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アコースティックギターの疑問
- トップ材にはスプルースやシダーが適していると言われる理由や、音の変化についての疑問
- バック・サイド材が音に与える影響や、ネック材として人気なマホガニーについての理由についての疑問
- アコースティックギターとエレキギターの材の統一度合いについての理由
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質問者が選んだベストアンサー
>例えばトップにはスプルースやシダーという材が多く使われ、バック・サイドにはローズウッドやマホガニーが多く、ネックはマホガニーが多く使われている気がします。このようにギターの各部に応じて適した、あるいは人気な材があるのでしょうか。 ギターに限らず、世の中のものすべてに「適材適所」という原理が働いています。 トップ材は、弦からサドル→ブリッジに伝わった微振動を増幅させるという役割があり、硬い広葉樹よりも、適度な柔らかさ・しなやかさを持った、比較的目のつまった針葉樹が好ましいです。松系統のものと杉系統のものに大別されます。柔らかい一枚の板では弦の張力に耐え切れないので、トップの裏側には縦横に「力木」が貼り付けられて、補強とともに振動の分散が図られています。 バックやサイド材は、ギターのボディの構造を形作っているものですから、硬くて頑強な材が必要で、柔らかい針葉樹ではすぐに変形します。たいていは、トップのクリーム色と好対照となるこげ茶色のものが多いです。サイド・バック材は、音波を吸収せずに反射する性能を要求されるので、木目のつまった硬質の材でないといけません。特にローズウッドは色・木目とも美しいものが多く、人気がありますが、近年は原産国から輸入規制が掛かって入手困難になっています。 ネックは形状が複雑ですから、加工のしやすい材で、しかも永年の使用にも狂いの来ない材が好ましいです。マホガニーは木目が無い材なので、狂うことがほとんどありません。四季の無い産地の材には木目がありません。 指板に使われる材には、硬くて磨耗しない材としてエボニーやローズウッドが使われます。フレットを打ち込んだ場合に、しっかり食いつき、しかもその加工のときの圧力に対しても変形しない強固な材が選ばれます。 >エレキギターも同様なことが言えるのかも知れませんが、アコースティックギターほど統一されているようには思えませんが何か理由があるのでしょうか。分かりやすく質問できずすみません。 エレキギターの場合も、ネックや指板やボディ材は大体決まっていますが、弦の振動はマグネットコイルで増幅するので、ボディを形作る部材は一種類だけでよいのです。 (1)、トップ材にはスプルースやシダーが適していると言われる理由。 上記の通り、適度な柔らかさとしなやかさが必要なので、頑強な広葉樹は硬すぎて不向きです。 (2)、トップ材で音が変わるのとバック・サイド材で音が変わるというのは具体的にどう違うのか。 トップ材は、弦の振動を効率よく空気の振動に変換するのが役目で、バック&サイド材は、ボディ本体の構造体であるとともに、音波を強く反射する役目があります。 もし、トップ材が頑強で、弦の振動に対してビクともしなければ、ギターの音は正味弦の振動だけという貧相なものになり、さらに、この貧相な振動を、柔らかいバック&サイドが吸収してしまうとすれば、サウンドホールからは何も出て来なくなります。適材適所を間違うとほとんど音のしないギターになってしまいます。 (3)、ネック材としてマホガニーが人気な理由。 上記の通り、ネックは狂うと困ります。長期の使用でプロペラのようにねじれたり、そったりすると楽器とは言えないものになります。 木目のある材は、長期間寝させても狂いは避けられませんが、ようかんのように木目の無いマホガニーやラワン材は、あまり寝かさない材でも狂うことが少ないです。 (4)、エレキギターに比べてアコースティックギターのほうが材の統一がされがちな理由 エレキギターでも部材はだいたい統一されています。ギターの各部位に要求される性質は決まっているので、その目的用途に合うもので比較的安価なものが採用されています。
お礼
とても参考になりました。 ありがとうございます。