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泣くとストレスはどうなるのか?

「人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ。」VS 「泣くとリラックスする効果があります。」 前者だと悲しいことがあっても泣くと更にストレスになるから泣かない方が良いということ。後者だと泣くとスッキリしてストレス解消になるから泣く方が良いということ。 どちらが正しいですか?もしくは、どんな風に使い分ければ良いですか?

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  • ruehas
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回答No.6

こんにちは。 感情に伴う涙の分泌を「情動性分泌」といい、我々人間だけに見られる特徴的な生理現象なのですが、その生物学的意義に就いてはまだはっきりと解明していません。 「泣くから悲しい」というのは、涙が出るという生理的変化を知覚することにより、今自分に悲しみの感情が発生していることを自覚する、という意味なんです。取り敢えず、我々は悲しい思いをしたから泣くのですよね。ですが、近年の脳科学の進歩により、このジェームス・ランゲ仮説も単なるアンチテーゼではないと考えられるようになってきました。 我々の脳内で感情を司っているのは「大脳辺縁系」というところで、ここでは身体内外からの入力情報に対して利益・不利益の判定を下し、情動反応を発生させます。ここでの判定結果は自律神経を介して身体に様々な生理的変化をもたらします。これを総じて「情動性自律反応」と言います。そして、辺縁系での判定が不利益である場合には与えられた事態に対処するため、交感神経が活発に働き、心身は一時的な緊張状態になるわけですが、これがいわゆる「ストレス反応」です。 では、この一連の情動機能は脳内では「無意識の領域」に属するため、これが情動性自律反応として身体に具体的な生理的変化を発生させるまでは、大脳皮質は自分の精神に変化が発生したことを知覚することはできません。ですが、ここで涙が溢れそうになれば、これによって自分に何らかの感情が発生したことを知ることができます。そして、例えば今見ているドラマの主人公が辛い目に遭っている、といった状況判断を行うことにより、発生した感情が悲しみであると識別することができるというわけです。そして、これを「情動の原因帰結」と言い、「泣くから悲しい」というジェームス・ランゲ仮説は、このような脳の解剖学的構造に迫る、ある意味では先見的な洞察であったのではないかと考えます。 但し、我々の脳内で起こる感情の発生といいますのは、それほど単純なものではありません。取り敢えず、辺縁系の情動反応には利益と不利益の二種類しかありませんので、この時点ではそれが怒りであるのか悲しみであるのかは判別できません。ならば、情動の原因帰結における状況判断は一回ではなく、短時間の間に何度も繰り返され、情動はこのフィードバックによって喜びや悲しみ、感動や怒りといった感情に複雑な分岐をしてゆくのではないかと考えられています。 次に、泣くことがストレスの解消になるというのは周知の事実であり、学者さんの中にも異を唱えるひとはほとんどいないと思います。では、怒りといいますのは「問題解決のための能動的回避行動」であり、交感神経の働きにより心身は緊張状態に設定されます。これに対しまして、悲しみというのは問題解決の手段が見出せないことによって怒りや期待などから分岐する感情です。加えて、涙の情動分泌を司っていますのは副交感神経であり、つまり、涙が溢れそうになるということは、果たして心身はこの時点で交感神経優位の緊張状態から既に副交感神経の安静状態に移行を初めているのではないかということになります。 もちろん、ここで無理に涙を堪えるよりも、泣きたいときは素直に泣いた方が身体に良いというのは疑う余地もありません。ですが、これでは涙を流すからストレスが解消されるのか、ストレスが開放に向かうから涙が出るのかといった、また新たな論争が必要になってしまうような気がします。 ただこれに関わり、最近の研究では、我々の前頭前野の奥深くにミラーニューロンによって構成される「共感脳」という機能があり、そこが悲しみや同情、あるいは感動といった情動に伴って活性化する働きのあることが報告されています。そして、この機能は涙の情動分泌に関わることは基より、交感神経支配のストレス状態から副交感神経優位の安静状態にリセットするための切り替えスイッチの役割を果たしているのではないかということです。 最後に、涙はストレス物質を洗い流して排出するという話は良く聞きますが、これにはまだ科学的根拠がないはずです。 涙から検出された成分は「ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)」と言い、下垂体で合成され、「副腎皮質ホルモン」という「ストレス対処物質」の分泌量を調整するためのタンパク質です。一部の調査では、情動性分泌のあとにはACTHの血中濃度が下がったという結果も出ていますが、これは涙がACTHを体外に排出したからではなく、泣くことによってストレスが軽減されたため分泌量が減少したと考えるのが最も妥当でなないでしょうか。少なくともはっきりと言えるのは、ストレスとは環境からの刺激に対する生理反応であり、物質ではありません。涙に紛れ込んでいたのはストレス物質ではなく厳密には「ストレス対処物質」であり、これを体外に排出したとしても、果たして、間違ってもストレスを洗い流したということにはならないと思います。 少々歯痒い回答で申し訳ないのですが、先に申し上げました通り、情動分泌の生物学的役割や、何故それが人間だけの特徴なのかといったことはまだ完全には解明されていませんので、そこのところは悪しからずお願い致します。

rena777ch
質問者

お礼

私には少し難しかったですが、何度も何度も読んだら少しずつ理解できました。そして、なるほど、なるほど、うんうん、とたくさん勉強になりました。まだまだ色んな説を立てて、色んな実験をしてみないといけなさそうですね。 「泣くから悲しい」は△、「泣くとストレス解消になる」は○、ただし「涙でストレス対処物質を排出したから」かどうかは△…ですね。 難しかったですが、知りたかったことが知れました。ご回答ありがとうございました。

