- ベストアンサー
差押さえ登記
この度、新規事業立上げのために店舗を借りようと思い、ある物件に申込をしました。契約時に支払う保証金が高額なため、念のため法務局で登記簿を調べたところ、貸主が税金を滞納しているらしく、甲区の欄に財務省からの差押さえ登記がついていました。この物件をこのまま借りてしまうと、借主にとってどんな不利益があるのでしょうか?詳しい方にご教授いただければと思います。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
その差押の登記は国税徴収法に基づくものと思われます。そうしますと、その差押の換価は「公売」と云いますが公売は実務上少ないです。 何故かと云いますと、一般的に、抵当権設定登記されている不動産が多く、公売しても売却代金から優先順位の抵当権者に配当され租税の回収が見込まれないからです。 租税と抵当権の順位は、抵当権設定時期と租税の法定納付期限の優劣で決まります。 (借金するとき=抵当権設定登記するとき納税証明が必要な理由はそのためです。) そのようなわけで、財務省からの差押があっても公売は、まず、考えられませんが、そのような不動産は今後抵当権実行による競売が考えられます。そうしますと、賃借権者は引渡命令で強制明渡が考えられます。 なお、民事執行法による競売は、今年の4月からの受付分から短期賃借権制度がなくなり一律(例外あり)6ヶ月間の猶予で強制執行されます。 また「旧借主に保証金の返還請求はできますか?」と云うことですが「借主」ではなく「貸主」と思われます。これは保証金の性質にもよりますが敷金的な保証金なら返還請求できますが事実上無資力のため回収は不能となる場合が大方です。
その他の回答 (2)
>仮に立ち退き要求があった場合、旧借主に保証金の返還請求はできますか? 請求は出来ますが、そういう場合は大抵破産しているわけですから、破産管財人より分け前をもらう話になります。なので全額帰ってくるかどうかは全くわからないわけです。この点もお勧めできないという理由になります。 >また差押さえの登記は抵当権登記よりも優先されるのでしょうか? 時期の関係で異なります。公租公課の期限(この期限もややこしくて詳細は忘れました)が抵当権設定よりも前だとすると差押が後であっても公租公課への返済が優先されます。 公租公課は免責もできないですから、他の債務(ご質問者の保証金も含む)が免責になっても税金はしっかり取られます。 より詳細を知りたい場合は司法書士などにお聞きすればよいかとおもいます。 では。
>借主にとってどんな不利益があるのでしょうか? 競売、売却となった場合、立ち退きを要求されてしまいます。 借地権よりも前に登記されていますから、原則として(契約によっては期限付き特例はありますがもうすぐその法律もなくなります)売却された場合の買主からの立ち退き要求を拒否できません。 金銭的に困窮していることが伺えますので、いつ立ち退き要求があるのかわからないので避けた方が無難でしょう。
補足
ご回答ありがとうございます。確か4/1より法改正だとおもいますが、私の場合、契約期間2年で3/25から借りようと思います。この場合、仮に立ち退き要求があった場合、旧借主に保証金の返還請求はできますか? また差押さえの登記は抵当権登記よりも優先されるのでしょうか?
お礼
ご回答ありがとうございました。 大変参考になりました。 また何かありましたらご教授下さい。