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分圧真空計と質量分析計について
分圧真空計として使用される質量分析計の説明について誤っているものを一つ選びなさい。 (1)質量分析計は、イオン化された真空槽内の気体分子イオンの質量と電荷数との比(m/z)によって 選別し、各m/zの信号強度を観察する機器である。 (2)質量スペクトルからは、真空の質などの情報が得られる。 (3)質量分析計は一般的に使用可能な上限圧力がある。 (4)質量分析計の各m/zの信号強度は気体の種類に関わらず分圧を正確に反映している。
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誤っているのは(4) 気体分子と電子の衝突により気体分子がイオン化される確率は、気体分子が何てあるかによって異なる。 電離真空計において感度が気体分子によって異なるのも同じ理屈です。 従って質量分析計の各m/zの信号強度=各m/zイオン電流は分圧を正確に表しはしません。 (1)は正しく、説明の通り (2)は真空容器内にどんな種類の分子が多く存在するか(これが真空の質)を知ることができるので正しい説明。 (3)上限圧力は存在します。従って正しい。 圧力が高いと平均自由行程が短く、放射熱電子がイオン化に必要な運動エネルギーに加速される前に気体分子と衝突してしまい、イオン化が生じない可能性があり、質量分析計として機能しません。 また、必然的に酸素分子も多くなり熱電子源である質量分析計のフィラメントが酸化が進行しいつかは切れてしまいます。 従って上限があり、恐らく10^-5(hPa)台以下の圧力での使用が必要でしょう。
お礼
詳細までありがとうございます。 まだ真空計を見たこともないですが勉強になります。