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有機化学の命名法について
1-ethyl-2,5-dimethylbenzeneという答があったのですが、 2-ethyl-1,4-dimethylbenzeneじゃダメなんですか? あと、2-methyl-4-phenylbutaneと答があったのですが、 3-methyl-1-phenylbutaneじゃだめなのでしょうか? 番号の付け方って合計数が少なくなる以外に優先するのありますか?
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- rei00
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すみませんが,その問題と答えはどういった所にあったものでしょうか? IUPAC のルールから考えると poticcho さんがお書きの方が正しい様に思います。以下,「有機化学・生化学命名法」(南江堂,1980年)(IUPAC 有機化学命名法委員会が発行した「有機化学命名法 確定規則 第4版1979」の訳本です)に基づいて回答いたします。 と言っても,詳細は命名法の本を御覧いただくとして,今問題となっている番号の付け方に絞ります。 > 1-ethyl-2,5-dimethylbenzeneという答があったのですが、 > 2-ethyl-1,4-dimethylbenzeneじゃダメなんですか? 【規則 A-2.2】 最長の《炭素原子》鎖の一端から他端へと《炭素原子に》アラビア数字で番号を付けていくが,その際,側鎖《の出ている炭素原子》になるだけ小さい番号が付くほうの端から付け始める。位置番号の個数が同じである系列が二つ以上あれば,《各系列の中で位置番号を小さい順に配列しておいて,系列相互間で》位置番号を一つずつ比較していって,系列間に最初の差異があらわれたとき,一番小さい番号であった系列が位置番号が最小である。どういう置換基であるかを問わず,この原則を適用する。 【規則 A-12.3】 《ベンゼン》二置換体の置換位置を 1,2-, 1,3-, 1,4- の代わりにそれぞれ o-, m-, p- で示すとき以外は,置換基の位置は番号で示す。できるだけ小さい番号を置換基《の位置》に付けるようにし,これだけで決定できないときは,適用できる範囲内で規則 A-2 に準じて決める。 IUPAC ですので厳密に書かれていますが,簡単に言えばお書きの『合計数が少なくなる』様にするって事です。そして,『どういう置換基であるかを問わず,この原則を適用する。』ですので,これが最優先です。これでも同じになる場合の規則もありますが,そちらは命名法の本を御覧下さい。 お書きのもので言えば,1-ethyl-2,5-dimethylbenzene の位置番号は「1, 2, 5」で 2-ethyl-1,4-dimethylbenzene の位置番号は「1, 2, 4」です。「1, 2」は両者で共通ですが,その次は前者が「5」で後者が「4」と後者の方が小さくなっています。したがって,後者の位置番号が最小となり IUPAC 名は「2-ethyl-1,4-dimethylbenzene」となります。つまり,あなたの答えです。(^.^) > あと、2-methyl-4-phenylbutaneと答があったのですが、 > 3-methyl-1-phenylbutaneじゃだめなのでしょうか? 【規則 A-61.2】 一般に認められている慣用名がない炭化水素は,(1) 脂肪族鎖を表わす基名を環式炭化水素名に冠する。あるいは (2) 環式炭化水素の基名を脂肪族化合物名に冠して名称とする。このいずれによるかは次の原則によくあうほうによる。(a) 一つの構成単位に置換基ができるだけ多く結合しているようにする。(b) 小さい構成単位は大きい構成単位の置換基として扱う。 今の場合は構成単位は「methylbutyl」と「phenyl」でどちらが大きいか(小さいか)は判断が難しいと思いますので,(a) の原則に従って命名するのが妥当に思えます。すると,「methyl と phenyl 置換基に持つ butane」となりますので,「●-methyl-▼-phenylbutane」です。これに前述の【規則 A-2.2】を適用すると「3-methyl-1-phenylbutane」になります。つまり,あなたの答えです。(^.^) なお,(b) の原則に従って命名すると「(3-methylbutyl)benzene」になります。これも間違いという事ではありません。
No.2です。 下の<実例>で主たる炭素鎖に割り振る数字がずれてしまっているので訂正致します。 主たる基であるカルボキシル基は、その中に炭素を持っていますので、-COOHのCを1とします。 あとは順に2,3,4,…と番号を振るだけです。 大変失礼致しました。
簡単に命名法の基本ルールを書いておきますので参考にして下さい。 (1)主たる基を一つ決める。 官能基が複数ある場合は次の優先順位に従う。 カルボキシル基>エステル基>酸アミド基>アルデヒド基>ケトン基>水酸基>アミノ基>エーテル基 つまり、酸化の進んだ順です。 アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基は主たる基とはしません。 (2)主たる基を含む最長の炭素鎖を主鎖とする。 主たる基がなければ、単に最長の炭素鎖が主鎖となります。 (3)「その他の基+主鎖+主たる官能基」と命名する。 主たる基の付け根の炭素を1として主鎖に順に番号を付け、その他の基の位置を示す。 主たる基が炭素を含む基なら、その基の炭素を1とします。 (4)その他の基(置換基)が複数であれば、アルファベット順に並べる。 (5)同一の置換基を複数もつ場合は接頭語を用いる。 <倍数接頭語> 単置換基:di-,tri-,tetra-,…… (1,2-ethamediol、triethylamineなど) 複合基:bis-,tris-,tetrakis-,…… (2,7-bis(phenylazo)-1-naphtholなど) 環:bi-,ter-,quater-,…… (biphenylなど) *複合基…置換基の中にさらに別の置換基を持つもの。 *これらの倍数接頭語は置換基をアルファベット順に並べる際には考慮しない。 また、分枝を表す接頭語(sec-,tert-)も考慮に入れないが、 isoやneoは基名の一部とみなすため、アルファベット順に並べる際に考慮する。 <実例> 4 3 2 1 C2H5-CH-CH2-CH-COOH | | CH3 OH 主たる基:カルボキシル基(カルボン酸) 主鎖:炭素6個(カルボキシル基の炭素を含む) その他の基:メチル基、水酸基 →2-hydroxy-4-methylhexanoic acid poticchoさんは、上記の(4)で躓いていますね。 有機化学のテキストには大概、命名法の記載があるはずです。 実際にご自分で名前を付けてみたりして慣れて行きましょう。 頑張って下さいね。
- martian
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置換する基によって決まる場合の位置の表し方の規則は、(1)主官能基(2)二重結合(3)三重結合(4)接頭語で表す置換基の順に、優先的に番号が小さくなるようにします。幾通りもの番号の付け方がある時は、番号の付け方で差が出る最初の数字が小さくなるようにします。 これで答になっていますか?
補足
問題はどちらも、マクマリー有機化学概説第4版にのっていました。 1-ethyl-2,5-dimethylbenzeneは、問題はP162問題5・11(b)で、答はP590です。 2-methyl-4-phenylbutaneは問題はp154問題5・4(b)です。 これの答はマクマリーにはisobutylbenzeneとしてものっているのですが、授業で先生が配布したプリント中にこの答がありました。 マクマリーの解説本のコピーなのか、先生が自分で作ったプリントなのかは定かではありません。