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こんにちわ、経済に関して疑問があります。
こんにちわ、経済に関して疑問があります。 なぜ円よりも価値が低い発展途上国内に日本企業が製造工場を建て現地販売をして「円よりも価値が低い外貨」を稼ぐのでしょうか? 私としては、現地販売せずに製造コスト(人件費)が浮いたメリットを生かして日本で販売した方が良いように思えます。 なぜでしょうか?
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補足を受けて再回答します。 >「弱い通貨の国でビジネス(現地販売)する企業とはかなりの少数派」 >「弱い通貨の国で現地販売するのは、将来的な見通しがあるという曖昧な論拠だけで海外市場開発ができるだけの経営状況・資金面の余力がある超大企業がほとんど」 そうではありません。 弱い通貨の国といいますが、基本的に今は日本円以外の通貨は全て日本円より弱いです。中国の人民元は今最も勢いのある通貨で特に東南アジアでは絶大な存在感を示す通貨となりましたが、全世界的な視野に立つと流通量や信頼性の点から基軸通貨になれず、通貨としての信用は世界的には日本円よりも弱いままです。 資源国の通貨は今非常に強いですが、これも輸出先の国(主に中国)の景気に依存したものでしかなく、資源国政府は自国経済のバブル化を防ぐために金利を上げるなどして自国景気の過熱を警戒しています。つまり、自国通貨が自国経済の実力以上に買われて暴騰するのを防ごうとしているわけで、すなわち現状ですら「自国の通貨が既に本来の強さ以上に評価されてしまっている(自分たちの通貨は本来そんなに強くない)。」と考えているわけです。 そういう点を考えると、「通貨の弱い国」はほとんど全ての国が該当してしまいます。 そもそも「通貨の弱い国」という基準自体が曖昧なままなので、ここで「あなたの考えは正しい/間違っている」ということは言いかねます。 通貨が強い/弱いを基準に経済を見るのは、やめたほうが良いでしょう。通貨の強い/弱いは一時的・局地的な数値上の現象でしかなく、経済の本質を示すような指標ではありません。ここで質問しなければならない程度の半端な知識しかないのに、うわべの数値だけで物事を評価しようとしても決して上手くはいきません。回答している私自身、半端な知識しか持ち合わせていないのです。 今、海外に進出しようとしている企業のほとんどは「海外に進出しないと生き残れない」という切羽詰った危機感があるからです。海外で売ればいいだけなら国内生産して輸出するという方法もあり、これだと販売ルートを構築するだけで済みます(実際にそれだけで済ませている企業もあります)。しかし、今海外に進出しようとしている企業の多くは生産拠点も海外に作ったり移転したりしています。 何故、生産拠点まで海外に進出しないと生き残れないかというと、海外に生産拠点を移して生産コストや輸出の際のコスト(輸送費や関税)を圧縮しないと海外市場での価格競争に勝てないからです。 ここに、通貨の強い弱いは一切関係ありません。人件費が安いというだけでもありません。人件費が安くても労働力の質が悪ければ不良品ばかりが出来てしまい、結果的に生産コストが下がらない可能性だってあるからです。 良質の労働力が安定的に手に入ること、賃金等人件費が安く済むこと、生産工場を稼動させるために必要なインフラ(電力や水道等)の状態、市場までの距離や輸送コスト、現地から市場に製品を輸出する場合の関税、現地の治安状況や政治的安定性や衛生状態、現地政府や地方自治体の優遇政策・・・それら全てを検討し、得られる利益と必要なコストや有形無形の財産が失われるリスク等を比較した結果、進出するかどうかを決めるのです。 日本企業の場合、リスクを過大気味に評価して冒険を冒さないようにする傾向が強いです。海外進出はリスクが高く、本来ならやりたくないのが多くの日本人経営者達の本音です。将来市場化できるかもしれないという曖昧な判断で進出している企業は、まずありません。それは「曖昧な判断」などではなく「信念」とか「根性」とか呼ぶべきものです。彼らは生き残りをかけた生存競争を戦っているのですから、決して曖昧な判断などで海外進出などしません。 特に日本は大企業ほどリスク回避の傾向が強いので、曖昧な根拠で進出することなど絶対にありません。「ただ、遠い将来に採算が取れるようになるはず・・・という見通しをたて、将来の市場を作ることを目的に進出している」というのは、むしろ中小企業の話です。大手企業は大手だからこそ既存の市場を支配できているので、危険を冒して市場開拓する必要性など無いのです。 超大企業ならばなお更、リスクを冒して自ら進出したりしません。現地が新たな市場として成長してきたら、進出している中小企業や成長してきた現地企業を買収したり提携したりして傘下に収めるのです。本格進出はその後です。 冒険はいつだって弱者の役目です。
