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敬語の正しい使い方「させて頂く」
近年、若者にとどまらず中年層も「させて頂く」という敬語を乱用しているように見受けられますが、この敬語はどの程度、適切な敬語なのでしょうか。 例えば、私がお世話になっている先生の著書を読んだときに、「私は先生の本を見ました」と言いたいとします。そうしたら、「私は先生の本を見させて頂きました」という言い方と、「私は先生の本を拝見致しました」という二通り、もしくはそれ以上の言い方が出来ると思います。 このどちらも敬語としては成り立っているとは思いますが、このような「させて頂く」の使い方の感覚としては、英語の関係代名詞における「that」のようなものなのでしょうか。wh-(拝見致します)とthat(させて頂く)のどちらでも使えるとき、両用できるthatをとりあえず使おうという感覚なのでしょうか。
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- 1311tobi
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「(さ)せていただく」の使い方。 キチンと書こうとすると長い話になります。お付き合いください。 まず「見させていただきました」と「拝見いたしました」に関しては、下記をご参照ください。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1296828067 結論だけ書くと、 「拝見しました」→「拝見いたしました」→「拝見させていただきました」の順で敬度が高くなると言えそうです。「敬度が高くなる」につれてクドくなるとも言えそうです。 本題の「(さ)せていただく」の適切な使い方は、個人差もあって一概には言えません。 文化庁の「敬語の指針」(P.40~41)を見ると、「ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い,イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる」と書いてあります。 一般(初級向け)にはこの説明でいいと思いますが、実はこれだけでは何もわかりません。 個人的には下記のように考えています。 よくある誤用32──敬語編2「~させていただく」(「~させていただきます」も同様) http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n132890 以下は一部の抜粋(重言)。 ●第1段階の説明(初級向け) 文化庁の「敬語の指針」のP.40~41に解説があります。 http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf 基本的には「ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い,イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる」とのこと。 ================================ 1)相手が所有している本をコピーするため,許可を求めるときの表現 「コピーを取らせていただけますか。」 2)研究発表会などにおける冒頭の表現 「それでは,発表させていただきます。」 3)店の休業を張り紙などで告知するときの表現 「本日,休業させていただきます。」 4)結婚式における祝辞の表現 「私は,新郎と3年間同じクラスで勉強させていただいた者です。」 5)自己紹介の表現 「私は,○○高校を卒業させていただきました。」 上記の例1)の場合は,ア),イ)の条件を満たしていると考えられるため,基本的な用法に合致していると判断できる。2)の例も同様だが,ア)の条件がない場合には,やや冗長な言い方になるため,「発表いたします。」の方が簡潔に感じられるようである。3)の例は,条件を満たしていると判断すれば適切だが,2)と同様に,ア)の条件がない場合には「休業いたします。」の方が良いと言えるだろう。4)の例は,ア)とイ)の両方の条件を満たしていないと感じる場合には,不適切だと判断される。5)の例も,同様である。ただし,4)については,結婚式が新郎や新婦を最大限に立てるべき場面であることを考え合わせれば許容されるという考え方もあり得る。5)については,「私は,卒業するのが困難だったところ,先生方の格別な御配慮によって何とか卒業させていただきました。ありがとうございました。」などという文脈であれば,必ずしも不適切だとは言えなくなる。 なお,ア),イ)の条件を実際には満たしていなくても,満たしているかのように見立てて使う用法があり,それが「…(さ)せていただく」の使用域を広げている。上記の2)~5)についても,このような用法の具体例としてとらえることもできる。その見立てをどの程度自然なものとして受け入れるかということが,その個人にとっての「…(さ)せていただく」に対する「許容度」を決めているのだと考えられる。 ================================ ●第2段階の説明(中級向け) 「敬語の指針」は一応の解説にはなっています。ただ元々の問題が微妙なんで、スッキリしない部分が残ります。 結局どうすればいいのかがわかりません。 よく見る解決策として、「~いたします」にすればいい、というのがあります。 そのとおりだと思います。↑の「敬語の指針」の例で言うなら、下記のようになります。 1)取る→? 2)発表する→発表いたします 3)休業する→休業いたします 4)勉強した→勉強いたしました 5)卒業した→卒業いたしました 2)~5)はこの形でOKでしょう。でも1)はどうしますか? 悪い例としてあげられることが多い「歌わせていただきます」場合はどうしますか? 結論としては、「~いたします」にできるものはそうすればいいことが多い、くらいでしょうか。「誤用」だとか「クドい」だとかメクジラを立てるのはどうかと思います。 ●第3段階の説明(上級向け) 敬語関連の名著と言われる『敬語再入門』に重要な記述があります。 下記の引用部だけではわかりにくいかもしれません。詳しくは同書をお読みください。 http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html ================引用開始 【引用部】 ところが、謙譲語IIの代表選手「──いたす」は、「──する」型(サ変)の動詞でなければ使えない、また、文末以外では使いにくい、という制約があります。つまり、先程の例なら「開発いたしました」と言えますが、「新製品を作りました」は、「──する」型動詞でないので「作りいたしました」と言えないし、「新製品を開発した業者です」も、文末ではないので「開発いたしました業者です」は不自然です。この「いたす」の守備範囲の不足を補うように「作らせていただきました」「開発させていただいた業者です」と言う、という面がありそうです。「守備範囲の広い謙譲語IIの形」を求める心理が潜在的にあって、そこに「させていただく」が入り込もうとしているのです。(P.196) つまりそのなんだ。こういうのを読んでしまうと、「プチ発見」のはずが単なる勉強不足になるってことだ(泣)。 ================引用終了 【参考資料】 突然ですが問題です【日本語編10】──「~させていただく」【解答編】 http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1286.html
- ゆのじ(@u-jk49)
- ベストアンサー率30% (1233/4073)
著作物を見たは失礼。先生の書物であれば、見る(眺める)のではなく熟読すべし。それが師に対する礼儀、で、「拝読」とするのが通常のマナー。
- 佐藤 志緒(@g4330)
- ベストアンサー率18% (840/4653)
「させて頂く」とは相手の了解を得るときの言葉です。 だから「ご一緒させていただけますか?」と使うもの 相手の許可を得ずに勝手に本を読んだ後で「私は先生の本を見させて頂きました」とは無礼千万 許可が必要だと思ってるなら事前に得るべきでしょ。 正しい言い回しは 私は先生の本を見せて頂きました 私は先生の本を拝見致しました
お礼
言葉足らず、失礼いたしました。 例文は、先生が出版している著書を読み、感想を告げるときの導入としての言葉の例でした。 >「させて頂く」とは相手の了解を得るときの言葉です。 > だから「ご一緒させていただけますか?」と使うもの 非常に勉強になりました。 確かにこの手法以外の使い方を見たり聞いたりしたときに、違和感を感じます。 回答ありがとうございます。