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高校化学のオゾンについての質問です
学校の教材に電子式の単元で『オゾンは、環状構造でないから、 配位結合と考えられる』と書いてあったのですが、 なぜそういえるのでしょう? 詳しく教えてくださいm(_ _)m
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オゾンの構造は2段階で考えることになります。 1.まず、鎖式構造か、環状構造か 実験では折れ曲がった鎖式構造が確認されているようです。 ウィキではO-Oの長さが0.128nm、∠O-O-O=116.8°の二等辺三角形です。 融点、沸点、結晶構造もわかっているということですからかなり安定な物質であるということになります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BE%E3%83%B3 2.この二等辺三角形型の物質の電子配置はどうなっているのだろうかというのが次の問題です。 これも二段階になっています。 ・最外殻の電子をすべて合わせて考えます。18個あります。 ・原子と原子の間にまず一対の電子を置きます。O:O:O ・残りの電子を各原子の周りの電子配置がオクテット則を満たしているように配分します。 ※多重結合を作っているか、孤立電子対を作っているかになります。 ・電子対1つを一本の線で置き換えます。 ・このようにして考えた構造が1つではないときはそれらの構造の重ね合わせが実際の構造であると考えます。その場合、重ね合わせのもとになった構造は「極限構造」と呼ばれています。極限構造を重ね合わせて得られる結果の構造と元の極限構造との関係を考えるときには「共鳴」という言葉を使います。 極限構造は O=O-O と O-O=O です。二等辺三角形ではありません。 でも電子配置で考える限りこれしかないのです。(これ以外の表現手段を私たちは持っていないと言ってもいいです。) 実際の構造との対応をつけたいときには2つの構造の重ね合わせを考えることになります。それが「共鳴」です。 単結合と二重結合の中間のような結合になっているだろうということでウィキの図の中で-の上に---を重ねて表しています。これで二等辺三角形が得られます。 OとOの距離(結合長)を調べてみました。 O3 0.128nm・・・・オゾン O2 0.121nm・・・・酸素 O2^2- 0.146nm・・・・過酸化物イオン[O-O]^2- 確かに長さは間に来ています。でもO2との違いがそれほど大きくはありませんね。 O2が純然たる二重結合ではないということを示唆しているようです。 ここにある手順は無機化学の教科書にルイス構造の書き方の規則として書かれているものです。配位結合という名前は出てきていません。しかし、オクテットを満たすようにO-O-Oに電子を割り振るというところを配位結合ではO=OにOをくっつけると考えているのですから結果として同じものになります。 高校の化学で電子配置を考えるときは極限構造を求めるという段階で打ち切っていると思います。共鳴はまた別の立場です。 ここでの共鳴は原子の配置は変わらずに電子の配置だけが変わっています。 有機では構造異性体の間での移り変わりも共鳴とされていることがあるように思います。 たとえば CH2=CH-OH と CH3CHO の移り変わりです。 でもこれは内容的にははっきりと別物です。CH2=CH-OHとCH3CHOの重ね合わせなんて考えようがありません。2つの物質の中間的なものができるのではありません。2つの物質が混ざって存在しているのです。原子の位置の変更が必要なものと電子の位置の変更だけで済むものとはエネルギーの内容に大きな違いがあります。 3.環状構造のオゾン 正三角形状のオゾン、あってもよさそうですね。 O3はC2H6と電子構造が同じです。 C3H6には鎖式構造と環状構造があります。 プロピレンとシクロプロパンです。 ウィキには「環状オゾン」という項があります。 鎖式オゾンの方が安定な理由の一つが共鳴安定化だろうと思います。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E7%8A%B6%E3%82%AA%E3%82%BE%E3%83%B3
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オゾンは酸素の同素体です。 オゾンの分子量を測ると酸素O2の1.5倍だったので、分子式はO3だということが分かりました。 酸素原子は結合の手を2本持ちますから、3個の酸素原子が三原子分子をつくっているなら、単純に考えれば、3個の酸素原子が輪になってつながっている構造であると予想されます。 このような環状構造であれば、三つの化学結合はどれも酸素と酸素の単結合なので、だいたい同じ長さになると考えられます。つまり分子は正三角形に近い形になると予想されます。 しかし、実験の結果、オゾン分子は平べったい二等辺三角形であることが分かりました。長いほうの酸素間距離は200pmを超える長さで、その間に酸素と酸素の単結合があるとはとても考えられませんでした。 このような平べったい二等辺三角形型の分子はふつう、折れ線型分子と呼ばれます。有名なのは水分子H2Oです。 水分子の場合は、中央の酸素原子が結合の手を2本、両端の水素原子が結合の手を1本ずつ持ちますから、H2Oの化学結合は H-O-H のように書けば、結合の手の過不足はありません。 それに対して、オゾン分子の場合は O-O-O と書くと、両端の酸素の結合の手が1本ずつしかありませんし O=O-O と書くと、中央の酸素の結合の手が1本多く、右端の酸素の結合の手は1本足りません。 こんな、結合の手の数がデタラメな分子が、酸素の同素体として安定にできるとは、ちょっと考えにくいですよね。 そこで、配位結合を考えます。 O=O→O 配位結合を考えることで、結合の手の数の問題が解決します。 詳しい説明は http://okwave.jp/qa/q1660735.html に良い解説がありますので、そちらを参照してください。 共鳴云々という話は、配位結合があっての話であることも分かると思います。 ということで、『オゾンは、(環状構造なら酸素の単結合で説明がつくけど)環状構造でないから、(酸素の単結合や二重結合を考えるだけでは、結合の手の数がデタラメになる。オゾンの結合は、二重結合と)配位結合(の共鳴で説明するのがよい)と考えられる』ということじゃないかと思います。
お礼
ベストアンサーに選びたかったのですが、 ちゃんと読まず、文字数で決めてしまいました ごめんなさいm(_ _)m 分かりやすさが凄いです 僕もこんな説明ができるようになりたいです
- ORUKA1951
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配位結合ではありません。 O=O-O⇔O∸O∸O⇔O-O=O の共鳴構造をもつ等価な結合です。 ⇒オゾン - Wikipedia( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BE%E3%83%B3 )
お礼
ありがとうございます
お礼
非常に細かい説明ありがとうございました。 少し電子の重ね合わせについては、えっ? と思ったのですが、よく分かりました。 高校の化学って不完全なんですねー こんなの学校で習わないですよ笑 ちゃんと説明してほしいです笑