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帆船の水夫になる理由
大航海時代の水夫は、結構過酷じゃないですか。荒くれ共というイメージがあり、海の男だった彼らですが、自ら進んで水夫になった理由はなんでしょう? 以下に、水夫が敬遠されてしかるべき理由を書きました。 ◎ 船が難破して死亡する危険。 ◎ 海賊に襲われて死亡する危険。雇用者の命令しだいで、自らも海賊に? ◎ 食事が単調で、栄養失調にかかる。壊血病は海賊以上に恐ろしかったとも。 ◎ 水夫は羽振りが良かった? しかし、金は上陸した時しか、使えない。酒場とか。 ◎ 自由が無く、上官に逆らえば鞭打ちの刑で死亡。 ◎ 女の無い、男ばかりの共同生活。
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>自ら進んで水夫になった理由はなんでしょう? 自ら志願したのはごく少数でした。 船長と徒弟契約を結んで弟子入りの形で船乗りをめざしました。 多くは貧農の子供達でした。 船長から親に何がしかの礼金が支払われました。 大半は農民の強制徴用でした。 表面上は日本で言えば年貢としての役務と同じようなものですが、否も応もなく徴発して船に乗せました。 スペインは、この強制徴用を繰り返した結果農産物不足という事態を引き起こしました。 イギリスは想像を絶するほどムチャクチャでした。 港に周旋屋が酒場や安宿を開いていました。 目星をつけた若者に飲ませ食わせした挙句借金漬けにして、商船に無理やり乗り込ませました。 これはまだ良い方です。 海軍は港ごとに徴発隊を設けて、市中や農村でぶらぶらしている若者を片っ端から捕まえて船に送り込みました。 放浪者取り締まり法なるものがあり、都市の市長に徴発権が認められていました。 軽犯罪者だろうがなんだろうが目障りとなると、捕まえて海軍に引き渡していました。 これで足りないと、航海中の商船に横付けして強制的に船員を徴発しました。 当然他国の商船に対しては容赦がありませんでした。 中には航行不能になる商船もありました。 上官に逆らえばむち打ちなどというのは、このように強制的に集めた連中を従わせる手段でした。 詳しくは下記のサイトをご覧下さい。 イギリス海運における船員雇用 www31.ocn.ne.jp/~ysino/ronbun1/page031.html なにせ国家が海賊と契約して、他国の貿易船を襲わせていた時代です。 私掠船と呼ばれました。 他国の貿易を妨害するのには船を襲うのが最も手っ取り早い方法でした。 無線の無い時代です。遭難したのか襲われたのかは全く分かりません。 襲うにしてもレーダーなど無い時代です、広い大西洋のどこに商船がいるのか分かりません。 年中海の上をウロウロしている海賊連中を使わない手はありません。 海賊にすれば、少なくても契約した国の港には安全に寄港できて、新鮮な水も食料も手に入りました。 お互いハッピーです。 ともかく日本人の感覚を遥かに超えています。 倭寇などかわいいものです。 それでもコロンブスやマゼランのような連中が現れたのは、当時の航海は文字通り命がけで無事帰る保証はありません。 その見返りとして、船員が個人的に胡椒などの商品を持ち帰ることを認めていました。 無事に帰り付けば、多額の金が手に入りました。 農村で地主にこき使われているよりはましな生活が待っていました。 港町で僅かばかりの日銭稼ぎの商売をやっているよりはと、一獲千金を狙う若者も後を絶ちませんでした。 それこそ船長になって何航海か無事に済ませれば富も名声も手に入りました。 船は一航海毎に投資家を募って資金を集めて出航準備を整えて出航していました。 船が無事帰れば何倍にも、時には何十倍にもなって戻ってきますので、投資家は後を絶ちませんでした。 これを組織的にやっていたのが各国の東インド会社という組織です。 この貿易商人達が作った国がオランダです。 キリスト教の布教などのには目もくれませんでした。 江戸幕府と仲良くなるわけです。 当時のイギリス海軍については、セシル・スコット・フォレスターという人が書いた小説があります。 「海の男 ホーンブロアーシリーズ」としてハヤカワ文庫から出版されています。 一度お読みになられることをお勧めします。
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- trytobe
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英語の動詞に shanghai という上海の小文字版があります。 shanghai 音節shang・hai 発音記号/ʃæŋhάɪ/ 【動詞】 【他動詞】 (shanghaied; shanghai・ing) 1 (昔)〈人を〉(水夫にするため)麻薬を使って[酔いつぶして,脅して]船に連れ込む; 誘拐する. 2〈人を〉だまして[強要して]〔…を〕させる 〔into〕. shanghaiの意味 - 英和辞典 Weblio辞書 http://ejje.weblio.jp/content/shanghai ご質問のように敬遠されていても、水夫になって海上にいたらもうオシマイ、というだけです。そういう時代なんですもの。
お礼
英単語に歴史を感じる、ということで感心しました。 ありがとうございました。
- jkpawapuro
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手になんの職もない人間が一攫千金を狙うのは昔から水夫なんですよ。 戦前の日本でもニシン船に乗る話はよくあったでしょう。
お礼
ありがとうございました。
- kantansi
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もちろん一攫千金狙いに決まってるじゃない。
お礼
ありがとうございました。
- Mokuzo100nenn
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>自ら進んで水夫になった理由はなんでしょう? 大航海時代には今ほどの職業選択の自由が在った訳ではないので、自ら進んで水夫になった水夫は少数派だったと考えなければいけません。 江戸時代の日本で毛皮職人になった者と同じように、自ら進んで選ぶのではなくて、親や周囲の事情で水夫になった者が大部分でしょう。 少数の者は自ら進んで水夫になったでしょうが、少数の者には少数意見(=多様な意見)がある訳であって、一般論で理由を一括しようとするのは間違えです。
お礼
当時はさほど職業を選べなかったのかもしれません。 ありがとうございました。
- rimurokku
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それでも、大海原に飛び出して世界を見る事が好き。 命を懸けて危険な山に登る登山家も、その頃まだまだ安全では無い飛行機に乗るのも、同じように冒険心が有るからでしょう。
お礼
漫画のように冒険心というのもあるでしょうね。挑発された、よりは夢があります。 ありがとうございます。
お礼
マゼランの船が持ち帰った5樽の胡椒で、旅の費用がまかなえた、とかいう話を聞きました。 水夫が恩恵にあずかることもあったのでしょう。 水夫達は、挑発された、というのと一攫千金と両面があったのでしょう。 ありがとうございました。