トンボの眼は複眼で,片方の眼に数万個の眼球が集まって出来ていると,中学生の頃教わりました。
そして,眼が飛び出しているから,四方八方が見えるのだとも。トンボを羨ましく思ったものです。
大人になって知ったことですが,人の視覚は,網膜で感じた光の情報を,最終的には大脳の後方に位置する「視覚野」という神経細胞で整理し,認識するそうです。その段階では,以前に経験した事象などから,映像情報が可成りの修正を受けているのだとか。その為,「目の錯覚」が誘導されるとも言われています。それにしても,網膜からの映像情報は,精細なほどハッキリと事物が認識出来ます。
CCDカメラなど,画像のディジタル化と共に数百万,数千万画素のカメラも出来ているとか。
画素数が多いほど情報量は多いので,精細な画像が得られます。
人の網膜の感光神経は数十万とか,何かの本で読みました。トンボの眼は,複眼とは言え眼球(と呼べるかどうか疑問ですが)一個に付き神経一本ですから,画素数にすれば両眼でも数万程度。私が最初に手にしたデジカメの30万画素よりも数段劣ります。
トンボはおぼろげに周囲の事物を認識しますが,人間の眼はものの形を可成り明瞭に見分けます。さらに,顕微鏡を使えば,ミクロン単位の細部まで観察出来る能力があります。トンボに顕微鏡や望遠鏡を与えても,得られる情報量から,恐らく何の役にも立たないのではと思えます。
画素数は解像度を左右しますが,それが威力を示すのは拡大表示したときだけです。縮少印刷された画像では,画素数はほぼ意味を失います。
さて,近視や遠視の人は水晶体での焦点調節が困難な為,事物がぼやけて見えます。これでは,トンボの眼との違いが無くなってしまいます。でも人間は,レンズの力を借りてこれを修正することが出来ます。
人間は知力においても視覚神経(網膜の性能)においても,画像を処理する視覚野神経の能力においても,他の動物よりは格段に進化を遂げた生物だと分かります。
お礼
なるほど 詳しい解説ありがとうございました!