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3DのCAD図でそのまま製作図となるか

先の質問で2Dと3DのCADの従事者割合の質問をし、貴重な回答を頂きました。有難う御座いました。追加質問ですが、「3DのCADデータを2Dに落とさなくて、そのまま3Dの図面で生産現場の製作図として使用できるのか?」。恐らく出来ると思うのですが、この関係の詳細現状教えて頂きたく。

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noname#196223
noname#196223
回答No.1

おはようございます(笑)前回、回答した者です。 予想ですが、貴方は、学校を卒業して教員になった方で、現場は踏まれていないのではないか?って感じがするのですが、実際の現場ってのは、私自身も経験したもの以外は伝聞に過ぎません。一応、大きく説明しておきます。貴方が現場を多数踏まれていてご存知のことばかりだったらすいません(笑) CADは、あくまで道具ですから、実際には、機械を作って部品を製造する訳です。製造段階になると、それが機械のオペレーションであったとしても職人技の世界です。この人達は、図面から機械操作に変えるので、図面が3Dであっても2Dであっても構わないのですが、先に書いたように、3Dで図面を受けて2Dをわざわざ書くのは、下記のような理由があるのです。1つのモデルで考えてみましょう。特に学生さんに理解させるには、身近なもので考えさせたほうが良いと思います。 例えば、時計で考えてみた場合、シチズンでもどこでも良いですが、大手メーカーは、デザインして、それをモデリングしますよね。この段階で、どのような部品が必要かが出てきます。そしてコストを積算して、製品化できるかどうかを検討します。試作で3Dが非常に使えるのは、この行程が物凄く速くできるからと、いちいち試作品を作らなくても分りえる部品は作らないのでコストを落とせるのです。また3Dソフトの中で、実際に動かすことができるからですね。特に、精密系だと干渉等が3Dで非常に良く分かる訳なのです。笑えない話ですが、設計ミスってかなりありまして(笑)SONYで、1万個のウォークマンを作ったら、ヘッドホンを指す穴が無かったとか(笑)あるのです。こういったミスが、かなり減るのですね。 さてコスト計算が終わって製造の段階になると、ほとんどの部品を下請に発注するのですが、下請企業が作っているものは、もはや時計の部品とは分らない程度に分散されます。針だったらまだ良いけれど、歯車とか、歯車に使う支えとかになると、米粒より小さいですからね。さて、ここからですが、下請け企業は、全体像を知りません。彼らの大半は、工作機械にプログラミングするのですが、このデータを3Dから取り出す場合、3Dソフトを持っていて、かつ操作できなければならないのですが、貴方もご存知のように、それなりに時間をかけて学習していないと難しいですよね。零細企業の経営者は、ほとんど職人に近い人達ですから、そんな面倒なことはしたくないわけです。 さて、大手企業が3Dで設計したものは、3Dに搭載されている2D変換を使えば簡単に2Dになりますが、発注依頼書を零細企業に出す時には、必ず、1つの部品に対して2Dの図面をつけます。ここに詳細に仕様や合格基準、あるいは精密部品だと許容誤差を指示します。3Dから2Dに自動変換する時には、下請メーカーが必要とする数値が入る訳ではないので、変換した後に、各下請に分かるように、さらに図面を描かなければならないのです。机上では、そんなの下請が拾えよ!(笑)って思うかもしれませんが、下請としては、わずかな誤差でも返品クレームになるので、『常識的に考える』なんてことは絶対に嫌なのです。すべて指示書どおり!にしたいのですよ。 要は、合理的に考えれば3Dで済むのだけれど、商売上あるいは能力上、まだ出来ないってことです。これが、1社ですべて作っているような場合、例えばホンダの下請といっても東証一部上場だけれど、サスペンションを設計している会社だったら、サス自体は、2つのアームの間に挟まっているだけですから、自社設計して、自社で製造することができますし、他の部品との関係があまりないですね。こういう場合は、3Dで完結できるのです。実際、CATIAで作られています。ただ、そういう部品だけではないってことです。3Dが浸透しやすいのは、単独企業で設計から製造までやっている会社で、非常にたくさんの会社で製造する場合は、まだまだ3Dでは出来ないのです。 能力的に言えば、今の理系大学であれば、3Dが授業にあるでしょうし、工業高校でも高専くらいだったらあるでしょう。ですから、今の20代は出来ますよ。でも40代前後だと、積極的に3D化を推し進めて、外部のインストラクターを入れて教育している会社以外は、やっぱり無理がありますよね。AUTOCADレベルだったら独習もできますが、CATIAになると、ただ立体を作れば良い訳ではなく、組み方までありますからね。作った立体を後でバラバラにできるように組み立てないと使い物にならないし、シュミレーションプログラムを覚えている暇がないのが実情ですよね。 但し、あと20年、つまり今の学生さんが40代になり、設計工程を掌握する地位に至る頃には!圧倒的に3D優勢になるでしょうね。この点、3D学習は、今の学生さんにとって極めて重要で、会社の中で活躍する為の必須スキルかもしれませんね(笑)そのくらい現場の設計者は、学習が間に合っていないのが実情です。私は個人でCATIAを所有していますが、よっぽど好きじゃないと(笑)そこまでやらないですからね。 参考になれば幸いです。

MAHIMA
質問者

お礼

早速詳細な情報有難う御座いました。どうしても市場の状況が疎く、正確な講義をしているのかな?と気になっておりました。非常に参考になりました。今後出来るだけ現場に行き現場の話を聞きたい、と思っております。なかなか出来ませんが。 有難う御座いました