- 締切済み
対流ボルタンメトリーについて
お世話になります。 燃料電池関係で、情報を集めています。 触媒の評価で対流ボルタンメトリーが行われるとありました。 なぜ、電極を回して評価するのでしょうか。 燃料電池の機構に照らし合わせてよくわかりません。 教えてください。 よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- c80s3xxx
- ベストアンサー率49% (1634/3294)
回答No.1
燃料電池だからどうのという話ではありません. そもそも電極反応は電極の表面でしかおこりません. したがって,その過程には電極表面までの反応物の輸送過程が問題になる場合があるのです. 物質輸送については,溶液が静止している場合,電気化学系での基本的な駆動力は拡散だけです. ところが拡散はかなり遅い過程なので,電極上での電荷移動速度がちょっと速くなると,全反応速度が拡散過程に律速される用になり,電極の特性を測っているのか,溶液中での拡散特性を測っているのかわからなくなります.拡散速度は濃度勾配に支配されるため,濃度勾配の経時変化にしたがって拡散速度,ひいては電流も経時変化します.サイクリックボルタンメトリやポテンシャルステップクロノアンペロメトリで電流が減衰する理由です. 対流ボルタンメトリは,強制対流を作ることで,反応物の輸送を促進する手法です. ある条件下で電極を回転させると,電極表面に薄く形成される淀み層 (stagnant layer) の外側は,常にバルク溶液が十分に供給されるという状況にでき,拡散による物質輸送を考慮する範囲を淀み層内だけに限定できます.そして,回転速度,つまり対流の強さによって,この厚みは制御でき,かつ,流体力学に基づいて,回転条件 (と溶液物性) から淀み層厚は計算可能です.これによって,拡散の状況を任意に制御した状態を作ることができ,時間によらない定常状態での測定が可能になります.