人間でも例えば難消化性の多糖類を長期間食べているとその多糖類を分解可能な腸内細菌が増えて効率的に消化可能になることが分かっています。
パプアニューギニアでは芋を主食にしている民族がいますが、彼らの一日の食事から日本人が取れる摂取カロリー量は非常に少ないにも関わらず、彼らは筋骨隆々とした体格を誇っています。
その理由は彼らの体内の腸内細菌が芋の難消化性の食物繊維を分解してくれるので芋から効率的に栄養を吸収できるためにトータルでは現代日本人の食事に劣らないカロリー量を得ているのです。
では日本人は彼らのような食べ物では生きていけないのかというとそんなことはなく、そこの食事に体を慣らしていけば数週間すれば体内に食物繊維分解能力を持った細菌が増殖するので彼らと同じ食事で生きていけるようになります。
それを考えるとセルロース主体の食べ物に体を慣らしていけばもしかしたら腸内にセルラーゼを持った細菌が増殖して木でも生きていける体質に変化する可能性はあるかもしれません。
ただ、腸内に新しい種類の細菌が根付くのは幼児期までらしいので、ある程度成長した時点でセルラーゼを持った細菌が腸内に全くいなければそういう細菌が新しく根付いて増殖する可能性は非常に低いと考えられます。
そういう細菌が現代日本人の体内にいるかどうかはちょっと分かりませんね。
また、そういう細菌がいたとしても木はセルロース以外にリグニンなどの非常に分解の難しい食物繊維も含まれていますし、腸内で効率的に分解するには非常に細かく分解する必要がありますがきちんと咬み砕くには木は硬いという問題があります。
高圧高温で加熱すれば柔らかくできるかな……
また、草食動物の多くが大きな胃、あるいは発達した盲腸などで微生物によって植物を分解しなくては生きていけないことを考えると草食動物に比べてあまり大きいとは言えない人間の腸でどの程度分解できるか、なかなか難しい気がしますね。
ちなみに牛乳を消化できない人がいるのは牛乳に含まれる糖分であるラクトースを分解する酵素の働きが遺伝的に弱い人がいるためですね。
バイオエタノールみたいに微生物で発酵できないかと仰いますが、反芻動物(牛など)の第一胃みたいに微生物による発酵装置を作ることは不可能ではないとは思います。ただ、燃料ではなく食べ物にするのは難しい気がしますね。微生物が作るものってなかなか制御が難しく、作る物質も結構限られていますので。エタノールとかメタンとか、燃料ならともかく食物にはできませんね。
お礼
回答いただきありがとうございます。 そういえば、海苔や牛乳も、ある特定の地域の人のみ消化できると聞いたことがあります。 面白い情報ありがとうございます。