問題集をやり倒して、理屈がわかってないのに「合格点をとるだけの回答をした」なら、3級でも2級でも基礎はできてないと思います。
このレベルですと、対処療法的な学習なので、1級はまずお手上げです。
そう考えると1級合格なら基礎が出来てるといえそうですが、現実には1級合格してるだけでは実務はさっぱりです。
机上の空論とまではいいませんが、岡の上の水練だからです。
実務レベルで基礎ができてると言われるのは、何級に合格してるということではなく「会計実務では、何が大事か」が分かってる方ではないでしょうか。
当然に3級程度の合格は必須でしょうが、ここでは合格級とは別の話しです。
企業企業で帳簿組織が違いますし、例えば備品の買い方も違うはずです。
必要なかたが立て替えて買ってきて、それを小口現金で精算するという企業もあるでしょうし、「購入申込書」を作成し、決済を受けて、会社が購入し、本人に渡すとか、総務課でまとめて購入するとか。
このような「わが社ではこうしてる」「このやり方がよい」などは簿記の何級になっても試験にでません。
試験するほどのことではないという意味もあるでしょうが「企業によってまちまち」「現場が決めてる」ことだからです。
私は結構この「現場」を理解してる人が会計の基礎が分かってると思われると考えます。
簿記1級あるいは税理士試験の簿財合格していて、理屈をいくら知っていても、現実的に目の前の処理ができないのでは「役に立たない」からです。
「この手形を割引してきてくれ」と社長にいわれて「はい、わかりました」と言える事務員が仮に簿記3級認定されてなくても、いいわけです。
「私は取引銀行に行って割引をしてくれと交渉する術は知りません」では、お役に立てないわけです。
実際に受け取り手形の割引は、金融機関との折衝が必要なときがあります。
確かに売上の支払いのための手形なのかとか、振り出し人の信用状態はどうなのかとか、金融機関が言い出してきますので、それに応じることができないと話になりません。会計とは別の世界で、いうなれば金融の世界でしょうか。
しかし企業の代表者としては「会計係」の仕事として把握してるはずです。
そうしてみると、公認会計士や税理士などでも「あなたは会計の基礎ができてますか?」と問われたら「え?自信がないな」というかもしれません。
小切手の作成、手形の作成、手形の割引交渉など「そんなの、知らない」でも会計士や税理士はやれるのです。
私には「会計の基礎が分かってるか」とは、とても哲学的な質問に感じます。
だから、失礼ながら「変な質問」ですねぇ。
とりあえずは「3級合格していれば、基礎ができつつある」が私の回答です。