その他の回答 (5)

回答No.5

こんにちは。  悲しみと涙はある程度は連動しているとは思います。悲しいという気持ちがあるときを全体の集合とするとその中に含まれる形で泣くという場合があるくらいの解釈で妥当なのではないでしょうか。  悲しい気持ちが、中枢における‘悲しみの器‘のある一定の容量を越えたところで泣き出す。そして泣くことによって空いた中枢の器にさらに悲しみがなだれ込んで悲しみと涙の相乗効果となる。そういうことはあると思います。(泣くから悲しい)(悲しみの器の容量を越える悲しみを抱えている場合)  泣くことで悲しみの器に次々と悲しい気持ちがなだれ込んでくる状態が収まると、さらに泣くことで器の中の悲しい気持ちが減少して涙の出るラインの容量以下になっていく。つまり泣くことによって、泣かないで我慢していた分中枢の中でひずみとして蓄えられていた過剰な悲しみを解消するという(ストレス解消の)流れが起こったことになり、同時にもう涙は出てこなくなる方向に向かう。  こんな風に私は解釈しています。

rena777ch
質問者

お礼

”悲しみの器”から溢れる時に泣くと言うのはなるほど、と思いました。やはり一時的に悲しさが増幅されたように感じたとしても、泣くことでストレス解消の方向に向かうということですね。ご回答ありがとうございました。

noname#205097
noname#205097
回答No.4

泣くと質の良い睡眠がとれそうです。

rena777ch
質問者

お礼

no3の方がおっしゃるように、疲れてグッスリ眠れるという仕組みなんでしょうか? 泣くのは身体に良いことだという回答が多いですね。ありがとうございました。

回答No.3

なくというのは、全身運動で、瞬間的に、50mダッシュをするのと変わらないくらいの体力を使います。 ストレスというのは、次の危険を回避する為に宝をためている状態で 風船でいえば飛び出す為に空気をパンパンに入れている状態です。これが続けばゴムの弱いところが表面はひび割れ 破裂してしまうのがストレス障害。 泣くことで全身の筋肉緊張をほぐして、ためたストレス分のカロリーを燃焼させ発散させる。 そうすることで、膨らんでいた風船もしぼみ、体は柔軟状態になる。 声を上げるさめざめ泣くどちらもガスヌキの柔軟運動です。 腹の立ったとき キチガイのように声を上げ不自然なほど体をゆすり動かし、走り回ると数分で すっきりするのと同じで、余計な運きをせずインナーマッスルで運動するのが泣くことです。 泣く運動がどれだけ激しいかというと、赤ん坊なんか、おお泣きした後寝てしまうでしょ? 体が疲労して、ヒューズが切れるように回復のために眠りに入るって、大人なら相当の労力ですよ。

rena777ch
質問者

お礼

そうですそうです、まさに聞きたかったのはそういうことです。顔の筋肉を動かすという外部の刺激で、感情が変化するという話です。 回答者様は楽しくない時にでも笑えば明るい気持ちになるというのを聞いたことがありますか?作り笑いでもいいからすると、楽しい感情になるようです。それの逆バージョンで、泣いたり悲しい顔をしたりすると、本当はそこまで悲しくなくてもどんどん悲しくなる、という話です。調べたらジェームズランゲ説というみたいです。でも、一方で、泣くのはいいこと、ストレス解消になる、ガス抜きになる、というのも聞きます。どう考えたら良いのかなーと思って。お分かりになれば教えてください。ご回答ありがとうございました。

  • tarutosan
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回答No.2

涙にはストレスの成分が含まれていて、それが無くなるから泣くとスッキリすると聞きました。 後者が正しいと思われます。 前者はお話しというか、詩の類いに感じます。

rena777ch
質問者

お礼

いいえ、歌ではなくて、本当にそういう研究があって、これとどちらが正しいのかなと思ったのです。良く聞きませんか?悲しい時に無理にでも笑えば気持ちが楽しくなる、明るくなる、って。それの逆バージョンで泣くという行為が悲しさを余計に増幅させるということです。あまり知られていないんですね。調べてみたら「ジェームズランゲ説」というみたいです。どちらもある程度正しいなら、どうやって使い分けたら良いのかなと思ったのですが、皆さんご存知ないようなのでマイナーな説なのかもしれませんね。ご回答ありがとうございました。

  • maiko0318
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回答No.1

科学で説明できるようになってきました。 悲しい。という感情が増えてくると、脳が破綻します。 涙は悲しいという感情を抑える働き(成分)があって脳の破綻を防ぎます。

rena777ch
質問者

お礼

確かにそう聞きますね。でも、泣くと悲しみが増幅する、という考え方も単に気持ちの問題ではなく、化学的に実験されて分かっていることですよね?真っ向対立する気がして、ちょっと不思議だったのです。ご回答ありがとうございました。

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