40過ぎの会社員です。
人生観を変えた小説というか、考え方に影響を与えられた小説なら、色々ありますね。もっとも、作者が意図した部分だったのかどうかはわかりませんが。
◆ダーコーヴァ年代記シリーズ
マリオン・ジマー・ブラッドリー
創元推理文庫で発売されていましたが、現在は絶版中です。お読みになりたければ、図書館が一番手っ取り早いでしょう。
「人は誰でも自分の生しか生きることはできない」とか、「恐怖は他から来るものではない、自分の中から来るものだ」とか、自分を肯定してからでないと、他人を許容する事はできないんだなと思わされました。
SFですが、あまりSF臭さはなく、ファンタジーや歴史物に近い印象があります。
ジェンダーだとか、人類以外の高等生物に対する扱いだとか、真剣に考えると深いネタが山積みの小説です。
◆レダ
栗本薫
これもSFです。たぶん、本来の意味合いとしては、青少年の自己発見とか、そういう意味合いなのでしょうけれど、私が影響を受けたのは「カンバセーション」とはテクニックなのだということと、「逸脱」もルールの中で行われているのだということでした。
自分の気持ちをすべて「自分の言葉」で伝えようとすると、伝わりきらなくなります。そもそも、「自分の気持ち」が、そんなに固まっていない事もあります。
この小説の中では、「カンバセーション」という技法として紹介されていますが、「決まり文句」「社交辞令」というのにも意味はあるのだな、と感じて、すごく楽になりましたね。
「逸脱」というのは、この小説内では「ディソーダー」と呼ばれ、社会に反抗する人物として描かれます。しかし、本当の意味で「逸脱」している人物には「逸脱している」という自覚がなく、たいていの人は「ルールに反すること」がカッコイイから逸脱のまねごとをしているにすぎないと描かれます。
今の現実でも大抵そうですよね。迷惑行為をしている人にも、迷惑だということを知らずにしたいからしている人、人が眉をひそめる行為だからしている人がいます。
◆竜馬がゆく
司馬遼太郎
子どもだったので、「傷を負うことを覚悟で進むか、逆らわずに最後まで流されるままになるか」という趣旨の文章に、すごいショックを受けました。
でも、確かにそうなんですよね。何をするにしても抵抗を受けて傷つく可能性はあります。逆に流され続けても最後に傷つくかもしれません。
結局、自分のしたことの責任は、自分で取らなければいけないのでしょう。
◆超少女明日香
和田慎二
すみません、小説ではなくマンガになってしまいます。しかも絶版かもしれません。
昭和50年という時代に、既に自然環境との共生を訴えた作品です。自然保護ではなく環境保護なのだということを思い知らされました。
私にとっての環境問題のバイブルは、この明日香シリーズと、同じくマンガのダークグリーン(佐々木淳子)です。
奇しくも亡くなった方ばかりになりました。
ご存命の作家で言えば、小野不由美さんの十二国記シリーズや、京極夏彦さんの巷説シリーズ、高橋克彦さんの東北三部作などが影響を受けていますが、やはり十代に読んだ作品の方が強く影響を受けるようです。
お礼
聞いたことのある題名です。ありがとうございます。