「どちらが良い」かは目的や加熱の仕方によって変わります。
「煮沸」というと、沸騰するということでしょう。沸騰で泡が壊れるとき、微小な液滴とともに溶質が飛散します。浅い鍋なら、これが損失になります。すこしぐらい損失があっても構わないが、速く濃縮したいということであれば、熱の吸収もいいし、蒸発面積も大きいので、底面積の大きい浅い鍋でいいでしょう。
逆に、溶質の損失があっては困る場合は、深い鍋を使うことになるでしょう。沸騰までさせないなら浅い鍋でいいでしょうが。
一般に工業的に蒸発濃縮に使われる蒸発釜などは、飛沫の飛散、同伴による溶質の損失を防ぐため(他の理由もあるが)に、
浅い釜、鍋はあまり使っていないようです。深い鍋に目いっぱい入れることなく、液面を低くしての操作です。