しておけば、少しずつ溶出する銅イオンの殺菌効果でもって、生物の付着を避けることはできるかもしれません。 なお、鉛とケイ素をごっちゃにされているようです。 ケイ素に何らかの殺菌作用があるか?ということは、私は知りません。 鉛はなにしろ重金属で、生物に大して毒性があります。 鉛で被覆しても効果はあるかもしれませんが、柔らかく重い素材なので、毒性を度外視したところで、船舶の表面に使うには材料的に不向きに思います。
お礼
ありがとうございました。
補足
どうも。自分も鉛とケイ素とか単結晶シリコン云々というのには 詳しくなくて、単にメタマテリアルの材料にシリコンも使われているらしい という事くらいしか知らなかったものでして…… とりあえず、薄い水面波メタマテリアルを船の喫水線下に張り付て 材料自体の毒性で生物付着も防げれないかなと思いまして……
- doc_somday
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#1のお答え通り、フジツボの付着防止ですが、毒性の高いものは禁止されてしまいました。 バブル法で「造波抵抗」を低減させるのは「設計上」美味しい手ですが、魚雷はともかく 潜水艦では非常に細かい気泡でないと「俺はここに居るぜ」と叫んで居る様なもの。 さらに水上の船は良いが潜水艦ではそのバブルに使う気体をどうやって調達するのか 疑問が出来てしまいます。水を沸騰させるとバブルが消失時にノッキングを起こし 爆音が生ずるので、電解で酸素、水素を作るか、ヘリウムタンクでも抱えるのか、 不思議です。
- Saturn5
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船の塗料は耐水性、耐候性があればなんでもかまいません。 鉛や銅を添加するのは毒性と忌避性によるフジツボ防止です。 船底にフジツボが付くと大きな抵抗になり、速度が低下します。 一時はもっち毒性が強いターシャリーブチル系の薬品も 使われましたが、現在は禁止されています。 船舶の耐水抵抗を最も小さくする手段はエアーバブルです。 潜水艦や魚雷ではこれを応用し100ノットを超えるものも あります。水上艦艇への応用は難しいように思います。
補足
色々と詳しく有難うございました。 ところで、その禁止されたというターシャリーブチル系の薬品の 亜種とでも云える物の中で、毒性が強すぎなくて喫水下用塗料として 復活の可能性が有る物なんてのは、ないでしょうか?
補足
どうも詳しく有難うございます。 やはり大型船だとドック収容だけで費用が かかるのですね。 ところで、質問の時に貼ったリンク先にあった 水面波メタマテリアルをシール状にして 大型船の必要な箇所(水中に位置する箇所あり)に 貼って港で整備する時にだけ剥がす、という方法を とった場合は、その大型船の整備や上記のシールの 張り替えの時にドック収容させる必要は無い でしょうかね? もちろん、そのシールの下には現代の大型船の 喫水線下用の塗装と全く同じ塗装が施されているので そちらのメンテは少ない、という事で。