「メインバンク制」という公定、公式なものがあるわけではありません。
勝手に、銀行が「当行をメインバンクにしてください」と言い、事業家のほうで、「この銀行をメインバンクにしよう」と思っているだけです。
とりあえず、企業Aがあり、「我が行がAのメインバンクだ」と自覚している銀行Bがあり、そのほかにもC、Dという銀行とも取引している場合、以下のようなことが行われています。
(1)Aが事業するにあたり、一番相談するのはB。経営に一番口を出すのもB(CDは口を出さない)。一番お金を貸すのもB。
合併や営業内容の変更なども、メインバンク主導で行われることが多い。
(2)Aが大規模な資金を必要とする場合、CDにも呼びかけてシンジケートを組んで資金を貸すのはB。
(3)Aが倒産しかけると、率先して、一番多額の債権を放棄してAの救済を図るのもB。
(4)もうダメだ、とAに引導を渡すはB。
CDが「AのメインバンクはBだ」「まずBが債権放棄するべきだ」と思っていても、Bにその自覚がなければ成立しませんね。