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堺の包丁について
堺の包丁は色々ブランドが異なっていても、全く同じ形状をしたものを よく見かけるのですが、これは各々同じ型を使用しているということでしょうか? それとも製造工場自体同じで刻印が異なる同一のものですか? ご存知の方お願い致します
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刃物と言う業界・商品は他の分野と違います。 刃物の良し悪しは、ブランドや価格では決められないのです。ハンドバッグなんて、その製品の良し悪しと価格は比例していませんよね。その対極にあるのが刃物なのです。 最終的な決定権を持っているのは今でも刃物店なのです。これは昔からそうでした。 一般的な家庭用庖丁(特に和庖丁)は、次のような工程で作られています。 鋼材メーカー(日立金属とか武生特殊製鋼所)が鋼材 →鍛冶屋で形を作る。 →砥師で形が作られる これに「銘を打つ」、そして別途発注した「箱」・「柄」と組み合わせて最終的な研ぎや包装をして出来上がります。 刃物店は、そのすべてに関わるのが通常です。鋼材の指定・鍛冶職人の指定・砥師の指定・箱の指定・銘の指定・柄の種類。これらのすべてから一部を代行する業者もあります。結果的に最終的な決定権は、価格と性能、砥やすさ、寿命、刃研ぎのしやすさ、など直接使用者との接点である刃物店にあります。他の金物店とかとはまったく違う世界です。 家庭用で最も多いのは日立金属の鋼材でしょう。関東以西では、それを高知県の鍛冶で形を作られ、堺で仕上げをされて全国に流通します。力のない、目利きができない店は、他店--ブランド--の刃物をそのまま仕入れて販売することになります。いわゆる著名なブランドはこれに当たります。そのため極めて高価にならざるを得ません。 製品→刃物店 製品→刃物店→卸業者(複数)→金物店/みやげ物店/百貨店など小売店 ---となります。 実際のところ、様々な種類があって 「製造工場自体同じで刻印が異なる同一のものですか?」 には、一概に答えることは不可能なのです。 洋庖丁と呼ばれるタイプは、すこし事情が異なっていて一部の高級品は別にして、その多くは関市で作られています。製造メーカーは近年集約されていてそんなに多くあるわけではありません。ただ、基本的な素材の選定・柄の選定・銘などは刃物店(取次ぎ店)の希望によって製造されています。ここでは、ブランドは刃物店(取次ぎ店)で決められることも多いですが、工場自身のものが使われる比率は高くなります。
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- MichiyaS
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堺は和包丁が得意な産地です。 ほとんどの和包丁は型抜きではなく鋼材をハンマーで叩き伸ばして造ります。 鋼材を叩き伸ばしたり軟鉄と鍛接したりして大まかな形を作り、焼入れして硬度を出すのが鍛冶屋さん。 鍛冶屋さんが作ったおおまかな形の包丁を研いで製品の形にまで持っていくのが研ぎ屋さん。 柄を作る専門の柄屋さん。 包丁に柄をすげるのは、問屋さんや販売店が多いようです。 プロ用の和包丁は最終的な刃付けをしていない場合が多く、小売店が最終的な刃付けをしてくれる場合もあります。 ではブランドはどうなっているか。 鍛冶屋さん個人(または工場)の銘が入れられているもの、研ぎ屋さんの銘が入れられているもの、問屋さんの銘が入れられているもの、小売店の銘が入れられているものなど様々です。 同じ鍛冶屋さんが作った物でもいろいろな銘で売られているわけです。 同じ鍛冶屋さんが作っている同じ形状の包丁でも、鋼材や製造方法によっていろんなグレードがあります。 そして同じ鍛冶屋さんが作った同じ物でも、研ぎ屋さんによって品質が変わるし、柄の種類によって値段も変わります。 それぞれに応じて銘が変わったりするのです。 四国や九州や北陸などにも和包丁造りが盛んな地域はありますが、鍛冶屋さんが火造りから研ぎまで一貫生産しているところがほとんどのようです。柄だけは専門業者が作っていて、小売店が柄付けをする場合はあるようですが。 ブランドは、エンドユーザーに対して誰がその商品の品質に責任を持つかということを表している、と私は理解しています。
- MIKI-PAPA
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境の包丁については知りませんが、包丁の製造工場は同じであっても、商品名・刻印・デザインなどを変えて自社名で販売されることは良くあることです。 例えば「スズキ自動車」が製造した軽四を、「日産自動車」や「マツダ」がそれぞれの「自社マ-ク」で売り出したり、「ダイハツ」の工場で製造した車を「トヨタ」が自社マ-クで販売しています。(これを「OEMと云います」) なぜそんな事が行われるのか、といえば製造する工場が「大量生産」をする事により、「コスト」を大きく下げる事が出来るからです。中にはこのOEMを絶対の秘密にしたり、包丁で云えば、刃物の「柄」のみを変えて自社名をつけたりする事は常識で、消費者は、大量生産・高品質の商品を低価格で入手出来る訳ですから、別に悪い訳ではありません。