- ベストアンサー
映画 舟を編む を見て 辞書の作り方
映画 舟を編むをこの間見ました。 辞書つくりって本当にあんな形で行っているのでしょか。 7年や8年、中には20年以上かかる。 大体の辞書は高くて7-8000円 ま、もっと高いのもあるとは思いますけれど。 安いものはもっと安いし。でそんなに時間がかかって商業として成り立っているのか それとも昔の話だからでしょうか。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
大渡海という辞書を作る過程を描いた映画ですね。この「大渡海」に相当する辞書は「大辞林」や「広辞苑」などでしょうか、ちなみに日本で最大の規模を誇る国語辞典は「日本国語大辞典」:小学館編集になります。価格は現行の2版のものが21万円だそうです。 これらの規模の辞典になると、ひとつの言葉に10年単位で時間をかけるのは普通でしょう。 たとえば、「ら」ぬき言葉などの変遷は、30年単位で見ないと分からず、今の版では「非日常的な言葉」であっても、次の版では「日常的な言葉」になっているかもしれず、そもそも、「ら」ぬき言葉、という単語自体がここ20年ぐらいの産物です。 このような言葉の違いを見たり、地方にのこる言葉やあたらしく生まれた言葉、そして新しく生まれて残った言葉、使われなくなった言葉を整理するだけで、大変な作業です。 たとえば「チンする」という言葉は最近はCMでも使われるようになりましたが、電子レンジが普及する前は、レンジを持っている家では「チンする」という言葉があっても、持っていない家では使われない言葉だったわけで、編集者たちは最初に「チンする」という言葉を収集してから、実際に多くの家庭に電子レンジが普及して「チンする」という言葉が、日本語として成立した、といえるまでずっと観察をしつづけているわけです。 ちなみに「チンする」は1988年ぐらいに一般化したようですが、うちのじいちゃん宅では1970年代には「チンして」と言っていましたね。じいちゃん宅にはだいぶ前から電子レンジがあったからです。うちに電子レンジが来たのはたしか1985年ぐらいでしたね。 逆に、電話をかけることを「ダイヤルを回す」といわなくなったのはいつの頃からでしょう。 こういう流れを見ていくと10年じゃ全然足りない言葉もあるわけです。 ですから20年ぐらいかかる言葉もあって普通なのでしょう。 これが商業的に見合うのか、という点で言えば、むしろ最近のほうが見合うようになっているでしょう。 昔は大型の辞典を必要とするのは大学や図書館などの教育機関や新聞社や出版社のような言葉を使う産業がほとんどでしたので、購入される規模も決まっていたといえます。 しかし、現在は辞典の縮小版を電子辞書に入れたり、電子版を有料で検索したりと使用方法だけでなく用途も広がり、一般人も気軽に使えるようになっているといえます。 先ほど、日本国語大辞典が21万円と書きましたが、これを「本」として購入するのは昔と同様の機関がほとんどでしょう。しかし、1万円の電子辞書の中には版権料が入っており、それがたとえ1000円でも、日本人の1割が使えば1300万人×1000円で1300億の市場になるわけです。 だから、大きな辞書をじっくり作って、その研究成果を小型の辞書に生かしたり、電子版にすることで十分に元は取れるのではないでしょうか。
お礼
こんにちは。詳しい回答をありがとうございます。 今の方が元が取れるとはおもいませんでした。 確かに電子辞書にも入っていますからね。でも作成でそんなに時間がかかっているんだったら 作成している時間でさらに追加の言葉が発生したり、また、死語になったり、意味が変わったりで 永久に終わらない感じがします。 なんとなく、出版社の「辞書を作っている出版社」という名誉がある感じがしました。