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- NURU_osan
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>「採算が採れると計算してるからこの国に進出してる。 > 高いハードルを越えてわざわざここに進出してるのが証拠」 >と思えば良いでしょうか? 基本的にはそのとおりです。 ただ、遠い将来に採算が取れるようになるはず・・・という見通しをたて、将来の市場を作ることを目的に進出している例もあります(今の日本企業でこのような海外市場開拓をやっている企業は非常に少ないです)。 また、何らかの国策等の一環として進出している場合もあります。 あと、日本企業でやってる例があるかどうか知りませんが、本当に売りたい市場の関税を回避する・・・たとえばアメリカに売りたいが関税が高い場合、アメリカの経済支援を受けている某国(経済支援の一環としてその国の産品には関税が免除される)で生産&輸出する・・・という迂回輸出目的で進出している場合もあります。 いずれにせよ、為替はあまり影響しません。 >日本企業として日本人従業員に円通貨で毎月支払わなければならない企業上で >外貨を集めて蓄える必要があるのでしょうか? >いつ来るか分からない円下落の時期のみしか効果を発さない外貨を集めて蓄えているのですか? 必要性があるかといえば企業によるので一概には言えません。 基本的にほとんどの企業では必要ありません。企業は経営状況を株主に報告したり、税務署に納税額を申告するために定期的に決済をしなければなりません。この時、決済は日本円で行いますから、決済日にまとめて円に換金します(中小企業等では取引の都度、換金する企業もあります)。したがって、企業が独自に外貨を準備しておく必要は基本的にはありません。各企業が稼いだ外貨はその企業が円に換金する業務を行う金融機関や行政機関が保持することになります。 独自に外貨をプールしなければならない企業は、金融業や貿易取引額の大きな大企業、緊急で外貨での取引を行わねばならない機会の多い商社や航空会社や船会社等に限られます。
補足
ご回答ありがとうございます。(1)(2)飲み込めたと思います。 これまでの内容を読むと、 「弱い通貨の国でビジネス(現地販売)する企業とはかなりの少数派」 「弱い通貨の国で現地販売するのは、将来的な見通しがあるという曖昧な論拠だけで海外市場開発ができるだけの経営状況・資金面の余力がある超大企業がほとんど」 と思えば良いでしょうか?
- NURU_osan
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>(1)なぜ現地販売で弱い外貨を稼ぐのか? >「それじゃあ、円で売るより か・な・り効率悪い通貨けど、市場だけは大きいので、この国で売ってしまう!」 >こんな感じでよろしいでしょうか? そこが間違いです。 あなたのいう通貨の効率(為替相場)は市場での販売価格に影響はしますが、進出する(商品を販売する)市場の選択には影響しません。 本来、為替相場は短期間で変動するものですが、特定市場への進出/退却は為替相場の変動ほど急激に行えるようなものではありません。一度進出すれば簡単には撤退できませんし、一度撤退すれば再進出はかなりの手間と時間が必要です。為替相場が多少変わったぐらいでイチイチ撤退したのでは、その会社はその国の政府や経済の信用を失い、再進出はおろか貿易すら困難になりかねません。 市場に進出するかどうかを判断する基準は「充分な採算がとれるかどうか?」です。 >(2)なぜ外貨を集めるほど円高になるのでしょうか? >株価と同じで 円に買い注文が入れば入るほど値段が上がると思っていました。 >外貨を集めれば集めるほど、その外貨の値段が上がるだけでは?と思いました。 直接的にはその通りです。もう少し踏み込んで考えてみてください。 「何故、円が買われるのですか?」 今、円が買われて円高になっていくのは、国際市場で特に日本円が必要とされているからではありません。単に日本円が信用されているからです。 ご存知のように円以外の国際基軸通貨はそれぞれの通貨が用いられている経済圏の景気や財政状況が悪いため「価値が下落するのではないか?」と投資家達が不安に思っています。その不安を解消するためには、今持っている不安定な通貨を価値が下落する心配のない通貨に換えるのが一番手っ取り早いのです。そして、国際基軸通貨の中で今現在最も下落する可能性の低い安定した通貨が日本円です。 では、何故日本円の価値が下落する心配が無いのでしょうか? 日本だって不景気だし、何よりも政府の債務は世界一なのに? それは日本が外貨を非常に多く持っているからです。 仮に何らかの事情で日本の経済が今のユーロ圏のように今にも破綻しそうなほど傾き日本円がユーロのように価値を下げ始めたとしても、日本は潤沢な外貨を放出して円を買い支えることが可能です(もちろん、外交上の理由等もあるので実際には無制限に買い支えることは出来ません)。 もし、日本が今のように外貨を持たなければ、海外の投資家や金融機関は日本政府の巨大すぎる債務(たとえその債権者のほとんど全てが日本人だとしても)を不安視するようになります。商取引は信用が第一ですから、不安な通貨での商取引は誰もしたがりません。当然、日本円で商取引をする企業等が減っていき、誰も必要の無くなった日本円を買おうとしなくなってしまいます。市場には必要の無い日本円がだぶつくようになり、円は売られる一方となり価値を下げていきます。日本政府は円を買い支える充分な外貨を持っていないのですから、日本円は際限なく値を下落させていきます。そして最終的に国際基軸通貨としての立場すら失うでしょう。
