儲からない、という話は聞いたことがありませんが、一つの言い方としては言えたと思います。
まず、米屋の場合
飢饉などのときなど、仕入れ値が高くなったり、手に入らないので少量扱いになります。
米屋は米屋で一定の額の利益を得なければ生活できないわけですが、少量を同じ利幅で売っていたら同じ額の利益を確保できないので、高く売ろうとします(薄利多売の反対)。
しかし米は主食ですので、庶民の暴動を恐れる為政者はそんな事情などおかまいなしに、米の売値を抑えようとしました。
いまでも同じ。
アパートの建築でも備品の修理でも、なんでもかんでも消費税をかけておいて、アパートの家賃だけは「消費税を取ってはいけない!」という理不尽なことを強制するのです(大家は払った消費税をどうやって回収するのでしょう)。
で、為政者は善政を施したような気になる。1000年経っても進歩しない思考回路。
しかし、そういう政策を強制される側は、儲かっている気がしない。
今と違って、飢饉や不作はしょっちゅうある時代ですので、米屋は儲からないと言われたのでしょうね。
版元(出版会社)は、著者ほどではないですが、ご禁制や風紀を乱す出版物を出したとして捕まるリスクがありました。
また、重要な物や流行した本には写本が多数出回ったようです。
とくに、辞典類など、手間のかかる高額な本ほど、暇な武士が写本をつくって売るのを半商売にしていたようです。
勝海舟なども若い頃、勉強しながら写本を2部作り、1部を売却して生活の糧にするようなことを小説ですが書いてありました。
著作権など考えられない時代ですから、しかたない。
ということですので、売れると思って良心的な価格設定をして発行した零細版元には、採算割れして倒産したようなケースもあったのではないでしょうか。
それが広まったということは考えられます。
ただ、大きな版元は浮世絵などで大当たりすることもありましたし、江戸には各家庭を回る「貸本屋」がたくさんいて、何十軒(百軒近く)とかのお得意様を掴むと暮らしていけたと書いた本を読んだことがありましたから、「本屋」業界全体で儲からなかったかどうかは、疑問だと思います。
お礼
ありがとうございます