動物などを扱ったテレビ番組を見ていると、メスが「強い(健康な)オス」「賢いオス」「餌取のウマイオス」などを選択し続けた結果だと説明しています。当然のごとくに。
お書きの通り、派手な色を持つオスや、鳴き声が大きいオス、上手な歌を歌えるオス、木の枝でダンスをするオスなどは目立ちます。捕食者に襲われやすいのです。
例えば、餌取に時間を掛けなければならない(無能)なオスは、上手に歌を歌う練習ができませんから、歌を上手に歌えるというのは有能な証拠。
歌に集中していてほかに注意が至らないような(無能)なオスは、捕食者に食われる。
なのにそれをやって、生き残っているということは、それをカバーするだけの知恵があるだろう、私はそういうオスの子を産みたい、という具合の選別を、メスが延々とやってきた結果だというわけです。
オスを失ったメスライオンの群は、新しくオスを受け入れるのですが、オスは前夫の子を殺すのです。育てなければならない子供がいると、メスが発情しないので。
で、しょっちゅう入れ替わってもらっては困る(しょっちゅう殺される)ので、メスは、オスの強さを確認するための最終テストとして、候補のオスを隣の群のオス(を誘惑して)とわざわざ戦わせるそうです。
メスを守り切れたら群に受け入れるのですが、守り切れたかどうかは、戦いの間常に隣のオスと自分たちメスの「間」にいることができたかどうか、だそうです。
人間には隣オスに追っかけられている風に見えても、体がメスの側にあればOK。
受け入れられると、メスが取って来た獲物をメスに先んじて食べられるようになります(以上、NHKダーウィンが来た)。
鯨などは体型に違いはないように見えても、体格はやはり異なります。シャチなどの攻撃を考えると、やはり大きい方が生き残る上で優位でしょう。
また有名な、鯨のラブソングにウマイ・ヘタの違いがあるのかもしれません。
サカナは、多くの場合1対1で選択して交尾するわけではない(オスは1対1を望んで他のオスと闘争するが、受精の瞬間ほかのが滑り込んできて放精したりする)ので、メスによる選択というより、自然による選択で、流線型の美しい(速い)ものが生き残ったということかな。
まあ、理由はそれぞれにあり、それぞれに選別の基準があるのでしょうが、そんなふうにメスあるいは「自然」によって選別され続けた結果のようですね。
余談ですが、全身真っ白な孔雀がいるじゃないですか。ほとんど、メスにもてないそうです。もちろん、メスに選択肢がなければ別でしょうけど。