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情報構造の出所について

佐藤ヒロシ先生ら予備校系の文法書を読んでいると、 「情報構造」なる考え方が紹介されています。 (既知情報が前にきて、新情報は後ろに持っていく、など) 実際に読んでみて、目から鱗でして、 内心、こんな手法があるなら、早く教えてくれよ、と思いました。 質問ですが、この「情報構造」なる手法は、日本オリジナルなのでしょうか? それとも英米人の専門家の分析手法を日本人が輸入したのでしょうか? また情報構造に対する批判があるようでしたら、 あわせて教えてくれればと思います よろしくお願いします

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回答No.1

この手の研究は第二次世界大戦前、チェコのプラハに集った言語学者集団であるプラーグ学派(プラーグはプラハの英語読み)に始まります。 特に有名なのがマテジウスという人です。 その後イギリスのM.A.K.ハリデイという人が、プラーグ学派の影響を受けつつ、Systemic Functional Grammar(選択的機能体系文法)を創始し、一気に情報構造(information structure)研究が花開きました。 さらにその後、ハーバード大学教授で日本人言語学者である久野すすむ(漢字が文字化けするのでかけないが、Wikipediaにも載っている人なので、ご覧ください。)がプラーグ学派の研究成果や生成文法と呼ばれる言語理論に基づき、機能主義統語論研究を始めました。特に日本語の助詞「は」と「が」の研究で一躍注目を集めました。「は」と「が」の使い分けに、情報構造が深く関わっていたのです。 というわけで、「情報構造の理論は欧米の理論に始まるが、その発展には日本人も深く関わっていた」といえるでしょう。 最後に、一言。 実を言えば、英語はあまり情報構造を重視しない言語です。 日本語やラテン語・イタリア語・スペイン語・ドイツ語のように、比較的語順が自由な言語は 旧情報→新情報 という順序をよく守るのですが、英語はSVO語順を崩すと、訳が分からなくなります。 例えば、 Who hit Mary? John hit her. という会話を考えてみましょう。 答えの John hit her の新情報は John で、旧情報は hit her です。 Hit her John. とは言えません。 でも、イタリア語なら her hit John. というわけで、ずっと情報構造重視です。 英語では新情報あるいは焦点は、語順ではなく強勢で表すのが普通です。 先ほどの例で言えば、John を強く発音することによって、焦点であることを示しています。 一言で言えば、英語も語順の決定に情報構造が関わらないわけではないが、むしろ他の文法条件の方が強く、情報構造は語順よりも強勢で表されるのが普通である。

noname#207198
質問者

お礼

すごい詳しいですね! マテジウスの本が図書館にあったので、借りてみようかと思います 勉強になりました。 ありがとうございました