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フランス語入門書
外国語としてフランス語を学習したことのある方に質問です。仏文法の入門書を探していますが、様々な書籍があり、どれがよいのか判断がつきません。入門書といっても、中身が薄いものではなくて、そのまま中級への橋渡しをしてくれるような、解説の詳しい本で勉強したいです。ページ数は多くても構いません。というより、むしろ多い方が嬉しいです。イメージとしては、独文法入門書「関口初等ドイツ語講座」のような名著があれば最高なのですが・・・・。真剣に学びたいので、できるだけ質の高い書籍を教えてください!
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Sondern先生と比べられると、仏語には「無い」としか言いようがありませんね。 今日は独訳された先生の作文教程を見つけて、嬉々として家路につきました。 いや待てよ、たった一冊、あるぞぉ~ 実習フランス語教程 http://www.amazon.co.jp/dp/4560001502/ 京都大学の教科書だった本です。 ご要望にお応えできるものと確信いたします。 東京大学の教科書で挙げると、 フランス語の余白に / 蓮実重彦著 蓮実さんは文学部長、東大総長を歴任された方です。 心揺さぶられました。以下、はしがきを引用します。 INTRODUCTION ◆この書物は、日本の大学の教養課程でフランス語をはじめて学ぶ人びとを 対象とした教科書である。ただし、その人びとを容易にフランス語へと導く目的で 編まれてはいない。だからといってとりわけ難解な書物でもはないが、楽しいもの でないことだけは確実である。 ◆それがフランス語であれ何であれ、一つの外国語がやさしくしかも楽しく おぼえられることは絶対にありえない。また大学でフランス語の 単位の取得を 課せられた者の全員が、フランス語の達人になる必要も毛頭ない。 適当に単位がとれさえすれば、ほとんどの人間にとってはそれで充分である。 ◆この教科書のとりあえずの目的は、適当に単位がとれれば充分である人びとにとって、 フランス語とのさして遠からぬ時期の起こるだろう訣別を曖昧なものとはせず、 自分とは無縁なものと断じ、心おきなくそれから遠ざかりうるための直接の契機となることである。 但し、フランス語から遠ざかるのであれば、せめて、 英語で外国人との派手な喧嘩を 演じうる程度の語学力だけは、各自、手に入れておいていただきたい。 われわれが 外国語を学ぶ唯一の目的は、日本語を母国語とはしていない人びとと喧嘩することである。 大学生たるもの、国際親善などという美辞麗句に、間違ってもだまされてはならぬ。 ◆にもかかわらずフランス語との訣別を容認しない人びと、または教師の制度的特権によって 彼らを訣別させまいとする人びとにとって、この教科書はその利用価値を まったく欠いているわけではない。 そればかりか、他の類書には見られない新たな趣向が こらされている。視覚的、あるいは聴覚的にフランス語へと接近するのではなく、 もっぱら手を動かして、 つまり書くことによって肉体的にそれを同化すべく作られているのだ。 ◆そのために、各課の冒頭に短いテキストが置かれている。これは正しい発音で 読まれ 意味を正しく解釈される必要のない文章である。そうされてもいっこうにさしつかえないが、 利用者諸君は、これらの文章ただ盲滅法に書き写し、ついには原典を見ずに 全文がすらすら書き綴れるようになってほしい。 それが厄介だというのなら、この部分は、 授業でとりあげる必要はない。あるいは、 その作業を夏休みなどの長い休暇に行なってもよい。 いすれにせよ、訳すことよりは、 これを暗記して書けるようにすることが重要である。 ◆もちろん、この部分にかぎらず、他の例文を正しく発音したいという意志は尊重されてもよい。 その場合には、あたかも 自分がフランス人になったように美しく読もうとする必要はない。 美しく読んでも いっこうにかまわないが、それよりも、明瞭に発音すること。速く読もうとするよりは、 むしろ、自分のなまりに誇りを持ちつつ、はっきり発音すべく心がけること。 ◆五つの 母音に馴れている現代の日本人にとって、半母音(→II-10)、鼻母音(→II-10) を含めて 二十近くあるフランス語の母音を完全にマスターする事は至難の業である。また、 どう努力してもできない人が、教師にも学生にも確実に存在する。それはむしろ 自然な事なのだ。それ故、あまり神経質になる必要はない。 ◆発音と綴字の読み方を 混同しないこと。綴字の読み方は、努力すれば誰にでもおぼえられる。 それを、自分に あった音で口にすればよい。それができないのは、おぼえる意志がないか、 不注意で あるかのどちらかである。従って、この種の困難は、個人的に孤独に 解消されうる種類のものだ。 しかし、その際も、知性よりは、肉体化された手の動きの反復を 活用すること。 繰り返すが、この書物の特徴は、視覚だの聴覚だのを経由することなく、直接、 肉体を駆使すべく作られていることにある。 ◆以上のような理由から、事態を 視覚的に把握させるための図式はほとんど使われていない。 イタリック、または ゴシックによる特徴的な細部の強調も極力避けられている。それを行なうのは、 この肉体的な書物の活用者である各人の手である。 ◆予習するという善意の持ち主のために、文法説明をかなり詳しく書きそえた。 但し、編者にとってはじめての試みでもあり、かつ編者の非力も加わって、そこに間違いが まぎれこんでいることもおおいにありうる。その折には、担当教官は涼しい顔でその誤りを 指摘し、 より適切な説明を加えてくださればそれでよい。説明、例文の欠落についても 同様の処置をとられたい。 ◆巻末に二種類の練習問題がそえられている。いちおう、そらぞれの課に対応してはいるが、 その課で学んだ知識のみで解決しうるものとは限らない。 外国語の習得に必要とされるのは、 自分では知らないはずのこのとがふとわかって しまうという特殊な能力である。この能力は、 自分では知っているはずのことが ふとわからなくなってしまうといういま一つの能力とともに、 もっとも重要なことがら である。日本語を語り、聞き、書き、読む場合にも発揮されるべき この二重の資質を 欠落させた人間は、決して言葉を肉体化することはできない。
お礼
ありがとうございます!早速入手できないか調べてみたのですが、どちらもなかなか手に入りづらい本のようで、購入はできないようです。しかし、運良く近場の図書館に「実習フランス語教程」の方だけは置いてあるらしく、先ほど予約をかけました。ページ数といい、硬質な感じ(あくまで評判を読んでの感想ですが)といい、探していたもののイメージにすごく近いです!文法書はやはり、しっかりしたもので勉強しなければならないと思っているので、骨太の入門書に出会えて感激です!本当にありがとうございました!余談ですが、「関口初等ドイツ語講座」を初めて見たとき、こんな明晰な入門文法書が半世紀も前から存在していたということに驚きを隠せませんでした。もちろん、一郎氏の「マイスタードイツ語コース」も名著だとおもいます。語学というのは本当に面白い・・・・。