三つの相、および相互の相変化、熱と温度を正確に理解していないと説明できませんね。相変化に限らず、理解していたら、どんな現象も子供に説明できるはずといつも自問自答しています。
まず、子供に水について、きちんと理解してもらうことが必要です。普段、あるいは実際に試してみて試してみて理解することが必須です。口先だけじゃダメです。
・氷も液体の水も水蒸気もすべて水と言う物質の別の状態であること。
氷が解けて液体になること。冷凍室の氷がいつの間にか角が取れて丸く小さくなっていくこと。
・沸騰しているヤカンの口先に透明な部分があること--これが水蒸気であり、白く煙っている部分は水滴だと言うこと。--氷を入れた金属コップを当てると水滴ができること。氷がとても速く解けること。
言い換えれば、周囲の空気中にも水蒸気があること。
そのうえで、次のように説明しています。
1) 男の子の集団--クラスの15人くらいを思い浮かばせる。--が、柵に囲まれたグランドにいるとします。
2) 彼らは走り回るために元気の素(熱)が必要
3) 子供は寒い(元気の元が少ない)と走りまわらず身を寄せ合って縮こまって座っています。
すこし元気の元が増えると立ち上がって「おしくらまんじゅう」状態になります。
さらに元気の元が増えると、塊から飛び出して走り始めます。
---そのとき、柵は同じ力で外から押していると考える----
4) 全員が持っている「元気の素」の総量=一人当たりの平均×人数=は決まっているが一人ひとりが持っている量には大きなばらつきがある。【重要】
5) グランドに飛び出すだけの「元気の素」を持っているやつもたまには現れる。
そいつは、多くが座っているときもグラウンドに飛び出す。その分、みんなの量は少なくなっている
6) 全体の「元気の素」が増えてくると、座っているものの数が減り、立ち上がってオシクラマンジュウするものも増える。もちろん飛び出すやつも増える。しかし、それぞれの境界では、常に出入りがある。
固相⇔液相 固相⇔気相 液相⇔気相
7) それぞれ衝突しながら「元気の素」を交換し合っているので、周囲にぶつかる力の平均(温度)は決まってしまう。全体の「元気の素」の量により、座っている物の数はだんだんと減少するが温度は変わらない。=「元気の素」が、動き回るほうに使われる。
8) 座っているものがゼロになると、加えられた「元気の素」は壁にぶつかる力にそのまま変わって温度が上がる。
9) 全員が走り回れるだけの「元気の素」が加わると、もはや集まることはできない。最後には押し付けられた壁を押しのけて広がり始める--沸点
大事なことは、最初の観察で、固体でも液体でも気化していること。うごきまわっている子供の量が増えると、『そこから座ったり、オシクラマンジュウする』数が増えて、ある一定の比率で固定されてしまう。
ところが、飛び出した子を取り除いてやると、出て行くこの数は変わらないので、どんどん少なくなっていく。
氷が小さくなること。冬でも洗濯物が乾くこと--時間はかかるけど---、浴室を締め切ってしまうと、温度が高くても乾かないこと。水蒸気が冷たいものに当たると液体になり、その分相手が暖められること。汗をかいて扇風機の前に立つと冷たいこと・・・これらが説明できると良いでしょう。
口先だけじゃダメですよ。必ず実験と共に体感させること。自分たちの体験が説明できること。