私は、以前、3月に同じような質問で回答したことがある者です。
ここは英語カテゴリですから、学生であるなしに関わらず、それで、英語の成績がアップするとはいえなくても、一般の非英語ネイティブでしたら、英単語・熟語は覚えるのは宿命的な話だと思います。だから、よりよい道具があれば、とりあえず、使ってみるというのは、避けられないことなのです。格好のよい言い訳など言っていられません。
また、前回の話とは違う話で、続きを書かせていただきます。
今年の3月にも同じような話でしたが、アプリは出来上がって公開されているのでしょうか?
アプリで覚えること自体は、何も悪いことではないのですが、
>1.5時間で英単語を100個くらい覚えられます。
一般的には、早く覚えたものは、早く忘れるということを言われます。日にちが経った後に、一旦、覚えたものを思い出せるかが大事なのです。私個人は、そのような時間と単語数の相関関係は、信用していません。実際の記憶というものは、簡単に忘れるとか覚えているとかいうことでは言い表せない複雑なものです。古典的なエビングハウスの忘却曲線などは、ほとんど信用していません。10日で1万語を記憶などという宣伝もあるかと思いますが、こんなものは、英語とは関係のないものだということです。それは、以下で、再び述べます。
人というものは、記憶の癖や記憶の得意・不得意があります。
この話で、いつも思い出すのが、横綱の北の湖です。彼は、コンピュータ搭載のブルドーザーとか言われ、ものすごい記憶力で横綱を張っていました。エピソードとしては、結婚を申し込む際も、お相手の人の誕生日を覚えていたからだ、というそうです。しかし、その半面、北海道から東京に連れてこられた時に、「深川一の低能児」というアダ名が付けられていたそうです。また、タレントのキャイーンのウド・鈴木さんは、記憶力自体は抜群のようですが、全体的には頭が良さそうとは言えません。ただ、浮き沈みの激しい芸能界で生き残ったことは間違いないようです。
記憶術ということでは、若い方はご存知ないかもしれませんが、渡辺剛彰氏は、東大の文学部にいながら、4年になって勉強を始め弁護士試験に通り、在学中ではナンバーワンの成績だったということで、その後、ワタナベ式記憶術を実施たスクールを開校し、すでに30年以上経っていますが、衰えをしりません。なのに、渡辺氏自身、頭が良いとか、何か功績を残したという話は聞こえてきません。弁護士活動すら聞いたことがありません。ワタナベ式記憶術の批判もインターネットでは出ていますが、うまくいかない理由で、私が発見したのは、「記憶遡及法」といって、記憶力そのものを鍛えるということです。最低半年ぐらい、トレーニングを積まないといけないわけで、独学ではなかなか難しいようです。
また、英単語の記憶術では、もう存命ではないかもしれませんが、星野隆明氏という人の円記憶術は、どうやら私のような凡人にはマネができないことが分かりました。円の中にアルファベットを書き、2次元で、文字の位置を覚えて軌跡を作り、英単語を記憶するなんていうのは、どうにも出来ませんでした。この著者の専門は、英語で、自分で編纂した辞書をまる覚えしたそうです。ただ、星野隆明氏の新書サイズ以外の英語の専門書が、見つからないのは、やはりそれだけのものだったのか、と私自身は密かに残念に思っています。
なお、こうした単語の記憶が役に立たないという方もおられるかもしれませんが、私の恩師は、大学受験の際に、三省堂の辞書を丸暗記しました。単語から、三省堂の辞書の例文を暗唱します。彼は、ドイツとアメリカの大学院に留学して、言語学者になり、大学で教鞭を取るようになり、授業でその力を披露しました。
そうやって考えると、機械的記憶というものも大事だけれども、アプリ自体には、期待するほどに力はないように思うのです。脳自体が、暗記の対象に適応することで、記憶が保持できるものではないでしょうか。コツ以上に、その人の記憶する方法にはタイプがいくつかあるということも大事なのです。たかが、アプリを提供した所で、そのタイプに合った人のみが、それを効果があるという認識程度のものかもしれません。事実、嫌いなものをいくら覚えようとしても、なかなか覚えられません。上記のワタナベ式は、単なる関連付けや語呂合わせだけで、英単語を1万語も覚えられるとしていますが、単なる単語試験ぐらいで、英文すら読めず、他にはまったく役に立つとは思えないのです。
もちろん、この社会で、特に学生なら、何によらず、物事を強制的に覚えようとせずに、学生生活を過ごせるほど甘くはないと思います。知識があっての推理であり、思考だと思うのです。
一部では、英単語暗記の神ソフトと言われる「P-Study System」にしても、その単語リスト自体の出来・不出来によっても、変わってくるものです。そこのサイトの単語リスト・データは、古かったりあまり出来がよくありません。それは著作権問題があり、既存のものを使えないことも理由ですが、時には自分で作らなくてはならないこともあります。その上、多少なりとも、肝心のソフトウェアの使いこなしの慣れが必要です。その上、個人的な記憶力も依存し、私個人では、当初、5回で済んでいたものが、10年近く経つと、10回過ぎても覚えられなくなったのは、前のような安定的な生活がおくれないとか、脳自体の衰え自体も考慮しなければなりません。
>これが世の中に広まったら世間はどうなるのでしょうか。
どうぞ、広めてください。多くの人に、私は「P-Study System」を勧めましたが、ほとんど、使ってもらえなかった経験から、使える人だけのツールになってしまいました。個人的には海外のソフト(Ultimate Vocabulary)が良いと思っていますが、SAT,GRE,GMATなどが中心で、ほとんどの方は、力不足のはずです。
お礼
ありがとうございます! 年を取ると暗記には不利になってくるのですね。 覚える意味が大事というのは盲点でした。 ありがとうございました!