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法律の解釈論
法学の基礎についてお尋ねします。 たとえば憲法9条や89条などに対して、それぞれ様々な学説があると思いますが、それらの学説はどのような観点で議論しているのでしょうか。 A: そもそも、どのような趣旨で制定されたのか。(そもそも論) B: 現在の社会情勢の中では、どのように解釈すべきなのか。(後付けの理屈) C: その他
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”法律の解釈論” ↑ 例えば9条です。 自衛隊が必要だと考える人は合憲的に解釈し 不要だと考える人は違憲的に解釈します。 つまり、最初に結論があるのです。 9条でいえば、文言通りに解釈すれば、自衛隊は 違憲になってしまいます。 しかし、それでは世界情勢に合わない、自衛隊は 必要だ、という人は、合憲になるように解釈します。 当初は、9条で禁じているのは軍隊の保持だが、自衛隊は 軍隊ではない、故に自衛隊は合憲だ、としました。 しかし、世界屈指の軍事力を持つ自衛隊を軍隊ではない とするのはいかにも苦しく、説得力がありません。 それで、国には固有の自衛権がある。 自衛隊はその自衛権を守るための存在だから違憲では ない、と説明するようになりました。 しかし、固有の自衛権というのは正当防衛のような 場合を指しますので、これも説得力が無い訳です。 それで小泉首相などは、違憲だなどと本音を漏らして いるのです。 A: そもそも、どのような趣旨で制定されたのか。(そもそも論) ↑ 憲法9条でいえば、それは前文に書いてあります。 つまり、政府の行為によって再び戦争の惨禍が 起こらないようにするためです。 それで大丈夫なのか、ということも前文に規定されて います。 諸国民の、つまり中国や北朝鮮のような外国の公正と信義に信頼して、 日本の生存と安全を保持しようとしたのです。 以上は建前です。 本質は、日本が二度と米国に敵対できないように するのが、その目的で制定されたものです。 B: 現在の社会情勢の中では、どのように解釈すべきなのか。(後付けの理屈) ↑ 以前は、学者のほとんどは、自衛隊は違憲だとしていました。 しかし、その後の国際情勢において次第に変化してきております。 今では、違憲合法論という訳の分からない説まで 飛び出しています。 C: その他 ↑ 解釈論とか法学というのは、キリスト教神学に由来します。 まず聖書があります。 聖書通りにやると、現実社会と合わなくなります。 しかし聖書は絶対ですから動かせません。 現実も動かせません。 それで、聖書と現実を結ぶ理論を考える必要が出てきます。 これが解釈と言われるものです。 聖書ならぬ憲法には軍隊は保持しないと書いてある。 しかし、現実には軍隊は必要である。 それで解釈という理論操作を行うことによりつじつまを 合わせようとするのです。 その理論に説得力が無いと、自衛隊の合憲解釈のように なってしまうのです。
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