お礼
すみません。上記の私の補足で誤字がありました。 ・本従業員→日本従業員 ・他の高騰した外貨を買うことで→他の高騰した外貨を売ることで
補足
ご回答ありがとうございます。 すみません。もう少しお話させてください。 (1)とある弱い通貨の国に 現地生産&販売している日本企業の海外事務所がありました。 (独立した株式会社ではありません) ↓ 私はそれを見てこう思いました。 「何でこんな弱い通貨を稼いでいるの? それでその製品の開発・設計費を回収して本社の高い円通貨の本従業員に還元できるの?」 ↓ だけど実際はNURUさんの言うとおり 「採算が採れると計算してるからこの国に進出してる。 高いハードルを越えてわざわざここに進出してるのが証拠」 と思えば良いでしょうか? (2)「円が下落してしまったときにあらかじめ持っている他の高騰した外貨を買うことで 買い支えることができる」 ここまではとても良くわかりました。 ただ、政府上でのやりとりで買い集めて蓄える必要性は分かりますが、 日本企業として日本人従業員に円通貨で毎月支払わなければならない企業上で 外貨を集めて蓄える必要があるのでしょうか? いつ来るか分からない円下落の時期のみしか効果を発さない外貨を集めて蓄えているのですか? 変な質問ですが、 一般的な企業の「営業部」「法務部」の中に「為替部」があるのかな?と思いました。
- NURU_osan
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海外で生産するのと仕向け先(日本で売るか現地で売るか)とは基本的に別の話です。 海外に生産拠点を移した企業は逆輸入(日本での販売)もやっています。現地販売だけを目的に海外移転しているわけではありません。現地生産された製品は現地以外の国にも輸出するのが普通です。実際、海外に生産拠点を移している企業は日本向けはもちろん、外国向けにも販売している例は多いです。 自動車については中国や米国による事実上の現地生産の強要もありますが、これは現地が自国単独で巨大な市場を抱えている場合に限って成立する例外的な話です。 また、日本は様々な理由から市場が縮小しつつあり、多くの商品は日本市場だけに限定販売したのでは、商品開発コストを回収できるだけの充分な利益を得られません。 そもそも製造コストを下げるのは主に海外市場で外国企業との価格競争に勝って、外国市場で利益を上げるためにやっていることです。そうやって外国市場で利益を得なければ、資源や食料を輸入するための外貨を取得できないからです。 そして何よりも日本の円に価値があるのは、日本が外貨をたくさんもっているからです。日本が外貨を稼ぐ事をやめれば、日本は資源や食糧を輸入するために外貨を放出していくことになり、最終的に日本円は価値を低下させていきます。最終的に日本円は紙くずになり、日本は何も輸入できなくなってしまいます。 日本国内にしか販売できない商品(軍事転用可能な技術を用いたハイテク製品)もありますが、そういったものは製造コストを下げるために海外で生産したくても国内でしか生産できません。それどころか当該商品に関する技術資料の持ち出しすら制限されます。
補足
ご回答ありがとうございます。 2点確認あります。 (1)なぜ現地販売で弱い外貨を稼ぐのか? ある日本企業が人件費安い国で工場建てました。 日本へ製品を送りました。 ↓ だけど少子化・不景気などで売れません。 ↓ 商品開発コストを回収できる十分な利益が出ません ↓ 「それじゃあ、円で売るより か・な・り効率悪い通貨けど、市場だけは大きいので、この国で売ってしまう!」 こんな感じでよろしいでしょうか? (2)なぜ外貨を集めるほど円高になるのでしょうか? 株価と同じで 円に買い注文が入れば入るほど値段が上がると思っていました。 外貨を集めれば集めるほど、その外貨の値段が上がるだけでは?と思いました。
お礼
なるほど、いろんな背景がありますね。 私が疑問に思ったキッカケはインドで自動車のスズキが大ヒットしていたり、 ソニーやトヨタなどの日系大企業がなぜ、(円が強いから自国で円だけを稼げばはずなのに)わざわざ海外のあちこちに分社を設立するのか? ふと 思ったのがきっかけでした。 再度の返答に応じて頂きありがとうございました。