元来「ねぐ」という言葉は、上下それぞれの方向に分かれているようです。
1.請(ね)ぐ、祈(ね)ぐ
祈り願う。「福を祈(ね)ぎ給ひき」(摂津風土記)
2.労(ね)ぐ、犢(ね)ぐ
ねぎらう。「かきなでそ労(ね)ぎ給ふ」(万葉集)
従って、骨折りを慰めたり労を謝する労(ねぎら)いとして考えた場合には、同僚や目下のものへの「労(いた)わり」の色が濃く、これが目下の立場で目上の方に向かっては、お願いやお祈りの姿勢がその基本になるものなのでしょうか。
そう言う意味では「労(いた)わり」言葉は避けて「御礼」やら「お願い」「お祈り」の意味で「ありがとうございました」「またよろしくお願い致します」「お気をつけてお帰り下さい」などや、その組み合わせがいいのかも知れません。
一方これを、いわゆる挨拶言葉としてとらえれば、もはやその職場や周囲の事情に相応しい言葉遣いが多々あっても、また世間一般的な用法とのズレがあってもおかしくないと思われます。ケースバイケースといいますかローカルルールありと。郷に入れば…であり社風であったり。
どだい、挨拶は咄嗟となりがちであり、それだけに目下は先に声を出すようにとかの規準はありますが、職場などでは得てして上司の方が切り上げの先手を取って急に「どうもご苦労さん、じゃ、お先に」とでも声かけされたら、目下の方としては即応のタイミングもままならず慌てて詰まってしまい、オウム返しが精一杯という事態も良くあることです。
その時は同じ返し言葉で構わないからより一層丁寧度を高めて、例えば「こちらこそ。どうもご苦労様でした。どうぞお気をつけて。お帰り下さい」となっても不自然ではない気もいたします。要はどのくらい滑らかに相手に呼応した<弁(わきま)えのある>態度表現ができるかでもありましょうから。
むしろ恐いのは、目上に接した際の日頃の合いの手や反応言葉のような気がします。
話しかけている上司に対して、「なるほど」「うんうん」「へぇー」「ひゃー」「助かりました」「困りますね」「そりゃ嬉しいですよ」などといった単純な、それだけに何気ない<地>がツイこぼれ出る時なのかも知れませんが…。
お礼
たしかに態度も大切ですよね!! きをつけようと思います!! 詳しい回答ありがとうございました!!