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ロシア語にはАで始まる単語は存在するのか?
- ロシア語にはАで始まる単語はありますが、ほとんどが外来語であり、ラテン系言語やギリシア語系に由来するものが多いようです。
- 例外的には接続詞の「а」や間投詞・擬音語の「агу」「ай」「ах」などの語、およびこれらから派生した単語がロシア語起源であると言えます。
- その他、ロシア語にはアルファベットの「А」で始まる固有語はほとんど存在しないようです。なお、他のスラブ語系言語についても情報をお伝えします。
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おっしゃるとおり現代ロシア語においてаで始まる語は、間投詞、接続詞、オノマトペを除けば、すべて外来語です。азбукаも、教会スラブ語由来というよりは、古代ギリシャ語の ἀλφάβητον(alphabetos)のカリカ(元の語をそのままスラヴ語の同意語に置き換えたもの)ですから、まあ外来語でしょうね。 「現代ロシア語」という軛をはずせば、古スラヴ語の一人称単数代名詞にазъというのがありましたが、これも古代ロシア語に分化するころにはязъに変わったようです。 理由として一般に言われているのは、古代のスラヴ語の特徴として 1) 印欧祖語において語末についていた子音が脱落し、個々の単語は基本的に開音(母音)で終わるようになった。 2) 母音の連続を嫌う傾向にあった。 という二点があったことですね。 個々の単語が母音で終わるのですから、その後ろに続く単語が母音で始まっていると、2つ目の法則に抵触します。そのため、この時代には、母音(аに限らず)で始まる単語の語頭にvまたはjの子音が発生するという動きがあったのです。規則としては、аの前にはjが添加されたということです。例えば、上記の一人称代名詞азъがязъに変わったのも、語頭にjの子音がくっついた結果です。 しかしこの「母音で始まる単語の語頭にはvかjをつける」という動きは完全には徹底されないまま、その後の言語の発達の過程で、子音をつけていない元の語形の方が生き残ったり、母音の前につけた子音が後の母音と同化してしまったり、接頭辞がつくことによって語頭に母音が露出してしまったりして、現代では語頭に母音がくる単語は相当数あります。でも、接頭辞の中にはаで始まるものはないし、もともとаで始まっていた語の多くは添加されたjと同化してяで始まる語に変わったので、現代ロシア語においてはаで始まる語は外来語のみ、という状況になっているようです。 なお、ロシア語以外のスラヴ語は詳しくないので断言はできませんが、上記の変化はスラヴ諸語に共通の先祖の時代に起こったことなので、他のスラヴ語においても同様の現象(аで始まる単語はほとんど外来語)がみられるだろうと推測します。
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- Begemot
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言語学も語源学もよくわかりませんがファスマーとかチェルヌィフの辞書のAのところを見ていけば解決するような気がしますが。 ご覧になりましたか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 うーむ、ファスマーやチェルヌィフですか。このお二方の名を、当方不覚にも知りませんでした。 またどうやら当方ではファスマーやチェルヌィフの辞典をおいそれと閲覧できる環境にはないようです。機会が得られれば読むべき価値はあるものだということは認識できましたが。 ちなみに当方のロシア語学習はあくまで趣味のものであり、ウィキペディアほかのウェブサイトや簡単な小説、化学・生物学系論文、観光ガイドなどのレベルのものが辞書を引きながら読めれば十分かなといった程度です。
お礼
ご回答ありがとうございます。ロシア語への興味を深めることのできるような内容で、繰り返し読ませていただきました。やっぱりАのつく語は少数の例外を除きすべて外来語ということが、腑に落ちて理解でき感慨深いものがありました。 ロシア語またはその前段階のスラブ系言語で語末子音の脱落があったらしいことは当方の中途半端な学習に於いてもうすうす察しがついておりましたが、母音の連続を嫌う傾向があったこと、そのために語頭に子音を置く傾向があったことは、ご回答で初めて知りました。なるほど、これでロシア語に"В"や軟音で始まる単語が多いのかも多少理解ができた感がいたします。