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寧に獣扁がつくと字義が逆になるのはなぜですか?
「寧」は穏やかというような字義がありますが、獣扁がついて「獰」になると「性質が悪くて強い。にくにくしい。」などと穏やかとは程遠くなります。 字の見た目からすれば「普段は荒々しいものが(一時的に)静まっている」などのほうがしっくり来ると思うのですが、なぜ「寧」から想像もできないような字義なのでしょうか?
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諸橋轍次の大漢和辞典と白川静の字統を見ましたが成り立ちは載っていませんでした。この二種で載っていないということは、ほぼ調べるのは不可能ということと同義かと思われます。 ただ字統によると、今私たちが「ネイ」と発音している「寧」の字はかつて「デイ、ダイ、ダン」と音が通じていたようなことが書いてあり、今私たちが「ドウ」と発音している「獰」の字の音符だったのかもしれません。つまり、意味のつながりは特になく、「獣に関する字で『寧』の音を持つ状態」という成り立ちの可能性があるのかもしれません。 ちなみにこの字は古い字書にはなく、初出は唐の時代、「(風が)強い」の意で用いられたもののようです。
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漢字を作った人たちには特別の哲学というか考え方があったのでしょうか。授受や売(賣)買のように一つの字から反対の意味を持つ別の字を作るという場合があったようです。そのほかにもあったと思います。
- momordica
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手元の辞書(漢字源)によりますと、「獰」は > 会意兼形声。「犬+(音符)寧〈ネイ〉(ねっちり、いじわる)」。 となっています。 「寧」は、「心がじっと落ち着いている」という意味ですが、これを一部に含む漢字を調べてみると、 恐らくそこから派生したニュアンスとして「ねっとりと粘りつく」という意味があるようです。 要するに、「犬」+「ねちねち」=「ねちねちと意地が悪く、獣のような」ということのようです。 「獰」以外で「寧」を含む漢字は「聹」「擰」「嚀」などのようにあまりなじみのない字がほとんど なのですが、「泥濘(でいねい・ぬかるみ)」の「濘」などはこの「ねちねち」感が分かりやすい のではないでしょうか。 なお、別の辞書(漢語林)によると > 音符の寧は、佞(ネイ)に通じ、口さきがうまいの意味。憎らしげで、たけだけしい犬の意味を表す。 となっています。 音が同じ漢字が共通の意味あいを持つのはよくあることなので、これもそれなりに説得力が ある説であるように思います。 辞書によって説明が違うという時点で、絶対的に正しいと言える説はなさそうですが、ご自分で 納得できる説で理解しておけばよいのではないでしょうか。
- hakobulu
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手元の漢和辞典によると、「寧」の字源としては、「食物が皿に盛り上げてあって安心して暮らせる意」だそうです。 このような字を作ることにより「安らか・穏やか」という意味を表わしたのでしょう。 では、獣にとって「食物が皿に盛り上げてあって安心して暮らせる」とはどのような状態を指すのか、といえば、人間なども含めた他の生き物に牙を剥いて襲った結果として、こうした(獣にとっての)安心感を確保することが可能になる。 つまり、獣にとっての安心は人間にとっての脅威である、といった理屈で「寧」と逆の意味が付与されたのかな、という気はします。 全くの推測にすぎませんが。
- Tacosan
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「『寧』に関連する字義を持つ」とする根拠ってありますかね.
補足
根拠はありません。 見た目の話です。