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肩で背負う?
最近、「〇〇を両肩に背負って」という表現を見て、肩で背負うという表現に違和感を覚えました(〇〇には具体的は物であったり、抽象的な重さであったりしますが)。 たぶん今まで何度か耳にし、耳にしている分には聞き流していたと思うのですが、目にしたらどうにも落ち着きません。 この表現はわりと新しく市民権を得たものでしょうか。(市民権を得た、としましたが、本当に市民権をえているものでしょうか?)それとも、明治・大正・昭和初期のあたりからあったものでしょうか。ちなみに「慣用句」辞典や国語辞典では見つけられませんでした。
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「肩」を動詞化した語「担(かた)げる」は、もはや古風表現と化して、今は「肩に載せる」や「肩に担(かつ)ぐ」また「肩に担(にな)う」といった表現になっています。 一方、「背負(せお)う」は、「背中に負う/負ぶう」「背中に載せる」ですが、広く「背に腹は替えられない」のように単純に「背後(back)」に「負う」場合も、襷(たすき)紐などで「負ぶう」といった言い方もあります。 ですから、「〇〇を両肩に背負って」という言い方があるとすれば、次のような条件ではないでしょうか。 1) 背負い用具を使う場合 その相手が子供なら「負ぶう」ことであり、それが物であれば襷やリュック紐また肩掛けスリングなどの用具類を使ってズリ落ちないように肩にも掛けて担う形での「背中に負う」姿に思われます。 そのような肩にも掛る姿を前提での、例えば「背負(しょ)い込む」という言い方ならば「肩に背負(しょ)い込む」と使えますし、あるいはまた「双肩に背負(しょ)って立つ」とも使えるでしょう。 2)肩でも担(かつ)ぐほど大きなものを背負う場合 横光利一「日輪」(1924年)の文中に「鹿の角を肩に背負って這入って来た。」とあります。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000168/files/4252_35181.html このように腰から肩・首までの背中すべてを使うような例では不自然ではないでしょう。 「残酷なむち打ちのため多量の血を失ったキリストにとって、この七十キロの十字架を肩に背負って歩かねばならぬのは…」 http://kawazoeeiichi.cocolog-nifty.com/nikki/2007/11/post_9d9f.html
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- marisuka
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市民権を得た、得ていない以前に、私は別に違和感はありません。 その理由ですが、 では、両肩だけで荷物を持つことは簡単でしょうか。背中にはつけずにですよ。 また、背中だけで荷物を背負うことは? 両肩を使わずにですよ。 どちらもかなりムリっぽくないですか。 背中に乗せることと、その時に肩を使うことは、きっとセットなんでしょう。 だからこういう表現をしても、簡単にその様子がイメージできます。 だから私としては、違和感は感じません。 物体でない「責任」とか「期待」とかなら、どちらか片方でもいいと見えて、 「責任を双肩に担う」「期待を一身に背負う」と言えるようです。
お礼
ありがとうございます。おっしゃるとおりかもしれません。 ただ、背負うことと負うことは実際の行為は同じでも、表現自体は違っています。なぜ負うで足りることにわざわざ背をつけたものにさらに肩を加えるのか、肩「から」背負うのではなく肩「に」背負うのか、疑問は居座っています。 片方でもいいのか、片方がいいのかも、一考したいと思いました。 興味はつきません。ありがとうございます。
- SPS700
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「背負う」には、既に重さがかかっている身体部分、すなわち「背」という情報が入っています。ですからその上に「肩で」という別の身体部分が重なると、僕も変だと思います。 「肩で」というのは、大道を闊歩する時「風を切る」場所で、物を背負うところではないと思います。「慣用句」辞典や国語辞典では見つけられなかったのは当然だと思います。
お礼
ありがとうございます。 同じように思う方がいらっしゃると、ほっとするように感じました。
- M_Sato
- ベストアンサー率54% (550/1003)
確かに「『肩』で『背』負う」は、字面からみるとへんですね。でも、この場合の「背負う」は右肩~背中~左肩までの広い範囲をさしているのだと思います。 「背負う」は「せおう」と「しょう」の二つの読み方があり、口語では主に後者が使われます。 「肩に背負う」の文例は少ないですが、あります。 「肩に重荷をしょいこんで(背負いこんで)いるようなものだ」(星新一『たくさんのタブー』) ――小内一『究極版 逆引き頭引き日本語辞典』(講談社+α文庫)より 「一時間もたつと、肩に背負った銃が体にくい込み、岩のように重く感じられた」 ――『国語基本用例辞典』(教育社、1986年刊)より…国語の教科書から採録された文例です 「両肩に背負う」の類似の表現としては「双肩に担う」という言い方もあります。
お礼
「背負う」の背は方も含む、ということですね。ありがとうございます。 「双肩に担う」は素敵な表現だと思います。
お礼
ありがとうございます。 ここまでのお答えを順に読ませていただき、だんだんと見えてきたように思います。 特に、十字架の例からは啓示を受けたようにも思います。 背負うは多くの場合肩もつかう。そして、その重さとか圧力とか、そういったものが肩に食い込んでことさら肩が意識された状態になった場合、それを強調する意味で「肩」が使われる。 大きな回答をいただきました。ありがとうございます。