ダイオードの速度というのは大きく分けて二つの要因から決まるのですが、一つは#1の方が言われている接合面での静電容量の問題です。ダイオードは逆方向に電圧をかけた際には、接合面の空乏層を絶縁層としたコンデンサーを形成することは理解できるかと思いますが、ダイオードに印加する電流の周波数が高くなるとコンデンサーとしての特性が出てきて、逆方向ににも電流が流れ出すようになります。スイッチング用などで高い周波数での使用が要求されるものでは、コンデンサとしての働きをできるだけ抑えるように設計されます。もう一つの要因は、逆方向から順方向に電流の向きが変ったときに、キャリアが向きを変えて移動するまでにも有る程度の時間が掛かるため、高周波になるに従って順方向の電流がへる傾向になります。この二つの相乗効果で、電源整流用などの低速のダイオードに高周波をかけると、ダイオードしての動作が期待できなくなってしまうのです。電源用でもスイッチング電源用などで高い応答速度が必要な場合はショットキーダイオードなどの、高速度での動作が可能なものを使用しますが、このような用途に通常の整流用ダイオードを使うとまともに動作しなくなります。
質問に有るノイズを通しやすくなる・・・の件は、整流用のダイオードでは応答速度が遅く、高い周波数成分のノイズに対してはダイオードとしての働きではなく、高いインピーダンスを持った抵抗としての動作に近似となるためでしょう。
まぁ、ダイオードの動作速度というのは正しくダイオードとして機能できる周波数ということですね。その周波数を超えてしまうと逆方向の電流が増え始め、順方向の電流は減り始めるということです。他の部品でもそうですが、コンデンサーはコイルと抵抗の成分を持ち、抵抗はコイルの成分を持つものが多いようにダイオードはコンデンサーとしても働いてしまうということです。この特性を積極的に利用したものに、バリキャップというう素子があります。これは逆方向にバイアスをかけておきコンデンサとして使い、バイアスに信号を重担することにより、信号の変化に応じて容量の変化するコンデンサーとして働き、FM変調をかける際などに利用されます。