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テロ行為 ?
中国政府(司法当局)が商船三井船舶差し押え ------------------------------------ 私には全く判りませんが、だから質問。 中国:「戦後賠償と無関係」とゆうとります 此れは一種"国家推奨テロ行為"とちゃいますか ? まぁ言ってみれば、船舶だけに"海賊行為"と言っても好いのでせうか ? 国際法上は「許される」行為ですか ? エキスパ~ト諸氏の皆さん、乞う御解説。 其れを叩き台に、職場での話材にしたいのですw。
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日中共同声明(1972年)第5項は「日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する」と定めている。戦争賠償以外の請求は放棄してないのである。日中戦争は1937年からであり、この件の旧中威輪船公司が契約を結んだのは36年である。 中華人民共和国も中華民国もサンフランシスコ条約には加わっていないが、「日本国と中華民国との間の平和条約」(1952年)第11条に次の規定がある。 「この条約及びこれを補足する文書に別段の定めがある場合を除く外、[中略] サン・フランシスコ条約の相当規定に従つて解決するものとする。」 そこでサンフランシスコ条約を見ると、第18条に次の趣旨の規定がある。 「戦争状態の介在は、開戦前に日本人と連合国人との間に存在していた債務及び契約に、影響を及ぼさない。戦争の開始前にすでに成り立っていた金銭を支払うべき債務は、戦争の結果影響を受けない。」 したがって、旧中威輪船公司の商船三井に対する債権は消滅していないのではないだろうか。他の連合国(例えばオランダなど)と日本との戦後交渉を見ても分かるんだけど、連合国はサンフランシスコ条約で対日請求権を放棄したにもかかわらず、戦前の債権(日本から見れば債務)については放棄せず、日本から取り立てているよ。 また、中国では2004年の憲法改正において私有財産の不可侵が明記された。 中国の憲法改正―2004年改正の過程、内容、意義―(土屋英雄、憲法学、筑波大学教授) http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200409_644/064404.pdf 〔引用開始〕 2004年3月14日、第10期全人代第2回会議において採択された「中華人民共和国憲法改正案」の内容は次の通りである。 〔中略〕 憲法第13条の「国家は、公民の合法的な収入、貯蓄、家屋、その他合法的な財産の所有権を保護する。」「国家は、法律の定めるところにより、公民の私有財産の相続権を保護する。」を、次のように改正する。 「公民の合法的な私有財産は侵されない(文言変更)。」「国家は、法律の定めるところにより、公民の私有財産権と相続権を保護する(文言変更)。」「国家は、公共の利益の必要のため、法律の定めるところにより、公民の私有財産を徴収または徴用し且つ補償を与えることができる(追加)。」 〔中略〕 私有財産権の憲法規定化は、公的説明では次のようなことを意味していた。第1に、私有財産権の保護の法的地位の上昇。現行の法律上でも私有財産権の保護の規定は存在するが、これを憲法上の保護に格上げした。第2に、私有財産権の保護力の強化。今回新たに用いられた「侵されない」(原語「不受侵犯」) という文言は、それまでの「保護する」という文言より厳格な意味を有する。第3に、私有財産の保護範囲の拡大。憲法上保護される私有財産には、生活手段と生産手段の両方が含まれ、有形・無形、動産・不動産など形態の如何にかかわらず、および市場経済下で出現するその他の財産権も合法的であれば保護される。第4に、「所有権」を「財産権」に改めたことによる権利の意義の明確化、全面化。 〔引用終り〕 旧中威輪船公司の資産については、戦前に日本企業によって借りパクされた(借りたままパクった)ために、中国政府がこれを接収できないまま何十年も経ち、2004年の私有財産不可侵を経て、今や中国政府が旧中威輪船公司から接収することは許されない、という解釈になっているのではないか。 むしろ、問題は「時効」にあるだろう。中国法にも時効や除斥期間の規定はあるわけだが、日本とは制度が異なっている。下記のサイト(今回の件を意識したものではない)に一般的な解説が載っている。 日中経済協会 中国ビジネスQ&A 中国における時効の管理 http://www.jc-web.or.jp/JCObj/Cnt/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%99%82%E5%8A%B9%E3%81%AE%E7%AE%A1%E7%90%86.pdf [引用開始] 中国法には、延長という制度があり、特殊な状況がある場合、人民法院は訴訟時効期間を延長することができます(民法通則137条3文)。 この「特殊な状況」とは、権利者が客観的な障害があったことにより、法定訴訟時効期間において請求権の行使ができない場合であると定められています(民法通則意見169条)。 [引用終り]
お礼
詳細且つ迅速成る御回答、丸で"法制局長官"宜敷い御答弁と相承りました。 助かりました。